命令では無くあくまで”お願い”といった
・・・そうですね
お願いは決まりました
命令では無くあくまで”お願い”といった
ほう、で?どういったことにするんだ?
た、たのむ!
命だけは!
膝にルードが縋り付いてくる
命令の内容は簡単だ、それこそ何も必要としない
別に難しいことではないですよ
謝罪と、もう僕の親しい人を傷つけてほしくないんです
お願いはこれだけです
・・・え?
わけが分からないといった表情だ
え?でも別におかしいことではないよね?
僕の所為でほかの人が傷つく位ならそもそもの元を断ってしまえば良い
傷付くのは僕だけで良いなんていうつもりは無い
まぁ僕もあまりやられてうれしくもないから
・・・本当にそれだけでいいのか?
・・・?
僕何かおかしなこといいました?
・・・あれ?反応が無い
1秒、2秒、3秒
”ブフッ!”
誰かの噴出す声が聞こえた
音の元はレイク先生だった
ギャハハハハハハ!
お前本当にそれでいいのか!?
前代未聞だぞ!?
あーおかしい
ひとしきり先生が笑う
だって別に命をとっても何かいいことがあるわけでもないし
お金だって別に決闘で他人から巻き上げたお金だって使いたくない
これが一番最善の選択だと思う
いいですか?
ルードさん
あ、ああ
分かった
泣きそうな表情だったルードは最早泣いている
そんなに安心したのかな?
まぁ・・・いいだろう、ククク
ならルード、話は早い
まずは謝罪だ
安心からかルードはまだ地面にへたり込んだままだ
何とか立ちなおし言葉を繋げようとする
だが、プライドが邪魔をしているのか謝ろうにも言葉が続かない
そ、その・・・今回のことは・・・
なかなか最後まで言わないルードにレイク先生が面倒くさくなったのか急かす
ほら、下らないプライドがあるんならそんなもん捨てちまえ!
拾った命なんだ!
意を決したように頭を一気に下げた
今回のことはすまなかった!
もうやらないと誓えますか?
ああ、誓う
確かに聞いたぞ
今後は見本になるべき貴族を目指せ
権力なんかに頼らず自分の力で成り上がって見せろ
では今回のことはこれで終いとする!
お前らも席にもどれ
僕は席に戻る
これでよかったのかって?
いいんだよ
かっこよかったですねクロウさん
リーダさんの横を通るときにそう言われる
突然の不意打ちに対応が出来ずうまく言葉が返せない
ありがとうございます
精一杯のお礼を言って座る
さて、ややこしい決闘もきれいに終わったことだ・・・といいたいところだが
先にお前らに報告することがある
・・・?
ほかにも何かあるのだろうか?
明日は授業でギルドへ行く
今後は授業の一環でギルドで依頼を受けることもある
ギルドにすでに所属しているものは退屈だろうがしていないものには明日登録してもらう
ギルドっすかぁ!?
僕の後ろの席の生徒、ボルトさんが一気に立ち上がる
驚き振り返ると口の辺りが少し光っている
あれ?もしかしてさっきまで寝てた?
・・・お前寝てたろ
え?いやいやそんなまさか
ちゃんと話を聞いていたっすよ
口を拭いてから言えそういうことは
呆れる先生
あわてて口を拭う
しまった!という表情をしているけど多分確信犯だよねこの人
まぁいい
お前らには今日のうちに5人のグループを作ってもらう
明日は登録とそのグループに一人ギルド員がついて一緒に依頼を受けてもらう
基本的に今後はそのグループで活動してもらうことになるから慎重にな
この後時間を取るからその間にメンバーを決めておけ
先生はそういうとギルドに関する説明を始めた
曰くギルドとは言い方を変えれば何でも屋だと
曰く人によっては逸れによって生計が立てられる
曰く上のランクになればなるほど名誉が手に入る
魔物と戦うこともあり命の危険もある
だがほかの生徒たちは気がつけばテンションが上がっていた
先生の話なんて最早聞いているのか分からない
・・・はぁ
しかたねぇなぁ
これから時間をやるからグループを作れ
また後で来るからグループごとにまとまっておけ
先生が部屋から立ち去る
一気に騒がしかったクラスがさらに騒がしくなる
クロウさん、よければ一緒のグループになりませんか?
ええ!もちろん!
私もお願いします~
あ、わたしもわたしも!
気がつけばもう4人決まってしまっていた
実際今のメンバーは信頼しているから特に問題ない
あとは一人なんだが・・・
メンバーまだあいてるっすか?
後ろから声が掛かる
えっと、ボルトさんでしたよね?
はいっす!
ボルト・テスラっていいまっす!
よろしくっす!
このグループに入りたいらしい
僕はかまわないけど僕の一存で決めるわけには行かない
皆の方に視線を送る
意図を察してくれたらしいミラさんがそれに賛同する
わたしはぜんぜんかまいませんよ~
わたしも問題ないです
わたしも~
うん、大丈夫みたい
では、よろしくお願いします
よろしくっす!
”ガララ”
再びドアが開く
先生だ、どうやら意外と時間がたっていたらしい
あらかた決まったみたいだな
んじゃあ明日に備えて今日はお互いの戦い肩なんかを確認しておけ
実践は出来ないけど武器等の把握なんかは出来るだろ
そういって教卓に座る
”グゴゴ”しばらくすると寝息が聞こえてくる
この人もか!
えっとぉ~わたしは水属性で武器は杖です~
わたしは炎属性で武器は同じく杖を使います
どんどんお互いの武器を教えあっていく
わたしは光属性で武器はナイフです
えっと、僕は武器は弓と剣です
ここでボルトさんが僕に尋ねる
ん?
属性はなんすか?
えっと、属性はないです
え!?と驚いた後にボルトさんは固まる
昨日の自己紹介のときにいなかったから仕方が無い
・・・だが、思ったより彼の立ち上がりは早かった
へぇ~珍しいこともあるんすね~
あ、俺は属性は雷、武器は手甲っす
何か言われるかと思ったがまったく彼は気にした様子が無かった
この反応は初めてで逆に反応に困ってしまう
でもまぁ気にしていないんならいいかな
その後は先生が起きるまで皆で戦い方などを教えあい
どんなことが得意なのか等いろいろと話し合った
ちなみに先生がおきたのはお昼前だった