記録ファイル -No.3-
XXXX年 内部組織の博士であった私は、SCP-049の実験のためどうやら隔離室へ移すようで任務の同行を任された。
SCP-049を隔離室へ運ぶのは私を含め、全員で3人。そのうち2人は武装し、安全確保に回った。
この度はよろしくお願いします。
はい!研究者様!
安全を第一としたいと思います。
…と言いたい所なのですが、ヤツは最近収容されたばかりだと伺いました。
…はい。
なので、生態はまだ詳しく分かっていないんです。
そう…ですか。
我々も十分に注意を致します!
ああ。
あまり無理はしないでくださいね。
…他の収容所と違ってそこまで厳重ではないんですね。
こう見えて、一番頑丈だったりするんですよ。
そして、危険性の段階が確認できたらまた適切な環境に切り替わるんですね。
ええ、おっしゃる通り。これから行うのがその為の実験です。
では、入りましょう。
ふ、ふむ…
私はそれを実際に見ると何故だろうか恐怖で足が震え始めた。
姿はほとんど人間だった。服装は黒で統一されフードを被り顔面に鴉の様な仮面を被っている。
落ち着きがあるのかないのか、部屋を静かにウロウロしていた。此方には気づいていない。
いくぞ!片腕づつ抑え込むんだ!
ああ!
職員の2人がソレを片腕ずつ抑え込み、両腕を後ろに回させ自由を奪った。
私は、その隙を付きソレに首輪と手錠を迅速にかけた。思いのほか抵抗はしなかった。
ハア…ハア…
し、心臓が痛い…
もう大丈夫なはずです。さあ、連れて行きましょう。
…
ソレはずっと俯いたまま、我々と並行して抵抗する素振りもなく歩き続けた。
私は搬送中のソレの観察記録をまとめながら歩いた。
順調に進んでいる。誰もがそう思った。
此処は、何処だ?
何!?ここは研究施…
私は驚きのあまりメモ用紙を落とした。
…
…
突然の出来事に職員達は固まってしまった。
研究施設か?素晴らしいぞ!
どうりで患者が居ないのだな!
…あ、ああ。
き、君は話せるのかね?
勿論、話せるとも。先生。
ただ、私はあまり会話を好まなくてね。
私が担当していた病の患者も会話に反応してくれなかったからね。
もっともらしいその服装、もしかすると貴方は医者ではないのか?
ええ。いかにも医者ですよ。
...それより、先ほどから君が言っている「病気」とは?
おいおい、困るぜ先生。
「大悪疫」の事だよ。
もしかして、ペストの事ですか?
残念ながらここに患者は居ません。
...そこにいるではないか。
繋いだ首輪と手錠をいとも簡単に振りほどき、職員に向かって両方の手のひらを向けた。
!!!
SCP-049が職員にゆっくりと近づき両手を触れた途端、職員はその場に倒れ込んだ。
な、何をしている!!!
早く撃つんだ!!!
あ…あああ!!!
職員は恐怖で体が硬直していた。
その数秒後、倒れた職員がゆっくりと起き上がる。しかし、どうも様子がおかしい。
ア…アアア…
まるで人間としての意識を失ってしまったようにさまよい始め、もう一人の職員へと近づいた。
そして、さっきまで職員だったはずの彼がもう一人の職員を■■■し始めた。
ははははは!!!
先生!!!私の治療はこの上なく効果的なのだよ!!!
こ、こっちへ来るな…!!!
さあ、手術を始めましょう。先生。
SCP-049 - Plague Doctor (ペスト医師)
http://ja.scp-wiki.net/scp-049
Object Class : Euclid
元ネタ執筆者(日本語訳) : Gabriel Jade 様
キャラ素材 : SCP-811Hatena 様
(MMD Newcomer) Classic 049 (Dl at Right)
※尚、このストーリーは二次創作であり、原作のコンセプトとは全く関係ありません。
>>るるーん様
ありがたい言葉です。とても原動力へと繋がります。