東條 夕日

あそこか

俺は五分ほど歩き、前方に目的の部屋を捉えた。

指導室。教育指導から進路や生活面など、様々な用途で使用される教室。

かくいう俺も、転校前日である昨日、準備や手続きの為にこの部屋を訪れている。

「そらのうえ」と〇〇〇〇〇の部屋。当然〇にこの五文字を当てはめるのだろう。

そらのうえ。ソラの上。『シド』の教室。指導室。

東條 夕日

少し強引にも思えるが……指導室など、俺が知っているかも怪しいのだけれど

あるいは、昨日俺がそこを訪れたことも織り込み済みだったのか。

東條 夕日

ここだな

廊下の隅にある指導室の扉の前に辿り着く。

東條 夕日

この中にまた閉じ込められる展開は、俺は遠慮したいのだけれどな

扉の前で時間をかけるのも無駄なので、俺は早々にその中に入る。

東條 夕日

昨日も思ったが、少々この学校には不釣り合いだな

そんな事を言いながらも、俺は机の方へ向かった。

その理由は簡単。机の上に、あからさまに一枚の髪が置かれていたからだ。

ともすれば、俺には関係のないとも思えるただの紙だったかもしれないが。

先ほどと同じ果たし状。つまりこれは、俺宛のメッセージという印なのだろう。

中には同じく折りたたまれた一枚の紙。
そこには次のような文字が。

くるまでまっていろ

※我々は一分後に訪れる
我々の予想を超えてみせよ

東條 夕日

あと一分だと!? くっ。俺は何をするのが正解なのか!?

辺りを見回すが、この教室に車など見当たらなかった。

東條 夕日

だとしても、ただ『来るまで待っている』だけでは予想は超えられないだろう

足音が近づいてきた。どうやら恥を忍んでいる場合ではないようだ。

幸いにも、同様の桃太郎の件で恥には少しの耐性ができた気がする。

東條 夕日

やるしかないか!

すぐに俺は、紙の指令を実行する。

もちろん。彼らの予想を超えられるように。

* * * * *

こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。

今回の話しは、謎解きというよりはただの言葉の解釈です。

あの一文から、どのような解釈が生まれるのかな、という考えから入れてみました。

ひとまず、東條君が自ら『来るまで待っている』という解釈は否定しました。

さて、一体他にどんな解釈が表れるのでしょうか。

ところで、今回の話しは謎解きではないので、回答がなくても時間がある時に更新する予定です。

それでも、よろしければコメントお待ちしてますので、よろしくお願いします。

それでは、今回はこの辺りで失礼します。

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