エリアに連れられて数分
学院をまっすぐに出て街まで来てしまった
エリアはようやく止まり
ちょ、ちょっとエリア！？
何処まで行くの？
エリアに連れられて数分
学院をまっすぐに出て街まで来てしまった
エリアはようやく止まり
ごめんなさい・・・でも、合わせたい人が居て
合わせたい人・・・？
誰だろうか？
僕の知っている人かな？
えっと、それって・・・
大丈夫、きっと喜ぶから！
さらに連れられて数分
町の中心にある広場
鴉羽の勇者の像の広場まで来た
ほら！あそこ！
あそこって・・・え・・・？
そこに居たのは最後に見たのは何年前だろう
いつも僕に優しくしてくれた
いつも僕と話をしてくれた
いつも僕の味方でいてくれた
本当に母親なのかと疑うくらいに若く見える
あのころとまったく変わっていない
クロウ？・・・クロウなの！？
母さん・・・母さん！
僕はその人の所まで走り出す
その人はその目に涙をためて同じくこちらへと歩み寄る
ああ、やっぱり、母さんだ
あの時とまったく変わってない
良かった・・・！
本当に良かった！
母さんは僕を優しく、そして強くしっかりと抱きしめてくれた
よかった、もう会えないと思っていた
会いたかった・・・！
もう会えないと！
そのまま僕は今までにたまっていたものを吐き出すように泣いてしまった
男なのにとかは今だけは許してほしい
周りの目を気にすることなく今は目の前の人だけを見て居たかった
そう・・・そんなことが・・・
大変だったのね
ううん、それでも嫌なことばっかりではなかったんです
友達もできましたし
エリアとも仲直りできました
僕は母さんに今までのことを余すことなく話していた
不思議と言葉が途切れることは無く、それで居てとても楽しい時間だった
母さんはどうしてここに？
エリアから手紙をもらってね
合わせたい人がいるって言うから来てみたの
あの人にはエリアの様子を見に行くといってあるわ
なるほど、それなら疑われることは無いだろう
でもごめんなさいね
そんなに長く居ると不振に思われるから今日はもうすぐに帰らないといけないの
顔が見れただけでもとてもうれしかったわ
僕もです、前と変わらなくって驚きました
そういい笑いあう
こんなやり取りも久しぶりな気がする
じゃあね、町の入り口の方に使用人を待機させているの
たくさん人を連れていたら変に見られるでしょ？
ええ、また
次はゆっくりと
そういって僕らは別れた
エリアの方を見ると笑っている
良かった
どんな反応するか不安だったから・・・
ううん、ありがとう
とてもうれしかったよ
えっと、その・・・兄さん？
良ければご飯食べていかない？
・・・！うん！
食べていこうか！
僕らは町の中を歩き出した
久しぶりばかりの一日、心が弾んでいた
