島 達己

そんなこと聞いちゃったら 触りたくなるのが性だよね


島 達己

「ノルちゃん」             


島は、ノルの腰を抱いたまま、首筋に顔を近づけると、フッ…と軽く息を吹きかけた。

NOL

「 …! 」               


肩がビクッと震え、目を丸くしたノルと視線が絡む。


NOL

「シ…」                


ノルが何か言いかけたが、首筋に指を添えるとそのまま、するりと滑らせた。


NOL

「ん…ッ」                


ノルは、小さく声を漏らし、頬を紅潮させた。    


NOL

「ダメ… だ」                


島 達己

これは…っ
思ってたよりも破壊力があるな             

ノルは、肩を震わせ島を見上げていた。
耐えるような表情と少し潤んだような瞳に鼓動が高鳴る。    

島 達己

「ごめん ノルちゃん     
 つい 手が触れちゃって」       

島 達己

完全に わざとだったけど       


NOL

「っ…」                


膝の力が抜け、前方へ蹌踉めいたノルは、島の肩口へ顔を埋めた。


島 達己

これ 感じやすいとかってレベルじゃ…
もはや 急所って感じじゃないか


島 達己

いや しかし ノルちゃん……    
いい匂いだ


島 達己

待てよ そういえば…           


ノルと初めて会った時、彼が身につけていたスーツ。
コスプレとしか見ていなかったのだが、言われてみれば、首周りのガードがやたら強固だった事を思い出す。

島 達己

普通 わざわざ自分の急所を教えたりしないよな

俺を信用して 話してくれたのか…?

NOL

「シ マ…」                


NOL

「面倒 かけて…すまない…」                


島の沈黙を、どう受け取ったのか、ノルは吐息を挟み掠れた声でそう言った。  

NOL

「心配 ない… すぐ 治る」                


島 達己

「……」                  


島 達己

「…… ……」                  


肩口で短く呼吸を繰り返すノルを見つめ、島は平静を装いながらも、激しく葛藤していた。  

島 達己

なんというか もう 色々ヤバイ
ヤバイんだが…                  

島 達己

「はぁ…
 流石に こんな状態の子に手を出すの
 は」                    

NOL

「……んぅ」                


島は、ノルの体をなるべく刺激しないように腕を回した。


島 達己

「ノルちゃん ソファに行こうか
 落ち着くまで 休もう」                    

NOL

「ん…」                


島 達己

「ノルちゃん…」                
    

島は、素直に体を預けてくるノルを複雑な気分で見つめる。 


島 達己

「ごめん」                
    

島は、小さく呟き。
遠慮がちに胸にすがるノルを抱き上げるとキッチンを後にした。  

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4-1:触る(オニギリ)

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