レイク

次・・・お?最後か
Aクラス エリア Bクラス クロウ

ああ・・・やっぱり

嫌な予感が見事に的中した

クロウ

・・・

レイク

どうした?浮かない顔して
まぁエリアは主席合格者だからな
緊張するのも無理は無い

先生が僕を落ち着かせようとする

いや、僕はこの上なく今落ち着いているんだろう

目の前に立つエリアはかなり成長したように見える

女性らしい顔つきにもなったと思う

エリア

先生、合図をお願いします

先生に試合開始を要求する

僕のことを見てからその目はどんどん鋭くなる

覚えてない・・・なんてことはなさそうだ

そして彼女の持つ杖

あれにも見覚えがある

あれは・・・そう、火属性魔法の実験台にされていたときに父だった人からもらった杖だろう

今まであまり思い出すことが無かった家族の事がフラッシュバックする

魔法の実験台、蔑み、幽閉、そして、お母さん

エリア

見覚えのある顔だなと思ったらやっぱりあなただったのね
属性のないあなたがどうやってこの学校に入ったのかは知らないけれど
ここはあなたに相応しくない
あなたに相応しい場所は

ゴミのような場所よ

エリアは僕にしか聞こえないように言い放つ

クロウ

随分と・・・大人っぽくなったね

精一杯の抵抗・・・なんだろうか?

僕は彼女に言い返していた

その言葉に彼女は

エリア

そうね、”そうならなければならなかった”のよ
誰かの所為で!

怒声

エリアは大きく声に出していった

クロウ

・・・?

エリア

あなたのような屑のために時間をとるのは惜しいわ
早く先生!合図を!

え、ええ、では・・・開始!

開始の合図と共に僕は剣と弓を構えた

まだ身体強化は行っていない

誰かの所為で?

僕のことだろうか?

でも、僕はなにも・・・

いいや!今は試合だ!

手に持つのはいつもの剣

対する彼女は火属性の魔法を使う

さて・・・どう出る?

エリア

昔みたいに実験台にしてあげるわよ!
炎よ!渦巻き敵を飲み込め!フレアトルネード!

詠唱の後に杖から放たれる炎の竜巻

それは目の前にまるで大きな火柱が立ったかのようだった

エリア

もうここに来たくないようにしてあげるわ!

クロウ

ッ!

あれを今は突破することが出来ないと判断した僕は出来る限り距離を取り反撃のチャンスを窺う

エリア

やはり出来損ないね!
魔法使いに距離をとるのは下策よ!
炎球よ!敵を燃やせ!ファイアボール!

最初から全力でエリアは僕を倒そうとしている

今までの何かをぶつけるかのように

竜巻がゆっくりと迫り、それを追い越すようにして炎球が急激に飛んでくる

炎の球の大きさは僕の上半身くらい・・・結構大きい

クロウ

よっと!

しかし炎球は目の前の竜巻に比べればかなり小さい

そして普通によけられる

目の前の炎球をよけた僕はゆっくりと迫る竜巻に突っ込む

これしかない!

クロウ

ハアアアアアアア!

耐えてくれ!僕の体!

恐らくエリアは僕がどうよけようか四苦八苦していると思っているはずだ

面積から見て僕の姿は見えていない

ならば一気に突っ込み耐え切り、そして不意を付いて攻撃

これが最適解と判断した僕は炎の竜巻の中心を

クロウ

アアアアアアアアアアアアア!!!!!

絶叫

僕は自分の声とは思えないくらいの声を上げた

熱い・・・熱い熱い熱い!・・・でも!

クロウ

ウオオオオオオオオオ!

使わないで様子見をしていた身体強化を一気に開放する

するとある程度熱さは和らぎ、なんとか耐えれるかどうかの境目くらいまで行く

エリア

な、なんで・・・

少しずつ進み、エリアの顔が見える

そして

クロウ

ヤァアアアア!

突破

炎の竜巻を耐え切った僕は彼女の元に駆け出す

そして剣を振り・・・

剣と何かがぶつかり合う音

それは確かに人体に当たったのではない

僕は剣とぶつかった者を見ると一旦引き距離をとる

エリア

フン
まぁ突破したのはほめてあげるわ
でもね、身体強化が使えるのはあなただけじゃないのよ

火を纏ったエリアが目の前で炎の剣を構えて立っていた

彼女は杖のほかに剣を持っていた

それはかなり切れ味を持っていそうな剣

そして、よく装飾が施された剣だった

エリア

これはねぇ、身体強化の派生でエンチャントと言うの
自分の属性を武器に付与して戦えるわ

そして、高い笑い声が響き渡る

エリア

あなたには関係の無いことでしょうけどねぇ
属性のない出来損ないのあなたには!

そこには、勝ち誇った笑みを浮かべたエリアの姿があった

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