安見たちは一日中聞き込みを行った。しかし、何の成果も得られなかった!

安見

くそっ!まるで収穫なしかよ

小林

まずいなあ・・・このまま迷宮入りか?

金田 満

まあまあ、二人とも。今日は金曜日だし!ちょっと帰りにファミレスでも寄って行こうよ!

安見

そうだな!犯人捜しは来週頑張るとするか!



安見たちは駅前商店街にやってきた!

安見

相変わらずこの辺は人が多いなあ

小林

週末の夕方だからなおさらだね

金田 満

よそ見してるとぶつかるよ!

安見

いてっ!

安見

ああっ、す、すみません

小林

もう、言ってるそばから・・・ぶつかるなよ

金田 満

あ、見て!あの人の腕!!

安見

ああっ!あれは監視カメラに映ってた腕輪!!

チッ!

安見

あっ!!コラッ!待て!なぜ逃げる?

安見

さては、校門前に落とし穴を掘ったのお前だなーっ!!



安見にぶつかった男は突然逃げ出した!安見たちは全速で後を追いかけた!

小林

はあはあ・・・、待てえ!!

金田 満

もうダメ・・・もう限界だ・・・

安見

くそう!こんな路地裏に逃げ込むなんて・・・一体どこへ行った?

小林

そこの角を曲がったんじゃないか?

安見

おかしい?誰もいないぞ?

小林

他に逃げ場はないはずだけど・・・

湯之谷

あれ?お前らどうしたんだ?



安見

あ、湯之谷先輩!!こんなところで何してるんすか?

湯之谷

何って、銭湯から出たところさ。やっぱ銭湯で長湯は最高だよな!ところで・・・お前らこそこんなところで何をしてるんだ?



安見

今朝、校門前に落とし穴を掘った犯人を追いかけてたところです!!

金田 満

ピンクの腕輪をした怪しい男を見ませんでしたか?

湯之谷

いや・・・見なかったけど・・・こっちには来てないんじゃないか?

安見

おかしいなあ・・・そんなはずは?

湯之谷

それより、お前らちょっと汗臭いぞ!銭湯にでも入ってみたらどうだ?

小林

確かに走ったからちょっと臭いかも・・・

金田 満

もう今日はこの辺にして銭湯に入らない?

小林

確かに・・・それいいね!

安見

よし!みんなで風呂に入るぞ!



安見

おっ!どうやら空いてそうだぞ!

小林

おかしい・・・何か変だ?なんだろう・・・



安見

おっし!一番風呂ゲット!!

えっ・・・・

安見

あ、あれ・・・?


変態ー!!

明智

や、安見!!貴様ぁ・・・!!



安見

え?あれ?ちょ・・・ちょっと待て!オレは今、確かに男湯を・・・



明智

さぁて・・・どうやって殺そうかしら・・・


安見

へんじがない、ただのしかばねのようだ





他の二人はどこに行ったのかしら?

明智

逃げ足の速い奴らね!!



その頃、小林たちは銭湯裏の空き地で湯之谷先輩と話をしていた!

湯之谷

俺に何の用だ?お前らは銭湯に行かなくていいのか?

小林

ちょっと先輩に質問するだけです。それが終わればすぐに行きます。

湯之谷

質問・・・何についての質問だよ?

小林

さっき、どうして先輩は銭湯に入ったなんて嘘をついたんですか?

湯之谷

嘘??

金田 満

あの銭湯の営業時間は夕方5時から深夜0時です。今、5時15分なのにどうやったら銭湯で長湯できるんですか?

小林

さっき安見にぶつかって逃げたの先輩じゃないんですか?

金田 満

もし、ぶつかってないと言うなら、ピンクの腕輪を持ってないか調べさせて下さい!



湯之谷

フフッ、さすが探偵部だな・・・



湯之谷先輩はポケットから隠していたピンクの腕輪を取り出した!

湯之谷

確かに俺はピンクの腕輪を持っている。そしてお前らとぶつかって逃げた。それは認めよう!

金田 満

ということは先輩が校門前に落とし穴を掘った犯人?

湯之谷

言っとくが・・・証拠がこの腕輪だけじゃ俺を犯人にはできないぞ!

湯之谷

この腕輪は今、駅前のデパートで売ってる流行りモノだ!探せば俺の他にもうちの生徒で持っているヤツはたくさんいる!

湯之谷

俺は単にお前らと関わるのが面倒だったから、その場をやりすごそうと商店街から逃げて、銭湯に入っていたと嘘をついただけだ!



小林

それだけじゃないでしょう?

湯之谷

ああ、そうだな。逃げる時間を稼ぐために銭湯の暖簾を男女引っくり返しといた。お陰でいいモノが見れたんじゃないか?

金田 満

そ、そのせいで・・・今、安見君は・・・



湯之谷

さあ、俺を疑うなら、もっとはっきりした証拠を見せてもらおうか!!



小林

分かりました・・・いいでしょう!



小林はスマホをポケットから取り出し、画面を湯之谷先輩に見せた。

湯之谷

こ、これは・・・



スマホには大きな足跡が写っていた!!

小林

校門前の陥没現場で見つかった、犯人のものと思われる足跡です

金田 満

あの穴に落ちたのは僕と安見君だけでした。なのに30センチもある大きな足跡がありました!

小林

先輩の足跡がこれと同じか、確認してみたらすぐに分かるはずです



湯之谷

お、お前ら・・・それで俺をこの空き地に呼び出したのか!



小林

そのとおり!地面が土ならば足跡はすぐに分かりますからね


小林

どう見ても完全に一致してますね・・・



湯之谷

ふん、ガキのお遊びと思っていたが・・・意外とやるもんだな・・・



小林

教えてください!どうして校門前に落とし穴を掘ろうと思ったんですか?

湯之谷

言っておくが、あれは落とし穴なんかじゃないぞ!お前らが落ちたのは不慮の事故だ・・・

小林

事故?

湯之谷

ああ、すべては俺が妹のためを思ってやったことなんだ・・・

金田 満

何だかよく分からないけど・・・また主人公不在の解決編が始まるぞ・・・!

13.校門前大規模陥没事件 (その2)

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