森に鳴り響く咆哮はとても大きく
この森を揺らすのではないかと思うほどだった
い、今のは!?
森に鳴り響く咆哮はとても大きく
この森を揺らすのではないかと思うほどだった
ひぃ、な、なんですか?
今の咆哮は一体何処から・・・
突然すぎて場所が分からなかった
ただ、
な、なにかかなり危ないものが近くに居ませんか?
一旦村に戻りませんか?
確かに、そうした方がいいかもしれない
そうですね、一旦戻りましょう
僕らは村まで一旦戻ることにした
村へと付くとそこでは住人たちが大慌てで避難を開始しようとしているところだった
一体何が・・・
おお、ギルドの
ご無事でしたか、良かった良かった
村を見回しながら村長の家まで行くと村長が迎えてくれた
村長もどうやら焦っているようだ
一体何があったんですか?
それが・・・山にオーガが住み着いたらしく
どうしようもないということで逃げようとなったんです
あなた方にこの事を知らせるために私は残るつもりでしたが・・・
一体どうしてこんな・・・・
オーガ、簡単に言ってしまえば巨人だ
この辺には生息せずに基本的には火山地帯に生息するはずの魔物
とても僕らで相手できるような奴ではない
お、オーガですか!?
村長さんもこのことは予想が出来るはずもなく
オーガの咆哮を聞いたことがある村の住人がそれを皆に伝え避難を開始したらしい
ゴブリン討伐中にも妙なことがありました
何か関係あるかもしれないと思い先ほどのことを話す
ゴブリンの姿はほとんど見当たらず
オークの姿が見れました
何か関係が・・・?
恐らく、オーガがここへ来る最中に住処を追われたのでしょう
それでここに流れたんだと思います
・・・まさか!?
どうしました~
オーガは住み着いたのではなくこの一帯を荒らしているだけかもしれない!
やはり避難を開始しなければ!
村長はそういって家から弾かれる様に出て行った
・・・何かできることを
なに言っているんですか!
オーガですよ!?
流石に無理です、付き添いのギルド員が居るならともかく私たちだけじゃ・・・
なら、避難だけでも手伝いましょう~
ですね、一人でも多く逃げないと
僕らも村長さんに続き家から出る
もう住民はある程度の荷造りは終えたようだ
村長さん!
ん?どうなさいました?
あなた方も避難を・・・
私たちも何か手伝います~
それはありがたい!
では、非難の際に護衛をお願いします
馬車は足りるか!?
そういって村で馬車を持つ人に尋ねる
すいません!
今使えるのを全部足しても少し足りません!
でしたら、私のを使ってください
私も協力しますよ
そういっていつの間にか居たディフさんが馬車の貸し出しを買って出てくれた
あなたは?
ここの宿屋に泊まっていた御者です
行き先は?
感謝します
イチリンでかまいませぬ
一番近い場所が学校のあるイチリンか・・・
大丈夫だろうか?
では、ギルドの方々
お願いします
無理だと思ったら逃げてください
村の事をあなたたちが背負う必要はありません
いえ、やれるだけやります
逃げても見つかれば同じですから
そう頷き住民たちの移動が始まる
やはりというべきか、住民全員ということもあり信仰が遅い
いや、これでも早い方だろう
バアアアアアアアアアアアア!
先ほどよりも近い位置からの咆哮
やばい!
これ、もしかしてこっちに気づいて!?
やばいですやばいですよ!
ペースを上げる
だが、向こうには関係ないようだ
バアアアア!
っ!
オーガ!
近くの木々をなぎ倒し現れたのは青っぽい肌をした
巨大な棍棒を持った巨人だった