ミラ

あ!つきましたよ~
あれがこの学院の寮です~

ミラさんの言葉に前を見る

これは・・・

クロウ

これ・・・お城ですか?

セリア

ま、まぁ始めはその反応ですよね
私も昨日ここに入居しましたが驚きました

リーダ

・・・

目の前に広がるのはまるで城のような・・・

町の宿程度を想像していた僕の予想は大きく覆された

何でこんなに豪華なんだろう?

リーダさんに関しては口が開いたままだ

クロウ

こ、こんなに大きい必要あるんですか?

ミラ

まぁ~これだけ生徒が大きいですしね~
私はあまり気にしないんですけど~貴族の方々がうるさいらしいですよ~?

あなたも確か貴族じゃなかったでしたっけ?という質問は置いておく

ミラ

まぁ~考えるのも程ほどに~
とりあえず中に入りましょ~

とりあえず皆で中に入ることになった

今後僕もここで暮らしていくのだが

豪華すぎて落ち着けるかなぁ・・・

中に入るとやはり中もすごかった

いままで泊まったことのある宿に比べてまずロビーの時点でこちらの方がすごいと分かる

言葉でなんと表せばいいのだろうか?

これが雲泥の差というやつなんだろう

メリダ

お?
ここの新しい生徒さんだね

建物・・・寮に入ってすぐに声が掛かる

クロウ

えっと、はい

メリダ

はじめまして
ここの寮監をしているメリダだよ
困ったことが合ったらなんでも聞いとくれ

クロウ

・・・?寮監?

聴きなれない言葉に問い返す

するとメリダさんは笑って

メリダ

フフフ
まぁ簡単に言うとあなたたちの世話係だと思ってくれていいわ
皆が快適に暮らすためのね

なるほど、メリダさんのような温和そうな人がやってくれるのなら安心できる

ここに入ったときの緊張は気がつけば消えていた

メリダ

そうだ、あなたとそこの銀髪の娘
あなたたち名前は?
部屋の鍵を渡すから教えて頂戴

クロウ

あ、僕はクロウ・バーロットです

リーダ

私はリーダ・ウェルといいます

名前を聞いたメリダさんは分かったわと言い残し一旦奥に引っ込む

するとすぐに再び戻ってきた

メリダ

あったあった
あなたたち偶然ねぇ
丁度隣同士の部屋よ
はい403号室と404号室

メリダさんは僕に403号室の鍵を

リーダさんに404号室の鍵をそれぞれ渡した

メリダ

荷物はもう部屋に運んであるはずだからそれぞれで荷解きして頂戴
それじゃ、これからしばらくよろしくね

そう笑ってメリダさんは自分の元いた位置へ戻っていった

荷物・・・?僕は手持ちだけのはずだが・・・

セリア

さぁせっかくですし部屋まで行きましょ~!

セリアさんに言われとりあえず自分の部屋まで行くことにした

階段にも絨毯が敷かれていた、もうどこで驚いたらいいか分からない

リーダ

お隣ですね!

隣からうれしそうな声が聞こえる

うん、僕も知っている人が近くにいるのはありがたい

クロウ

ええ、またよろしくお願いします

そんなことを言っている内に部屋についてしまった

セリア

じゃあクロウさんの部屋に行きましょー

と、僕の部屋に入ろうとする

当然鍵は開いていない

クロウ

って、僕の部屋なんですか?

ミラ

クロウさ~ん
いきなり女の子の部屋に入ろうとしていたんですか~?

そういわれて気がつく

それもそうか

デリカシーのないことを言ってしまった

クロウ

す、すいません
今空けます

誤魔化すように部屋の鍵を開けた

”ガチャン”鍵のなる音が鳴りドアを開ける

・・・うん、驚かない、驚かないよ

クロウ

・・・

体は正直なもので反応してしまう

まるでそれこそ城の一室のような室内に開いた口がふさがらない

ここで暮らすのか・・・ため息が出そうになるがとめておく

クロウ

あれ?これって・・・

部屋の一角に荷物が少し詰まれていることに気がつく

僕の荷物とやらだろうか?

セリア

やっぱりどの部屋もすごいですね~
さ、荷物を置いてご飯を食べに行きましょ!

そう言われ皆部屋を出る

本当に来ただけなんだと苦笑

リーダ

ご飯食べる場所があるんですか?

ミラ

ええ
自炊も出来ますが出来ない人も多いので
下の階に食堂があるのでそこで食べられますよ~

皆でそこに向かうことになった

食堂もこれまた豪華な・・・言うまでも無い気がしてきたなぁ

皆で料理を注文するんだけど

リーダ

何がおいしいんでしょう・・・?

クロウ

確かに・・・何がおいしいんですか?

セリア

いやぁ、私もミラ様もここにくるのは実際始めてでして・・・
皆で違うものを食べて見ましょうよ

ミラ

いいですね~それ
おいしそうなのがあれば皆で食べあいましょ~

ということになりそれぞれ違うものを注文する

なんと何とここの料理、ここの生徒ならば無料らしい

というか寮の家賃に含まれているらしい

僕は何を注文しようか悩む

セリア

あ、これなんかおいしそう!
私ヘイトベアーの森野菜炒め定食!

ヘイトベアーというのは森に生息する魔物で

大きい体でとても凶暴な熊なのだが・・・

とても動きが遅くそして狩り易い冒険者のターゲットになりやすいことが名前の由来の魔物だ

そして肉もおいしい・・・らしい

リーダ

私はこのホーンフィッシュの煮付けください

ホーンフィッシュというのはその名の通り角が生えた魚だ

肉は白身が多く食べやすい・・・らしい

クロウ

じゃあ僕は・・・
きのこのシチューとパンをください

どんなものかが分からない以上とりあえず安全そうなものを頼む

魔物の素材を使った料理はこの世界では割とポピュラーでどこでも食べられる

宿で出てきた料理なんかも大半がそういったものが多い

冒険者が持ち込んだものや依頼で宿側が調達を頼む事だってある

ミラ

私は~苺のタルトをください~

皆が思い思いの料理を頼む

ほかに人も少なく結構早く料理が出てきた

クロウ

おいしそう!

では・・・

クロウ

いただきます!

リーダ

いただきます

ミラ

いただきま~す

セリア

いただきます

口をそろえて言い終わり

皆で食べ始める

話も弾みその日の夜まで皆で楽しく話していた

pagetop