ツクヨミの神話

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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ん?

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 俺の神話??


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・ ・ ・ いや、いいよ ・ ・ ・ 俺の話しは ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ どうせスサノオとかぶってるから、聞いたってつまらない。


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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ そんなに気になるものか?


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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ まぁ ・ ・ ・


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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ なら ・ ・ ・ すこしだけ。


いや ・ ・ ・ でも、たいした話じゃないから ・ ・ ・ ・


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それに口下手だから ・ ・ ・ 期待はしないでくれ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


それでもいいなら ・ ・ ・ ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ なら ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


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・ ・ ・ んっと ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ そう。


あの日、俺は姉上 ・ ・ ・ アマテラスに遣いを頼まれたんだ。



その頃、俺はまだ高天原に住んでいた。
そしたら姉上が急に部屋に入ってきて ・ ・ ・

アマテラス

ねぇ、ツクヨミ~!!ツクヨミいる~~???

ツクヨミ

ちょ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 姉上 ・ ・ ・ 勝手に部屋入らないでって言ったじゃないですか。

アマテラス

あぁ、ごめん。思春期の弟の個室ほど、開ける時に危険な部屋は無かったわね。

ツクヨミ

いや、神に思春期もクソも無いでしょう。ていうか、何なんですか?

アマテラス

あ!そぅそぅ。悪いんだけど ・ ・ ・ ・ ・ ・ 今日、私の代わりに、ウケモチノカミのところに行ってくれない??急用が入っちゃったのよ。

ツクヨミ

・ ・ ・ ウケモチ??食物の女神ですよね?
行って何すればいいんです?俺、人見知りだから、喋るのとかはちょっと ・ ・ ・ ・ ・ ・

アマテラス

うぅん。彼女が出すご飯食べて帰ってくればいいだけよ。簡単でしょ?

ツクヨミ

食べるだけ?まぁ ・ ・ ・ そのくらいなら ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 別にいいですよ。

俺は軽い気持ちで引き受けた。

それで昼頃、ウケモチの家に行くと、何も入っていない空の皿が大量に用意されていたんだ。

ツクヨミ

飯を食べてくるように頼まれたのに ・ ・ ・ ・ ・ ・ どういうことだ?

不安になりながら席に座っていると、奥からウケモチが出てきた。

ウケモチ

あんらぁ~~!!ツクヨミさまぁ~ん!
よくぞいらしてくださいました~!!ただいまご用意しますのでねっ、少々お待ちくださいねっ!!

ツクヨミ

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ あ、あぁ。


まぁ、食物の神というくらいだ。料理もこだわって、できたてでも出してもらえるんだろうと思い、俺は黙って待つことにした。

そしたら、急に彼女が手を大きく掲げて、元気玉でも出すんじゃないかって体制で叫び出したんだ。

ウケモチ

大地よ、海よ、地球よっ!我に力をっっ!!うおおおぉぉぉ!!

ツクヨミ

っっ!!!!!???????

ウケモチ

うっ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ううううおええええぇぇぇぇぇぇぇぇ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

ウケモチはそこら中に吐き散らかし、穴という穴から、米やら魚やら野菜やらをドバドバと吐き出していった。

それはそれは悍ましい光景だった ・ ・ ・

ツクヨミ

っっ!!??なっ ・ ・ 何だこれっっ!!?? ・ ・ ・ うぷっっ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ やばい。もらいゲロしそう ・ ・ ・

みるみるうちに、机の上の大皿は食べ物で満たされていった。

そしてもう、皿的にも、俺的にも限界を感じたその時 ・ ・ ・ 保食神が口から胃液を垂らしたまま俺に笑顔を向けたんだ ・ ・ ・ ・ ・ ・

ウケモチ

ハァ、ハァ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ささっ、ツクヨミ様、お食べくださいっ♪♪


ツクヨミ

・ ・ ・ ・ ・ ・ っって、食えるかぁぁぁぁ!!!

俺はその場でウケモチを斬り殺した。
侮辱されたと思った ・ ・ ・ いや、というか生理的に無理だった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

ツクヨミ

んぷっ。どうしよう。夜中に思い出して泣きそう ・ ・ ・ いや、泣かないけど。


それからすぐに俺は高天原に戻って、姉上に事の経緯を説明した。そしたら、すごい勢いで姉上がキレ出したんだ。

アマテラス

ちょっ!! ・ ・ ・ あんた、なんてことしてくれたのっっ!?それ、彼女の最上級の『O・MO・TE・NA・SHI』だったのよっ???

ツクヨミ

んなこと言ったって姉上 ・ ・ ・ 終いにはケツから食い物を出す始末だったんですよ??

アマテラス

それでも、殺すなんてあんまりよ!!酷すぎるわ!!

ツクヨミ

姉上 ・ ・ ・ でも、姉上だって知ってたなら、先に言ってくれればよかったじゃないですか。

アマテラス

まさか、切り殺すとまで思っていなかったのよ!!!外道だわっっ!!

ツクヨミ

っっ姉上、それは口が過ぎます。

・ ・ ・ ・ ・ ・ っ!?

いや ・ ・ ・ ちょっと待てよ??
そもそも、この時間に高天原にいるって ・ ・ ・ 急用はどうしたんだ?もしかして、姉貴 ・ ・ ・ ・ ・ ・

アマテラス

ギクッ ・ ・ ・
なっ!あんた、お姉ちゃんのこと疑ってるのっ!?サイテー!!

ツクヨミ

オイオイ!!その顔は図星だろ?姉貴こそ酷いじゃないかっ!!

アマテラス

うるさーい!!違うもん!そんなコト無いもんっっ!失礼な奴ねっっ!!もぉ、あんたなんか顔も見たく無いんだからっ!!

ツクヨミ

はぁ? ・ ・ ・ 折角、姉貴の役に立てればと思って行って来てやったのに ・ ・ ・ なんだよ!!俺だって、もう顔も見たくねぇっっ!!!

アマテラス

いいわよいいわよっっ!それなら、高天原から出てけばいいでしょっ??今すぐっ!!出てけっ!!出ていけぇーーー!!!

ツクヨミ

るせぇ!!言われなくても、こっちから出て行ってやるっ!!!このバカ姉貴っっ!!!




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と ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ まぁ、こうして俺は姉上と決別し、月に籠った。


それ以後、この世の昼と夜は分かれたんだ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ しかし ・ ・ ・ 今でも思い出す ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ あれは絶対に確信犯だった。


顔すら見たくないとか ・ ・ ・ ・ ・ ・ こっちの台詞だ。


・ ・ ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ん??


・ ・ ・ ・ ・ ・


昼でも月を見ることがあるって??


・ ・ ・ ・ いや、それは ・ ・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ たまに ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


たまには様子を見に ・ ・ ・ 行くことは ・ ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ある。


が、 ・ ・ ・ ・ ・ ・ たまたまだ。


そんなことより、自分の罪を擁護するわけではないが、切り殺されたウケモチの体からは稲や麦や大豆が発生し、穀物になった。


今は、人間の間に広く普及しているだろ?


結果的には俺もこの国の成長に貢献したってわけ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ と、まぁ、俺のつまらない小話はこんなところで終わりだ。


付き合ってくれてありがとう。


ページの都合上、俺の話は古事記に載せてもらえなかったからな ・ ・ ・


一人でも聞いてもらえてよかった。


三貴神の中でも一番、出番は少ないが ・ ・ ・ 月が見えたら、たまには俺のことも思い出してもらえたら ・ ・ ・ ・ ・ ・ 嬉しい。


では ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ おやすみなさい。


よい夜を。

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