クロウ

ん・・・ここは?

目が覚めると広がる一面の知らない天井

こんな場所は来たことがないはずだ

あたりを見渡そうと首の位置を変える

レグレス

目が覚めたようだな
ああ、ここはギルドの医務室だ

クロウ

あ・・・ギルド長

何を言えば良いのか分からず沈黙してしまう

レグレス

全く、模擬戦に勝ったと聞いてきてみれば倒れたお前と抱え上げたアリストが居るわで大慌てだよ

そんな状態だったんだ・・・

レグレス

さて・・・とりあえず体は大丈夫か?

クロウ

ええ、ご心配をおかけしたようで

レグレス

まぁ確かに心配はしたがわしよりもそれはアリストに言ってやれ

クロウ

ええ、そうします

そういって僕は寝ていたベッドを立つ

・・・うん、特に問題は無いみたいだ

レグレス

ああ、そうだ
お前に依頼の方を持ってきたぞ
これをクリアすれば晴れてBランクだ

ギルド長はそれを僕に手渡す

紙に目を通すとそこには

クロウ

討伐・・・対象は・・・ダブルヘッドハウンド?

レグレス

そうか、知らないか
まぁそうだろうな、最近発見されたんだよ
全く・・・最近の魔物の生態はどうなっているんだか・・・

ため息と共に説明をしてくれる

レグレス

そいつはな、犬だよ、犬

クロウ

犬?

レグレス

ああ、ヘルハウンドという魔物は分かるよな?

クロウ

ええ、授業と本で

ヘルハウンドは炎を纏った犬、というのが正しいだろうか?

気性は非常に荒く、同時に魔法を使う

火属性の魔法を使いこなす・・・らしい

レグレス

それの頭が2つになって図体がでかいんだよ
あれには正直驚いた
強さはヘルハウンドとあまり変わらないが気をつけるに越したことは無い

なんだかすごそうなことを言っている気がするのは気のせいだろうか?

レグレス

アリストも同行するから問題ないだろう

クロウ

ま、まぁがんばります・・・

さて・・・とアリストさんのところに向かわなければ

クロウ

アリストさんは何処に?

レグレス

ああ、あいつなら・・・

アリスト

クロウ!

クロウ

アリストさん!?

アリスト

大丈夫か?大丈夫・・・みたいだな

レグレス

まったく・・・話の腰を折りよって・・・
まぁいい、アリスト、クロウの試験、引き続き任せたぞ

アリスト

ああ、わかった
クロウ明後日出発する
目的地はここから2日もあれば着く
洞窟を住処にしているらしいからな

クロウ

ええ、分かりました

レグレス

では、今日は帰ると良い
学校には明日から追加で1週間休みをもらうように言っておく

クロウ

いいんですか?

レグレス

学校側としても万々歳だろうよ
自分の学校からBランクなんて大物が出るんだからな

クロウ

は、はぁ・・・

そういうものなんだろうか?

クロウ

じゃあ失礼します
明後日ここに来れば良いですか?

アリスト

ああ、それで問題ない

クロウ

わかりました

僕はそれを聞くと部屋を出て自分の部屋へと帰った

pagetop