記録ファイル -No.2-




 XXXX年 元[削除済み]部隊に在籍していた隊長との面会許可がようやく下りた。




 彼は今回、自分が収容所行きになった理由を聞きに来るのかと思いきや、過去のある事件で関わった博士が話を聞きに面会に来たのだった。































××博士

…それでは、君の行っていた訓練について教えて頂けるかい?

主人公

…ああ

主人公

…数か月前だったか、俺は軍の訓練で過酷な雪山108-Aへと向かい、そこで特殊訓練を実施していた。










隊員

隊長、今回の訓練の趣旨は…?

主人公

雪山という過酷な状況下で、いかに自由に動け、いかに的確に敵を捉えることができるかどうかの訓練だ。

主人公

目標に向かって様々な武器や立ち回りを使って撃て!

隊員

了解!




隊員

隊長!キャンプにいる○○医師が直ぐに来て欲しいと申しております!




主人公

…ああ。分かった、すぐに行こう。










××博士

…そして貴方は○○医師の元へ向かった後、どうしましたか?

主人公

医師からの呼び出しは、雪山での体調管理の注意だけだった。

主人公

問題は、俺が現場に戻った時…クソッ!





[一時中断]




××博士

大丈夫ですか?

主人公

ああ…すまない。
少し思い出しちまってな…。

××博士

それでは、続きを聞かせていただけますか?

主人公

…ああ










主人公

すまない、少々遅れた。

隊員

……隊長、あれは一体?

隊員

お、おぞましい顔をしていました!!!
人間じゃないですよ!!!

主人公

ん…?






 目に映りこんだソレは、色白で毛が無く
 

 体は異常に痩せ細り尚且つ骨が浮き出ており


 体全体のバランスが不釣り合いな生物が顔を両手で覆っていた。






主人公

…な、なんだあいつは!?

隊長

しかもデカいぞ!!
2メートルは容易に越してやがる!!




 すると、その生物は顔を覆ったまま奇妙な声で泣き叫び始めた。




 その声は人間にとてもよく似ており、聞くに耐えないような恐ろしい悲鳴だった。










 ...その約2分後、ソレは急に両手を広げ隊員に目掛けて走って行った。雄叫びを上げながら。







隊員

!!!




 ソレは隊員の元へ向かうと、鋭い爪のある腕を振るい隊員の足を■■■し始めた。




隊長

おい!!!何をしている!!!
全員、早く撃て!!!

隊員

は!!!はい!!!













××博士

…銃弾を撃ち込んだんですか?

主人公

隊員が殺されたんだぞ!!目の前で!!
銃弾が無くなるまで打ち続けた!!!

××博士

それは、大体何発ぐらいですか?

主人公

さあな、正確には覚えていないが1000発は軽く超えていたと思う。

主人公

予備で備えていたMG43を弾が無くなるまで打ち込んだんだぞ!!!

××博士

目標は損傷しましたか?

主人公

損傷だって?

主人公

損傷どころか、ソレは傷すら付いてなかったね。

主人公

しかもだ、ソレは何食わぬ様子でケロっとしてやがった!!

主人公

幾つもの作戦を達してきたが身が震えたのは初めてだ。

××博士

応援は到着しましたか?

主人公

ああ…。この俺ですら所属の分からない部隊がね。










主人公




 銃弾は全て撃ち尽くした頃には彼以外の仲間は全員■■■られていた。




 そこへ、何処から現れたのだろうか。謎の部隊がソレの奥の方から姿を現した。




 そして、その部隊はゆっくりと目標に向かって近づいて行った。




 まるで手慣れているかの如く。



スッ(手で何かをサインする)



 隊長らしき人物は座り込んでいるソレを背後から指示した数人と共に抑え込み、檻の中へと入れた。




(無線)SCP-096 確保。
繰り返す。SCP-096確保。

これより■■■へ発送する。










××博士

…その後、あなたは?

主人公

その部隊は、俺のことなど気にも止めずにヘリでソレをどこかに連れて行っちまった。

主人公

俺は自力で雪山と下ったよ。
頭が混乱したままな。

××博士

…そうですか。





××博士

最後の質問ですが、貴方は何故目標の顔を見なかったのですか?

隊長

…わからねえ。

隊長

けどよ…見てはいけない気がしたんだ。
…奴の顔を見ると、まずい気がした。

××博士

...実は、その後の実験でこのような記録が存在しています。

××博士

貴方を見込んでお伝えしますがくれぐれも機密情報なので内密にお願いします。










 XXXX年X月XX日 特殊実験施行記録をここに記載する。




 深海8000メートルまで達した潜水艦に本日が死刑執行日の死刑囚を1人乗せそこでSCP-096の写真と映像を見せる。




死刑囚

(無線通信)それでは、そこに置いてある写真とこのPCのデータにある動画を見てください。

死刑囚

…はい、見終わりました。







 報告を聞き終えた瞬間、不思議な事に独房に収容されているSCP-096が突然泣き叫び始めた。




 その約2分後、SCP-096は密室の独房から突然姿を消した。










隊長

…それで、どうなったんだ?

××博士

SCP-096は潜水艦に居た死刑囚を潜水艦ごと破壊して殺害しました。

主人公

何を言っている!?
深海8000メートルだぞ!?

××博士

つまり、SCP-096は"顔"を見た物を必ず殺害する特性が分かりました。

××博士

どこに居ようとも、必ず。

××博士

ただ、一つだけ。
絵で描いた物なら大丈夫だということも実験を重ねるうちにわかりました。

××博士

私はその絵をを持っています。
見てみますか…?

主人公

…あんなおぞましい物、二度と見たいわけがないだろう。

主人公

…もう結構だ!!
ソレとの戦いで俺の精神は蝕まれ、部隊長の栄誉も消え今ではこんな所に居るんだぞ!!

隊長

…貴方とも、もう会うことは二度とないだろう。

××博士

今回の情報や、話したこと全てを内密にお願いします。

主人公

ああ。話す気は生涯無いと思うがな…。




 彼は椅子から立ち、扉へと向かった。







××博士










 ソレは今も尚、脱走中であり現在地は不明。SCP財団も対処を急いでいる。










SCP-096 Shy Guy (シャイガイ)
http://ja.scp-wiki.net/scp-096

Object Class : Euclid

元ネタ執筆者(日本語訳) : Dr Dan 様

キャラ素材 : SCP-811Hatena 様
(MMD Newcomer) SCP-096 V2 ::UPDATED!!!::

※尚、このストーリーは二次創作であり、原作のコンセプトとは全く関係ありません。




SCP-096 The Shy Guy (シャイガイ)

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