いつものひょうきんな雰囲気は何処へやら
アリストさんの纏う空気が変わる
いつものひょうきんな雰囲気は何処へやら
アリストさんの纏う空気が変わる
・・・ルールは簡単
俺に認められるか俺を倒すか参ったといわせればお前のBランク昇格を認める
手加減はするが・・・
もう試験は始まっている
それを認識したのは
・・・期待するなよ?
風を切る音が聞こえる
咄嗟の判断でそこから横に飛びのく
そしてそこには剣を振り切ったアリストさんがいた
・・・!
危なかった・・・
あの人は手加減をしているながらも僕を殺そうとしている
ぱっと見た感じでは獲物は剣一本のようだ
だけど魔法を使った様子は・・・
先に言っておく
俺の属性は風
速度に特化している
風・・・
ラックさんと同じ・・・
でも、なんとなく分かった
さっきのは僕の油断もある
次はそうはいかない
ハァ!
剣に魔力を込める
頭の中でイメージする
速度特化の相手にできること・・・
さぁ、次だ!
駆け出すアリストさん
下から上への掬い上げ!
横に体を動かしてかわす
これをよけるか・・・
やっぱり楽しめそうだな!
そんな余裕ないですけどね!
今度はこちらから横に一閃
が、後ろに飛びのかれ難なくよけられる
これなんかどうだ?
風よ、眼前の敵を
!
呪文の詠唱
位置的に阻止する術はない
体に身体強化をかける
切り刻め!トルネード!
呪文の詠唱が完了しアリストさんの眼前に竜巻が現れる
それはこちらに向かい・・・
ぐあああああ!
僕の体を巻き込んだ
僕の体は上に吹き飛ばされて風の刃に切り刻まれる
やがて魔法が終わり僕は床に叩きつけられるように落ちた
残ったのは倒れた僕だけ
まぁ、こんなもんか
でもAランクの俺に良くここまで食いついたもんだ
お前は文句無くBランクだ・・・あ?
・・・まだですよ?
体中に傷を作りながらも僕は立ち上がる
こんなところで負けていられない!
折角のチャンスなんだ
もっと強くなるために・・・!
まだ、僕は負けていません!
しっかりと足を床につけてアリストさんを見据えた