天王寺 漣
<テンノウジ レン>

性別 男
年齢 17歳
容姿は端麗
同級生曰く、
『かなりのゲーマーで格好良くて頭のいい奴』


同級生曰く―、
『紅い瞳が印象的な奴』

彼は天王寺家という世界的に有名な名家のもとに『引き取られ』これまで暮らしていた

特技はゲーム、絞れば格闘ゲームで、リアルも超人的に強いということを除けばいたって普通の人間だった

そして不吉さをも感じる燃える炎のような朱い、赤い―紅い目

天王寺家の第一子息こと、彼の義兄にあたる天王寺馨<カオル>とは相対する瞳の色である

まるで、二人は生まれる前から出会う運命だったかのような―


容疑者A

れ・・・・・・・、・・・・ん、れ・・・。

誰、僕の名前を呼ぶのは

容疑者A

れ・・・・、れ・・・ん。

名前を呼ばないで

容疑者A

れ・・・ん、れ・・・・。




嫌だ・・・!
名前を呼ぶな・・・!



起きなよ、漣。

!!!???

兄上が僕を呼ぶ声で目を覚ます
自分でも驚くほどに体中に汗をかいていた

僕は肩で息をしながら、まだはっきりとしない瞳で兄上を見つめる

兄、上・・・?

何寝ぼけてるの?
悪い夢でも見た?
ひどい汗だよ。

僕は兄上が僕に触ろうと伸ばした手を思いっきり払いのけた

大丈夫だから、僕に触らないで。

すると兄上は困ったような、怒ったような複雑な表情を僕に向けた

僕はそのまま自分の頭をおさえる

今日は頭が痛いんだ。
ただ、それだけだよ。

横で兄上が微かにほほ笑んだ気がした
そして兄上も自分の頭をおさえる

偶然だね―、俺も頭が疼くんだ。

暫しの間、僕たちはにらみ合う
すると兄上は誤魔化すかのように嘲笑した

嘘だよ。
そんなに怖い顔しなくても。
ただでさえお前の瞳は妙な怖さがあるんだから。

兄上は皮肉のような言葉を漏らし、窓の外に視線を外した

は、笑えない冗談だね。

僕は一言そう返して黙り込む

僕たち兄弟は仲が悪いようだとよく言われる
それはとうに自覚済みだ

いつからだろうか、こんなに僕たちの仲が悪くなったのは


きっとあれだ


この瞳について、父上から話を聞いたときからだ




そんなことを考えていると、車がゆっくりとスピードを落として止まる

目の前には見慣れた豪邸が姿を現した

着いたようだね、ご苦労。

兄上は運転手に軽く会釈してから車から降りた
僕はそのあとについで、車から降りる

門がひとりでに開き、僕たちを迎え入れた

乾いた石づくりの地面を踏みながら、僕たちは家の中に入っていった



お帰りなさい、馨、漣。





柔らかい笑みを浮かべ、僕の義理の祖母にあたる人が出迎えてくれる

ただいま、おばあ様。

・・・・。

丁寧にあいさつをする兄上に比べて、僕はそっけなく横を通り過ぎる

どうせ作り物だ・・・。

そのおばあ様の笑顔も、僕の瞳のせいで作られた偽物でしかない

決して僕に向けられる笑顔じゃない


・・・・・・。

そんな僕の態度に兄上はちらりと冷たい視線を向ける

そんな兄上が言葉を発する前に、僕が口を開く

僕は誰にどう思われようとかまわない。
どうせ『僕』を見てくれる人なんてこの屋敷にはいないんだしさ。




まだ何かを言おうとする兄上を無視して、僕は歩き出す

で、なんだっけ。
重要なパーティーがあるんでしょ?
準備、してくるね。

そう兄上につぶやいて





つづく

その挑戦者陥落につき2

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