ピンチを乗り越えるための作戦――

もし僕の考え方が間違っていたら、
こちらの命を落としかねない危険なもの。


でも僕は僕自身の力と能力を信じる!
 
 

トーヤ

クロード、ちょっとだけ
サポートしてくれる?
部屋に落ちている薬や薬草を
拾いたいんだ。

クロード

何か考えがあるのですね?
承知しました!

トーヤ

ありがとう。

 
 
クロードさんにモンスターを
牽制してもらいながら、
僕は可能な限り薬や薬草を拾い集めた。

持ってきたものの半分以上は
カバンに入ったままだったから、
すばやく回収できたのは幸いだった。


――そして僕はそれらをザッと確認していく。
 
 

トーヤ

よし、いいぞ。材料は揃ってる。

カレン

何をする気なの?

トーヤ

一発逆転の秘策だよ。
試してみる価値はあると思う。

トーヤ

ねぇ、クロード。
さっき使った魔法道具だけど
使用回数に制限ってあるの?

クロード

いえ、魔法力さえあれば
回数や持続時間に
制限はありません。

クロード

ただ、ご承知のように
莫大な魔法力を消費するので
物理的限界はありますが……。

トーヤ

クロード、
もう一度使うことってできる?

クロード

可能ですが、
そんなに長くは保たないかと……。

 
 
やっぱりそうか……。

さっき魔法力を大きく消費した上に、
氷の魔法も使ったんだもんね。
 
 

トーヤ

ライカさんやカレンでも
扱えそうかな?

クロード

魔法容量さえ一定量を超えていれば
誰にでも使用は可能です。
目安は各系統の最高位の魔法が
扱えるくらいですね。

トーヤ

カレン、ライカさん。
それだけの魔法容量ある?

カレン

うん、大丈夫だと思う。

ライカ

えぇ、問題ありません。

 
 
2人とも使用が可能なら、
魔法道具担当はライカさんにお願いしよう。

カレンは今、
こうして僕たちを守ってくれている結界を
展開している最中だもんね。


切れ間なく継続的に安全策をとるなら
その方がいい。
 
 

トーヤ

クロード、
あの結界って外部からの干渉を
受けないんだよね?

クロード

はい、その通りです。

トーヤ

つまり中にいる限り安全な
絶対障壁とも言えるよね?

クロード

それもおっしゃる通りです。

トーヤ

よし、いけそうだ!

カレン

そろそろ私たちにも
説明しなさいよ。

トーヤ

僕、あのモンスターを
毒に冒して倒そうと思うんだ。

カレン

毒でっ!?

トーヤ

もし倒せなかったとしても
僕たちが逃げる余裕は
作れると思う。

ライカ

なるほど……。

トーヤ

カレン、診察魔法で
あのモンスターに毒が効くか
調べてもらえる?
この程度の距離なら可能でしょ?

カレン

分かったわ。

 
 
まずはライカさんが新たに
普通の結界魔法を使って安全を確保。
そのあと、手の空いたカレンが
診察魔法でモンスターを調べる。

少しでも隙ができると、
モンスターに攻撃されちゃうからね。


――そして診察魔法は短時間で終わる。
 
 

トーヤ

どうだった?

カレン

効くことは効くけど、
ある程度の耐性はあるわね。

ライカ

ナイフに毒を塗って
攻撃する程度じゃ、
効果は薄そうですね。

クロード

いえ、それでも繰り返せば
いつかは倒せます。
それまで攻撃を続けてみせます。

トーヤ

みんな違うんだ。
僕は毒を傷口から送り込もうと
考えているワケじゃない。

トーヤ

気体の毒を発生させて、
モンスターの体の内側から
毒で冒すつもりなんだよ。

ライカ

毒を吸い込ませるわけですか。
それなら効果は高いです。

クロード

それで結界の話が出たのですね?
確かにあの結界の中にいれば
毒の影響は受けません。

トーヤ

そういうことっ♪

クロード

でも毒を使うには
結界の外に出ないといけません。
トーヤ様まで毒の影響を……。

トーヤ

あ、それは心配ないんだ。
僕、毒が効かないから。

クロード

そうなのですか?

トーヤ

そっか、クロードだけは
僕の能力について
知らせてなかったんだよね。

カレン

ちょっと待ってよ。
その作戦にはもっと
根本的な問題があるじゃない。

カレン

モンスターが倒れるまで、
トーヤは無防備になるのよ?

 
 
さすがカレン。
そのことに気付いちゃったか……。

僕は苦笑しながら指で頬を掻く。
 
 

クロード

あっ……。

ライカ

確かにその通りですね……。

トーヤ

大丈夫。
僕はバスルームへ逃げ込んで、
ドアを閉めちゃうから。
ある程度は安全だよ。

カレン

それってある程度は
危険だってことでも
あるんじゃない!

トーヤ

てはは……
そうなんだけどね……。

トーヤ

でも僕はやられない。
なんとしてでもやり遂げてみせる。

カレン

…………。

 
 
カレンは眉を曇らせ、沈黙していた。

するとクロードがカレンの前に出て、
なぜかニヤリと微笑んだ。
 
 

クロード

私はトーヤ様を信じます。
カレン様はトーヤ様を
信じられないのですね?
あなたの想いはその程度でしたか。

カレン

う……。

ライカ

私もトーヤさんを信じます。

 
 
さすがクロード。
今の言葉はカレンにかなり効いているみたい。
ライカさんも意図を察して
援護射撃してくれたし。

これならカレンも突っぱねられないはず。
 
 

カレン

トーヤ、死んだら許さないからね?
私があの世に逝った時、
思いっきりビンタだからね?

トーヤ

そうはならないよ。
だってうまくやってみせるから。

 
 
僕は笑顔でカレンに返事をした。


ごめんね、カレン。心配をかけて。
でもその気持ちはすごく嬉しいよ。

だからこそ、この命を危険に晒してでも
僕はカレンを守りたい。
クロードやライカさんを守りたい。


――大切に想う気持ちは一緒だよ。
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

第78幕 大切に想う気持ち

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