クロウ

思ったより早くつきましたね

馬車ということもあり想定していたよりも全然早く着くことができた

そこまで疲労もたまらず皆万全の状況だ

ここはアイン村

特に目立つところも無い普通の村のように見える

ディフ

私はここの宿屋に滞在しているので帰る際にはまたお願いします

ミラ

ありがとうございましたぁ~

皆がディフさんにお礼を言ってやるべきことをやる

まずはここの村長さんに話を聞かないと

アリストさんにこういう依頼を受けたときにはまずそこの代表に会うのが通例らしい

まぁ確かに挨拶も無しに活動されるのはいやだろう

どんな人が依頼を受けたのかを知っておきたいだろうしね

クロウ

じゃあ村長さんのところに行きましょうか

とりあえず村長さんのところに行こう

場所はこの村で一番大きな家らしい

これは村の人に聞いた

”コンコン”

家のドアをノックする

どなたですかな?

リーダ

ギルドから来ました
依頼を受けさせていただいたのでご挨拶を

開いたドアからは壮年の男性が出てきた

彼がここの村長だろう

それはそれはご丁寧に
ささ、どうぞこちらへ

皆が促されるまま部屋へと入る

中はとても綺麗に整理されてありそれでいて生活感のある家だった

今回はゴブリンの約20匹の討伐依頼を受けていただいたということでよろしいですか?

ミラ

もんだいないですぅ

では説明させていただきます
ここアイン村は農業で生計を立てていましてな
今の時期は収穫の時期でして・・・
それを狙ってゴブリンが畑を荒らしにくるのです
毎年この時期にはギルドの方々に来ていただいてある程度駆除をしてもらうのです

なるほど

農業で生計を立てているのであれば畑を荒らされるのはたまったものではない

かといって村の人たちが戦えるわけでもないからギルドに依頼するのか

クロウ

今回は僕たちがそれをすればいいんですよね?

その通りです
この村の近くの山からゴブリンは来るので
それを今のうちに潰してもらいたい次第です

セリア

ゴブリンって強いんですか?

いえ、ギルドの方ならそこまで苦労はしないでしょう
ですが村の者たちは闘う術を持つ者がいないので・・・
お願いいたします

頭を深く下げる村長

リーダ

お話は分かりました
では、これから準備をしてから取り掛かりますね

はい、せめて食事ぐらいはこちらでご馳走させてください
我々はこれくらいしかできないので

皆で顔を見合って頷きあう

ここは甘えよう

クロウ

ありがとうございます

では少々お待ちください
すぐに用意いたします

言われて少したってから料理が並んだ

ここの村でよく作られる麦や野菜

どれもとても美味しそうだ

セリア

これはがんばらないとですね!

皆が食べ始める

うん、美味しい

楽しい食事はあっという間に終わってしまった

それほどまでに食べることに集中してしまっていたようだ

クロウ

ご馳走様でした

お口にあった用で何よりです

ミラ

じゃあ行きましょうか~

僕らは村長にこれから行く旨を伝えて家を出た

この村の近くの山

そこにはゴブリンやウルフなどの魔物が生息しているらしい

僕たちはそこへ向かう

リーダ

なんか、緊張してきました・・・

セリア

大丈夫ですって!
皆でがんばれば何とかなりますよ!

山へと付くとそこは背の高い木がたくさん生えていた

僕とラックさんの住んでいた森を思い出す

ミラ

空気が美味しいですね~

言われたとおり空気が美味しい

こういった自然だからこそだろう

”ガサガサ”

少し奥に行ったところで音が聞こえる

クロウ

っ!なにかいます!

ガウアアアア!

クロウ

な!?お、オーク!?

出てきたのはゴブリンではなくオークだった

猪が二足歩行したような魔物で知能は武器が使える程度にある

ここにいるなんてそんな話は・・・

リーダ

まずは撃破を!
光よ、球となりて敵を撃て!
ライトボール!

リーダさんの手元から光の球が出現しオークへと飛んでいく

オークはまだ距離があったために避けられてしまった

ミラ

水よ、我の敵を流せ
スプラッシュ~

間延びした声から唱えられるミラさんの魔法

手元から大量の水が噴き出しオークへと向かう

ブル!?
ガアアアア!

流石にこれにはたまらずにオークが流される

ミラさんが魔法を解くと水も消えてしまった

オークはどうやら途中で木にぶつかり起きてくる様子は無い

セリア

何でここにオークが・・・

セリアさんの尤もな疑問に皆が考える

ここにはそもそも生息していないはずのオークが何で・・・

ゴブリンとオークはそもそもあまり仲が良くないはずだが・・・

ブル!?
ガルア!

リーダ

え・・・?
キャア!

いつの間にか目を覚ましていた先ほどのオークがリーダさんに襲い掛かる

しまった!

完全に目をそらしていた・・・!

剣を構えてオークへと走る

もうその太い腕を振り下ろす体制に入っている

クロウ

危ない!

僕はリーダさんに手が振り下ろされる前にオークへと手に持った剣を振った

ガウ・・・ガル

”ドサリ”とオークは血を背中から噴き出して倒れる

・・・死んでいる

クロウ

・・・

リーダ

あ、ありがとうございます
・・・どうしたんですか?

クロウ

い、いえ
やっぱり殺すというのは慣れないな、と

リーダ

そうですね・・・私もやらないといけないですもんね・・・

セリア

お二人とも大丈夫ですか!?

ミラ

びっくりしましたぁ~

改めて目の前の敵を殺したのは僕だと認識する

仕方がないとは言えやはり慣れない

出来れば殺したくはない

・・・もしかしたらコネクトスピリットで何とかならないだろうか?

やってみる価値はありそうだ

バアアアアアアアアアアアア!

そんなことに思考をめぐらせていると

森のさらに奥深くからとても大きな咆哮が聞こえた

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