開口一番
レグレスさんの口から出たのはそんな言葉だった
君たちは厄介ごとに巻き込まれる趣味でもあるのかい?
開口一番
レグレスさんの口から出たのはそんな言葉だった
そんなわけ無いですよ・・・
僕の言葉に皆が頷く
宿でセリアさんが立ち直り、無事に町に着くことができた
ディフさんにお礼を言ってから別れた
そして今は報告のためにギルドへと来ていた
それにしてもオーガか・・・
この近くでそんなものが出たとなると少々厄介だな
そいつ一体だけとも限らない・・・
やっぱり結構まずいことなんですか?
そうだな
森の生態系が崩れる可能性がある
ほかにも周辺住民の危険
考えれば考えるほど問題が出てくる
この手紙を見る限り今回は一匹だけのようで対処はしたらしいが・・・
そういって僕に手紙を見せてくる
それは村長の渡してくれた手紙だった
とりあえず、今回はご苦労だったな
皆報酬は上乗せされているから安心してくれ
学院にもこのことは報告しておこう
話が終わり、報酬を受け取りギルドを出る
ん?あれは・・・
僕は人ごみの中に見覚えのある人影を見た
・・・
やっぱり!
僕を森で助けてくれたライズさんだ
!
ちょっと行ってきます!
ここで会えるとは思わなかった
先日の礼をちゃんと言いたい
え!?
クロウさん?
後でリーダさんには謝ろう
ライズさんの後を追う
人がたくさん居てうまく追いつけない
やっと声を掛けられる位置まで来たのはライズさんが路地裏に入ったところだった
ライズさん!
ん?
君は・・・
森でオーガから助けてもらったクロウです
あの時はありがとうございました
・・・いや、気にすることは無い
あの場に私が居合わせたのも運が良かったんだろう
それでも、ありがとうございました
ふっ・・・律儀な奴だ・・・
気に入った
そういってライズさんは笑う
君は・・・剣を使うのか
えと・・・はい
よければ私と一度剣を交えてみないか?
場所は・・・そうだな
あそこにしよう
そういってライズさんは指を指す
そこには少し広い空き地が広がっていた
あそこは今は使われていない土地でね
建物は壊したけど土地だけが余っている状態なんだよ
でも・・・何か用事があったんじゃ
話しかけておいて変だが僕と話す前はどこかに向かっていたように見える
それなのに大丈夫だろうか?
ああ、大丈夫だ
それはいつでもできることだしな
えと、じゃあ・・・お願いします
僕らは歩きその空き地で向かい合う
ルールは簡単だ
殺しはなし
有効打を先に決めたほうの勝ちにしよう
はい!
お願いします!
僕は自分がどきどきしていることに気づいた
オーガを目の前で一撃で倒した人の剣だ
勉強のためにも是非ともお相手願いたい
では・・・始め!
開始の合図が知らされた