安見たちは花咲麻由美を探して校内を歩きまわった。
花咲は、校舎の外で弁当を食べていた!

安見

おい、花咲!お前、松阪牛の・・・

小林

花咲さん。部室のカギ知らない?

花咲

あ~。安見先輩に小林先輩!え、何ですか?松阪牛のカギ?

安見

うわっ、完全に混同してる・・・

小林

明智から部室のカギ借りたよね?

花咲

はい、借りましたよ~

安見

一体、どういうつもりなんだ?

花咲

篠崎先輩に頼まれたんですよ

安見

えっ、篠崎に?何で?

花咲

ん~。なんか部室にあるホームズ全集が読みたいって言うから、明智先輩からカギを借りて、篠崎先輩に貸してあげたんです

小林

カギのまた貸しかよ・・・

安見

コナンじゃないのかよ・・・

花咲

あ、許可ならちゃんと明智先輩から取ってますし、カギなら今は私が持ってますよ!

安見

そ、そうか・・・ならいい

花咲

一体どうしたんですか?そんなに慌てて

小林

い、いや・・・別に

花咲

そうですか!私、次の授業の準備があるので

そういうと、弁当を食べ終わった花咲麻由美は教室へ去って行った!

安見

ま、まさかあの篠崎が犯人なのか?

小林

オレも信じられないが、しかしこの状況から考えると・・・

安見

篠崎っていったら、学年一のお嬢様だぞ!!お前の焼肉弁当なんか盗むかよ?

小林

何かそうせざるを得ない事情があるのかもしれない・・・

安見

事情?・・・も、もしかして、誰かに命令されてるとか?

小林

イジメにあってるのかも・・・

安見

な、何だって~!!

小林

これは、早く見つけて事情を聞くしかないな

二人は篠崎文子を探して、昼飯も食わずに学校中を歩きまわった。体育館裏、プールサイド、音楽室・・・。さすがに女子トイレまでは行かなかったけれど。

そうして屋上に行った時、ついに篠崎の姿を見つかった!篠崎は、一人屋上でフェンスにもたれ掛かりぼんやりと座っていた。

安見

お、おい、篠崎!・・・あっ!

篠崎

何?

篠崎の膝の上には、とびきり大きくぶ厚い焼肉弁当が置かれていた!

安見

な、なぜっ!お前が小林の弁当を!

篠崎

そ、それは・・・

安見

誰かに命令されたんだろ?

篠崎

そ、そうじゃなくて・・・

安見

許せねえ!オレがぶっとばしてやる

篠崎

違うの・・・わ、私

安見

何?

篠崎

と、友達いないから・・・

篠崎

それで・・・つい

篠崎

あなた達がいつも・・・

篠崎

楽しそうだったので

安見

はあ?何、言ってるか全然わかんねえよ

と、その時・・・

大田先生

わかってないのはアンタ達のほうよ!

と、背後からかん高い声が響いた!

見れば、(いちおう)探偵部顧問の大田先生がこっちを見ていた!

大田先生

まったく、アンタらは探偵部のクセに食い物しか見えてないんだから!

小林

先生、これはいったいどういうコトですか?

安見

せ、先生は犯人を知ってるの?

大田先生

まあね。こうでもしないとアンタらは動かないからね

小林

教えて下さい。先生はなぜ篠崎にオレの弁当を盗ませたのですか?

安見

な、なんですと~!

小林

オレ、今日の弁当が焼肉弁当ってことは安見と先生にしか言ってません。盗られたら大ごとですから

大田先生

それは賢明な選択ね。でもまだ脇が甘いわね

安見

ど、どういうこと!ちょっと待って!頼むから説明してくれっ!

2.特製松阪牛弁当盗難事件 (その2)

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