医務室の前まで来る
いざ勇気を持って来てみると緊張が止まらない
ここに・・・
医務室の前まで来る
いざ勇気を持って来てみると緊張が止まらない
大丈夫ですか?
ここまで来てくれたリーダさんがこちらを心配そうに見る
すいません・・・こんなことに巻き込んで
僕の謝罪を聞いたリーダさんがくすくすと笑う
それ、さっきも聞きましたよ
クロウさん、いっつも謝りすぎですよ
う・・・確かにそうかもしれない
なんかよく謝っている気がする
あはは・・・気をつけますよ
”ガチャ”
不意に医務室のドアが開く
誰かいると思ったらやっぱり
どうかしたの?
あら・・・あなた
そういえば、この人には見覚えがあるな
ああ、そういえば
あ、学院長室で・・・
覚えていてくれたのね、うれしいわ
私は”メル”ここの医務室を担当しているわ
クロウです
あの、ここにエリアという生徒が・・・
ああ、それならと
今そこのベッドに寝ているわよ
疲れちゃったようね
もう少しで目が覚めると思うわよ
面会いいですか?
うーん、あまりよくは無いんだけど
少しだけ考えてからこちらを見る
お願いします
頭を下げる
それを見たメル先生は驚いた表情と共に
ちょっとちょっと、そんなにしなくても大丈夫よ
しょうがないわね・・・私が近くにいるという条件付きならいいわよ
目が覚めたばかりで困惑すると思うから
あ、ありがとうございます!
先生の許可をもらい中へ入る
ベッドが何台かあり、そのうちの1つにカーテンが掛かって見えないようになっていた
私はここにいますね
気を利かせてくれたリーダさんに僕は軽く頭を下げて感謝の意を伝える
”ファサ”
カーテンをどかすとそこにはさっきまで僕と向き合っていた顔、エリアの顔があった
エリア・・・
静かに眠る妹の姿は最後に見たときとなんら変わりないように見えた
よくよく考えれば彼女は僕らよりも年齢が下のはずだ
ここにいるの自体がおかしい
一体家で何が・・・
ん・・・
いけない
起こしてしまったようだ
ここは・・・っ!
ここがどこなのかを理解して同時に僕の顔を見る
気分はどう?
目覚めたばかりの彼女に質問する
・・・何のつもり?
ああそう、私が負けたから命令をしにきたのね
さぁ、何でも言いなさい
敗者に”意志”は関係ないから
ぶっきらぼうに彼女は答える
恐らく僕が何か酷い命令をしに来たと思ったんだろう
過去に自分がやったように
そう、だね
じゃあ命令をさせてもらおうかな
彼女に決闘の命令をする
何があったのかを聞かせてくれないかな
?
なにが?といった表情だ
まぁそうだろう
僕が魔力が無いと知ってからあの人たちは変わってしまった
君も含めて
それに、エリアがどうして本来より上の学年にいるのかを
・・・そんなことでいいの?
あなたに私は酷いことをしたじゃない!
なんでもっと酷いことを要求しないの!?
エリアが怒る
確かに、確かに酷いことはされたかもしれない
それでも、僕はラックさんたちと出会うことが出来て変われた
そのうえで彼女に酷いことを要求するだろうか?
しないだろう
しないよ
妹にそんな酷いことをさせないよ
妹って!
あんなに酷いことをしたのに?
やめてよ・・・やめてよ・・・
次第に怒る声が小さくなる
そして嗚咽が聞こえ
なんで!何でやさしくするのよ!
もう私はあなたを兄と呼ぶ資格は無いのよ!
エリア・・・
そのまま彼女は泣き出してしまった
それを止める術を僕は持たない
いいわ・・・話してあげる
それが命令なら
あなたが属性無しと分かってから家で何があったのかを
ひとしきり泣いた後にエリアはゆっくり口を開いた
過去の出来事を