その後、僕は自分の能力のことを
カレンとセーラさんだけに伝えておいた。
珍しい能力だから少し驚いていたけど、
僕にも力があると分かって
自分のことのように喜んでくれた。
――それがすごく嬉しかったなぁ。
それから数日後、
僕たちはサンドパークを発つことになった。
施療院の前にはシンディさんたちが
見送りに出てきてくれている。
次に向かうのは北西の方向にあるダンリの町。
そこにいるガイネさんを訪ねなさいと、
シンディさんに言われている。
そのためには、まず陸走船に乗って
イフリートの砂漠を越えなければならない。
北西方面の玄関口となっているのは、
ノースエンドという町。
もちろん、マイルさんが副社長をしている
サラサラ陸運を今回も利用するつもりだった。
でも訊いてみたら残念ながら、
そちらの航路は運航していないんだそうだ。
もっとも、マイルさんは自分のツテを使って
特等船室の乗船券を手配をしてくれた。
しかも運賃まで出してくれるという
大盤振る舞い!
ただ、そのマイルさんは仕事の都合で
すでにポートゲートへ戻っちゃったんだって。
きちんとお礼とお別れが言いたかったなぁ。
でもまたきっと会える時が来るって信じてる。
その時に気持ちを伝えようと思う。