お金を渡して僕はあてがわれた部屋へと向かう
今どこだって?
イチリンへ行く途中
ラックさんとヤアタと別れて2日目
2回目の宿だ
明日にはイチリンに到着できるはずだ
僕は比較的早く歩いてきたから少し早めに宿を取った
一部屋お願いします
はーい
ごゆっくりどうぞ~
お金を渡して僕はあてがわれた部屋へと向かう
今どこだって?
イチリンへ行く途中
ラックさんとヤアタと別れて2日目
2回目の宿だ
明日にはイチリンに到着できるはずだ
僕は比較的早く歩いてきたから少し早めに宿を取った
さて、剣の素振りをしないと
日課の剣の素振りをするために僕は宿の外へ向かう
宿の裏を使わせてもらおう
特に大きな声も出さないから大丈夫なはずだ
晩御飯前までは出来るかな・・・
お願いします!どうか助けてください
あれはとても大事なものなんです!
2階から1階へ続く階段を下っていると女性の声が響いた
見ると宿泊客にお願いをしている様子だった
断る
何で俺たちがそんなことをしないとならない
報酬もないのにそんな危険なこと出来るか
そ、そんな・・・
どうやら断られてしまったらしい
見たところ男性をリーダーにしたパーティーのようだ
報酬も無いのに危険なことは出来ないという正当な反論をされてしまい女性はなきそうな表情になる
すいません、ご迷惑をおかけしました・・・
うつむいた女性はそのまま部屋へ戻ろうとする
基本的に客の部屋は2階なのでこちらをすれ違う形となる
よく見るとその女性・・・いや歳は近いかな
見覚えがある
あれ・・・?
もしかしてヤマト学院に試験を受けにきていた・・・
え?
私あなたとお会いしたこと・・・あ!
どうやらお互いに思い出したようだ
確か実技試験で一番最初に呼ばれていた人だ
えと、さっきなんだか騒がしかったけど
何かあったんですか?
本人がいるし聞いてみる
いえ・・・私の不注意ですので
困っているんでしたら相談に乗りますよ?
女性、確かリーダさんだったかな
リーダさんは一瞬目を見開く
そしてそのまま肩をもたれ揺さぶられながら
ほんとうですか!?
お願いします、私の大事なものを取り返してください!
わ!わわ!
と、とりあえず落ち着いて!
あ・・・すみません
とりあえずここで話すのもなんだし
僕の部屋に来てくれませんか?
コクリ
リーダさんがうなづきそのまま部屋へ連れて行く
部屋にある椅子を使ってもらい僕は話を聞く
えっと、リーダさんでよかったですよね?
何があったんですか
私はミネーラの町に住んでいました
そこで魔法がもっと学びたくてあの学校を受けて何とか合格できたんです
そして意気揚々と町からもう一度王都イチリンの町へ向かう最中でした
山賊に襲われてしまって・・・
私は前回と同じく一人で大丈夫だろうと思って一人でここまで来ていたんです
でも相手が3人いて必死になって逃げていたんです
逃げている最中に父からもらったナイフを落としてしまい・・・
ミネーラの町・・・ミラさんと同じ町の出身なんだな
それを探してほしい、ということですか?
そう問い返すとリーダさんは首を振る
いえ、私を追っていた山賊の一人がそれを拾ってしまったようなんです
後ろから声が聞こえて・・・
ですので探す、では無く取り返してほしいんです
なるほど・・・
なかなか難しい内容だった
確認できているだけでも山賊は3人
それにナイフを取り返す・・・か
彼女は話しているうちにどんどん涙目になっていた
あのナイフはギルドに所属していた父の形見なんです!
だから絶対に手放したくないんです
聞けば彼女の父はギルドでBランクだったらしい
5年ほど前に発生したらしいゴブリンの大量繁殖期にギルドが召集をかけて一掃しようとしたところ世増以上に苦戦をしてしまった
ゴブリンというのは魔物の一種で亜人種といわれる部類に入る
性欲が異様なまでに強く知能は低い
主に人間のメスに対して過剰なまでに反応する
ゴブリンは人間のメスをさらい巣穴で繁殖をする
年間でも被害が耐えない厄介な魔物だ
個々の能力はそこまで高くは無いがその大型討伐にはなんとゴブリンの上位種に当たるゴブリンロードがいたらしい
ギルド側もそこまでの危険は無いだろうと踏んだ結果B・Cランクのものが多くA以上はいなかった
苦戦の末に何とか討伐を完了させることは出来たが結果として彼女の父親は亡くなってしまった・・・ということらしい
それは・・・確かに無くしたく無いですね
どうか、どうかお願いします!
彼女は僕に大きく頭を下げてた
後入学式までは2日ある
僕もたぶんラックさんとの思い出の品を取られたら本気で怒るだろう
それに目の前で泣いている子を見捨てるほど落ちぶれてはいないつもりだ
・・・案内してください
取り返しましょう、今すぐに