そんなこと聞いちゃったら 触りたくなるのが性だよね
「ノルちゃん」
島は、ノルの腰を抱いたまま、首筋に顔を近づけると、フッ…と軽く息を吹きかけた。
「 …! 」
肩がビクッと震え、目を丸くしたノルと視線が絡む。
「シ…」
ノルが何か言いかけたが、首筋に指を添えるとそのまま、するりと滑らせた。
「ん…ッ」
ノルは、小さく声を漏らし、頬を紅潮させた。
「ダメ… だ」
これは…っ
思ってたよりも破壊力があるな
ノルは、肩を震わせ島を見上げていた。
耐えるような表情と少し潤んだような瞳に鼓動が高鳴る。
「ごめん ノルちゃん
つい 手が触れちゃって」
完全に わざとだったけど
「っ…」
膝の力が抜け、前方へ蹌踉めいたノルは、島の肩口へ顔を埋めた。
これ 感じやすいとかってレベルじゃ…
もはや 急所って感じじゃないか
いや しかし ノルちゃん……
いい匂いだ
待てよ そういえば…
ノルと初めて会った時、彼が身につけていたスーツ。
コスプレとしか見ていなかったのだが、言われてみれば、首周りのガードがやたら強固だった事を思い出す。
普通 わざわざ自分の急所を教えたりしないよな
俺を信用して 話してくれたのか…?
「シ マ…」
「面倒 かけて…すまない…」
島の沈黙を、どう受け取ったのか、ノルは吐息を挟み掠れた声でそう言った。
「心配 ない… すぐ 治る」
「……」
「…… ……」
肩口で短く呼吸を繰り返すノルを見つめ、島は平静を装いながらも、激しく葛藤していた。
なんというか もう 色々ヤバイ
ヤバイんだが…
「はぁ…
流石に こんな状態の子に手を出すの
は」
「……んぅ」
島は、ノルの体をなるべく刺激しないように腕を回した。
「ノルちゃん ソファに行こうか
落ち着くまで 休もう」
「ん…」
「ノルちゃん…」
島は、素直に体を預けてくるノルを複雑な気分で見つめる。
「ごめん」