アリスト

クロウ、いるか?

クロウ

はい、どうぞ

宿屋でそれぞれが休憩を取る

明日の麻に出発の予定だ

アリストさんが来たので自室のドアを開ける

アリスト

具合は大丈夫か?

クロウ

ええ、大丈夫ですよ
ご心配を掛けたようですいません

アリスト

いや、大丈夫ならそれでいい

アリストさんが僕の目をじっと見る

アリスト

話がある、かまわないか?

恐らく遺跡でのことだろう

聞かれるだろうとは予想していた

皆とではなく一対一で話したいのだろう

クロウ

・・・ええ、大丈夫です

そういって部屋へと招き入れる

丁度椅子が2つあるので1つを空ける

アリスト

お、すまない
話の内容は・・・わかるな?

”ゴクリ”

改めて聞かれると緊張する

隠し事はよくない・・・よね?

クロウ

ええ、話せることは話します
といっても、僕も何がなんだか何ですが・・・

アリスト

ああ、それでかまわない

僕はゆっくりとあの空間でのことを話し出した

男性がいたこと

その男性が属性無しなこと

剣のこと

それと最後の言葉
純粋な魔力は最強の剣であり盾でもある

僕があの空間で見たことを出来る限り鮮明に伝えたつもりだ

アリスト

・・・なるほど
にわかには信じがたいが・・・

まぁ、そうだよね

僕だってこんなこと急に言われたって信じられない

クロウ

・・・ですよね
正直僕も何を言っているのか輪からない部分もあります

アリスト

・・・嘘はついてなさそうだがなぁ
現に剣もあるわけだし
なんて上に説明したものか

そういって頭を抱えてしまった

なんか僕のためにこんなに困らせてしまって申し訳ないな・・・

アリスト

・・・仕方が無い
とりあえずお前のそのことは誰にも言うな
出来るならあのグループだけに留めてくれ

クロウ

はい、分かりました

まぁこんなことを言っても信じてはもらえないだろうなぁ

アリスト

俺はギルド長にはとりあえずこの事を報告しなければならない
そういう仕事だからな

僕はうなずいた

めんどくせー!

とアリストさんは伸びをしながら言った

アリスト

まぁ、分かればいい
さて、明日には出発だ
悪かったな疲れてるのに
ゆっくり休んでくれ

クロウ

ありがとうございます
アリストさんもゆっくり休んでくださいね

手を振って送る

今日はもう寝るとしよう

でもその前に

クロウ

・・・この剣はいったい何なんだろう

ベッドに立てかけられた剣

”回答剣フラガラッハ”

余計な装飾は一切無く

それでいてその剣を地味だとは言わせない威圧感

手に持ってみる

不思議なまでに手に馴染む

今まで使っていた剣とほとんど同じなので恐らく扱えるだろう

あの空間の男性はこれを”くれる”と言った

簡単に手放していいものだったのだろうか?

どんどん分からなくなる

クロウ

・・・考えても分からないや
今日は寝よう

そういって思考を断ちベッドへと倒れこむ

いろいろとありすぎた所為かすぐに眠気がやってくる

ああ、疲れた・・・

レグレス

ふむ、なるほどな
事情は把握した
今回のことは追及しないでおく
アリストは残れ
ほかは皆解散でいいぞ
ちゃんと受付で報酬をもらうようにな

リーダ

はい

ミラ

わかりました~

セリア

もうクタクタですよぉー

ボルト

たのしかったっす!

皆が思い思いの感想を口にして受付へと向かう

ここはギルドの会議室のようなところ

ここで依頼の結果を報告していた

内容が内容なだけにギルド長が自ら聞きに来た

レグレス

ああ、クロウ君
君は少し残ってくれ

クロウ

・・・?はい

残れといわれたら断れない

リーダ

先に受付に行ってますね

クロウ

あ、すいません
あとからいきますね

リーダさんを見送った後ギルド長と向き合う

今この部屋には僕とアリストさんとギルド長だけだ

レグレス

ああ、すまんな
すぐに終わるよ
言いたいことは1つだけ
この件に関しては絶対に他言無用だ
いいね?

やはり、というべきだろうか?

僕が体験したことはとても重要なことらしい

レグレス

その剣もとりあえずは君に任せる
使おうがこちらに渡そうが自由だ

クロウ

とりあえず持っておこうと思います
その・・・使っても大丈夫なんでしょうか?

レグレス

元の持ち主が君にやるといったんだ
所有権は君にあるさ
話はそれだけだ
戻っていいぞ

クロウ

・・・失礼します

やり取りが終わった後に僕は部屋を出る

なんだか騒がしいな?

受付の方を見るとリーダさんたちがびっくりした顔でこっちに来た

リーダ

ク、クロウさん
なんだか報酬がとても不思議なことに!

クロウ

・・・え?

リーダ

こっちにきてください!

手を引かれる

なんだかとても焦っているようだ

セリア

あ、クロウさん
これ・・・

目の前に出された袋に触ってみる

”ガシャ”

鉄同士があたる音が聞こえる

一同

こちらは今回の予想外のことによる報酬金の上乗せになります
たまにこういった予想外の子とが起こると上乗せされることがありますよ

受付の人が丁寧に教えてくれた

予想外のこと・・・

ありすぎて分からないや

ミラ

せっかくですしぃ
皆さんで何か食べに行きませんか~?

ボルト

お、いいっすね!
俺はらぺこっす!

セリア

そうですねー
わたしもお腹減りました

リーダ

そうですね
じゃあ町で食べてから帰りましょうか

僕も含めた皆がうなずく

セリア

あ、じゃあ!
この前見つけたいい場所があるんですよ!
そこにいきましょ!
さぁさぁ早く!

予想外の収入を皆で均等に分けてそれを皆で少しずつ出し合いご飯を食べに行くことになった

とても皆楽しそうだ

今回のことは気に掛かるけど

今は皆で楽しもう!

pagetop