次の日
あの後すぐに自室でゆっくり寝た後僕は朝食をとりに下へ降りる
食べ終わったらまた出発する予定だ
次の日
あの後すぐに自室でゆっくり寝た後僕は朝食をとりに下へ降りる
食べ終わったらまた出発する予定だ
朝食お願いします
はーい
朝食一人前お願いしまーす
注文をとってくれた人が奥へと下がる
すると僕に声が掛かった
あ、おはようございます!
にこにこと笑って挨拶をしてきたリーダさんに僕は
ああ、おはようございます
席、いいですか?
ええ、どうぞ
彼女とテーブルを囲む
しばらくすると料理が運ばれてきた
さて、と
これを食べたら出発しようと思っていますが大丈夫ですか?
ええ、そうですね
少し早めについておいたほうがいいでしょうし
会話を二三交わして僕らは食べ始める
肉と野菜をじっくりと煮込んだシチューだ
いい匂いが鼻を擽る
ふぅ、ご馳走様でした
ご馳走様でした
食べ終わると僕らはそれぞれの部屋で準備を整えてから出発することにした
僕は荷物は特にないからすぐに下に下りる
今はリーダさん待ちだ
よう、坊主
もう出発か?
ああ、昨日の
ええ、もうそろそろ出発しないと遅れるかもしれないんで
僕に昨日の冒険者が声を掛けてくる
そうか、そういえば名乗っていなかったな
俺はアリスト、アリスト・ハロン
アリストで良いぞ
クロウ・バーロットです
クロウでかまいません
遅くなった軽い自己紹介を交わし僕らは少し話す
ああ、昨日のやつらは安心してくれ
今は個々の裏を借りて動けないようにしている
兵士が着たら引き渡すつもりだ
そうですか、お願いしますね
ああ、そっちも学校がんばれよ
まぁ山賊3人お前程の腕なら問題ないとは思うが
ハハハと笑うアリストさんに僕は苦笑する
どうしよう・・・魔法使ってないし属性無しって聞いたらどんな顔するかな
とりあえず笑っておこう
アハハ・・・
まぁがんばってみます
すみません、遅くなりました!
丁度ここでリーダさんが準備を終えてこちらにやってくる
お、来たな
それじゃあがんばれよ!
はい、ありがとうございます
えと・・・ありがとうございます
僕らは2人で歩き始める
この道を後大体1日歩いたところにイチリンはある
それまでは彼女と一緒だ
成り行きとはいえ一緒にしばらく過ごすんだからとりあえず
えと、これからよろしくお願いします
はい、よろしくお願いします
クロウさんが一緒に言ってくれるので心強いです
そういわれて僕は
いや、そんなたいしたことは・・・
ふふ・・・
ヤマト学院でも仲良くしてくれるとうれしいです
私、あまり友達いなかったので
え?
そうなんですか?
思わず聞き返す
ええ・・・
父が少し、過保護・・・厳しくって
あまり友達と遊べなかったんです・・・
だから、こうして同年代の人とおしゃべりできるのがうれしいんです
へぇ、ってもしかしてリーダさんって貴族なんですか?
貴族だと対応を変えた方がいいかな?
ああ、いえ
貴族ではないんです
ただ親が過保護というか厳しいというか
門限とかも厳しかったんです
なるほど
彼女の父親は娘を大事にしていたんだな・・・
フッと昔の家のことを思い出す
僕も昔は少しの間だけど愛情を注がれていたっけ
妹・・・エリアに今は全ての愛情が言っているだろうけど
少しは僕にも愛情は注がれていたんだろうか?
あの・・・それでですね
リーダさんがもじもじしながら僕に何かを伝えようとする
その、よければですけど
友達になってもらえないかなって
・・・え?
僕と友達になりたい?
いや、確かに友達を作りたいと思ったけど
・・・僕なんかが友達でいいのだろうか?
彼女は僕が属性無しのことを知ったらどういう反応をするんだろうか?
・・・?
私何か変なこといいましたか?
いけない
困らしてしまったらしい
少し困惑した表情で彼女が聞いてきた
話すべきか・・・
・・・まぁどうせ学校に言ったら自己紹介で知られるだろうししょうがないよね
リーダさん
・・・はい?
僕はほかの人と違うんです
属性が・・・その
属性がどうかしたんですか?
言葉をがんばって繋げる
属性が、普通の人と違って無いんです
彼女は驚いたように僕を見る
え!?
属性がないって・・・
だって山賊たちを
い、いえ・・・あれは魔法は使っていません
うそ!?
あんなに強いのに魔法を使っていなかったんですか!?
・・・あれ?
思っていた反応と違う
もっと、なんていうかこう・・・
侮蔑の視線をぶつけられると思っていたんだけど
えと、軽蔑・・・しないんですか?
え?何でですか?
逆に問い返されてしまう
確かに属性がないのは珍しいのかもしれないけど
私はもうクロウさんに助けられていますし
感謝こそすれ軽蔑なんてしませんよ
・・・なんだろう
とてもうれしい
えと、僕なんかが友達でいいんですか?
ええ!もちろん
これからよろしくお願いしますね!
クロウさん!
初めて出来た人間の友達
彼女は僕のことを受け入れてくれた
それがどうしようもなくうれしかった
は、はい!
よろしくお願いします!
僕は初めての感覚に胸を躍らせながらイチリンへと進みだした