突然目の前のアリストさんが笑い出す
面白くって仕方ないようだ
・・・ははは
突然目の前のアリストさんが笑い出す
面白くって仕方ないようだ
ここまでタフなんてなぁ
人は見た目によらないとはよく言ったもんだ
さて、
そしてアリストさんは剣を構えた
片手剣一本のようだ
いいぜ?魔法は使わない
剣だけの勝負といこう
もうお前の昇格は確定だ
こっから先は楽しもう
アリストさん・・・
目の前の人は僕の実力を認め純粋に勝負をしようといってくれた
うれしい・・・とても
なら、それには
行きます!
答えなければいけない
ふらふらの足はいつの間にかしっかりと地に足をつけていた
体に強化を施す
そして剣にも
駆け出した僕は一直線にアリストさんへと向かう
甘い!
上に振りかぶって振り下ろす
が、問題なく受けられてしまった
っ!
左下から右上への切り上げがやってくる事を剣が伝えてくれる
それに従い僕は先にそこに剣を添えて受ける
なんだと!?
らぁ!
距離をとるためにアリストさんの腹に向けて蹴りを放つ
アリストさんは避ける事叶わず、だが直撃を避けたようで少し後ろに下がる程度に終わった
やっぱりつよいな、お前!
まだまだ・・・ですよ
すでに僕の呼吸は荒い
さっきのと今ので大分体力を消耗している
だが今ので分かったことがある
勝てない
まだこの人には勝てない、身体強化しか覚えていない僕にはまだこの人には勝てない
ほかに何か対抗策があれば・・・
もっと、もっと早く動ければ・・・
・・・そうだ
身体強化で体が軽く、そして早くなるのであればそれを重ねられないだろうか?
そうすればもっと、もっと早く動けるんじゃないだろうか?
やるしかないか・・・
さぁ、次行くぞ!
体の中にある魔力を集める
そして身体強化の上にもう一度身体強化を重ねる
二層になった魔力の膜により消費する魔力は単純に倍になるが僕にそれはほとんど関係ない
そして
オラァ!
右から左に横一閃!
頭に伝わるイメージに従いその剣を受ける
・・・あれ?
・・・軽い?
さっき剣を受けたときより受けやすくなっている
そして反撃のために僕も剣を振るう
上から下へと振り下ろす
ぐお!?
一気に重くなりやがった!?
・・・やっぱりだ
アリストさんの顔を見て疑問が確信に変わった
成功した
身体強化の重ねがけは成功したんだ・・・!
先ほどと同じように蹴りを腹を放つ
だが今回はよけられてしまった
後方へ飛びのくことで難を逃れたようだけど・・・
な!?早い!?
一拍遅れて僕が距離をつめる
体がさっきよりも軽いのが分かる
そして
だぁ!
剣をもう一度振る
剣をちゃんと構えられなかったアリストさんは咄嗟に剣で防御したため
剣を大きく弾き遠い地面に落ちる
あーあ、負けちまったか
まさか流石にやられるとは思わなかったぜ