よく集まってくれたな
これより実技試験を始める

僕ら3人は闘技場まで無事に到着し実技試験の開始を待っていた

今からどうやら始まるようだ

筋騎士風の教師?が説明を始める

やることは簡単だ!
私と1対1で戦ってもらう
勝ち負けではなくどこまで出来るのかを見るからな
魔法の使用はあり
撃てる最高のものを打ち込め
武器も問題なく使ってかまわないぞ

クロウ

ほ・・・武器がありでよかった

いまから3つのグループに分ける
それぞれ割り振られたグループの試験官と戦うんだ!

そう言われ2人の試験官が後ろから姿を現す

どちらも戦いなれした雰囲気がある

どんどんと受験生の名前が呼ばれ3つのグループに分かれている

それぞれのグループの間に距離があるのは戦闘中に別の戦闘に巻き込まれないようにするためだろう

次!
クロウバーロット2番のグループへ!

どうやら僕は2番のグループのようだ

ミラさんとセリアさんは1番のようだ

さて、向かうとしよう

2番のグループは若い騎士風の男性だ

カリタス

さて、これで2番のグループは全員だ
よろしく頼む
では早速やろうか
リーダ・ウェル、前へ

リーダ

は、はい!

リーダと呼ばれた受験生はおずおずと前へ出る

だいぶ緊張しているな・・・

そんな様子を見て試験官は

カリタス

そんなに緊張しなくていい・・・
私の獲物は剣だ
属性は光
先に教えておく

リーダ

は、はい!
よろしくお願いします

カリタス

では・・・始め!

開始の合図と共に一瞬試験官が剣を構える

リーダさんは少しあわててナイフを片手に魔法の詠唱を始める

リーダ

光よ、我が手に集いて敵を撃て!ライトアロー!

魔法の詠唱が終了し発射される

ライトアロー、光属性の中級魔法だ

初級のライトボールよりも難易度は高いがその速さはボール系に比べてさらに早い

カリタス

ほう、中級か・・・
だが、魔力の入れ方が雑だな・・・
フン!

試験官の男性がそういって剣を横に払う

するとどうだろうか

迫っていた光の矢がかき消されてしまった

剣だけで魔法を消すなんて・・・身体強化を使っていたのだろうか?

リーダ

え・・・うそ・・・

自慢の一撃だったのだろう

魔法を消された彼女はそこにへたり込んでしまった

というかナイフは使わないのかな?

カリタス

悪くない一撃だった
だがまだまだ上を目指せるぞ
上々だ

そういわれへたり込んでいて顔を下に向けていた彼女は上を向いて目を輝かせる

カリタス

では次の者へ移ろう・・・

そういい次々と生徒の名を呼んでいく

基本的に魔法を使う受験生が多いらしい

まぁ魔法を学ぶ場所だし当然なんだろうけど・・・

それにしても試験官さんはとても強い

どの生徒の攻撃も完璧にかわすか相殺している

カリタス

これで最後か・・・クロウ・バーロット
前へ

クロウ

はい!

最後に僕の名前が呼ばれる

いろんな人の戦闘を見ていたけど剣を主体に攻める人はいなかった

僕の装備はいつもの弓と剣

一同

おい、あいつ弓なんか装備してるぞ

一同

ほんとだ、遠距離なんて魔法があるのにね
クスクス

弓を使うのはおかしいのだろうか?

詠唱の必要ないしとても扱いやすいんだけど・・・

まぁ属性がないことは今は言う必要がないし良いかな

でもやっぱり気になる・・・

カリタス

ほう、君は弓と剣を使うのか
魔法が多い中よくそれを選んだな

クロウ

はい、僕の先生に教わってずっと使っているので

カリタス

そうか・・・ではやろうか
・・・始め!

開始の合図と共に僕は体に魔力を纏わせる

見ての通り身体強化だ

纏わせながら僕は試験官へ駆け出す

カリタス

ほう、剣で挑むか

今までの戦闘を見ていてこの人がかなりの使い手ということが分かる

ならまずは正面から一撃を与えてみよう

クロウ

ハァ!

ガキン

剣と剣がぶつかり合い火花を散らす

カリタス

良い踏み込みだ
だが、その程度では・・・

剣と剣がぶつかり合い試験官が何かを言おうとする

そんなことをする暇があるのなら・・・!

僕は地面を思いっきり蹴って後ろへ飛ぶ

僕のその対応が意外だったのか試験官は目を見開く

着地と同時に僕は弓を構え矢を三発打ち込む

カリタス

なかなかやるな・・・
では、こちらからも行くぞ!

見事に矢は全て打ち落とされ試験官がこちらへ走ってくる

最後に僕は一発だけ矢を打ち込む

出来る限り腰の辺りを狙う、剣で受けにくい位置だ

カリタス

ッチ!

案の定剣で受けることはせずに右へ飛んだ

その結果少しこちらへ来るペースが落ちる

僕は身体強化した足で回避して若干遅くなった試験官を狙う

まずは胴体!

クロウ

ヤァ!

カリタス

ウグ!

ガツン!

胴体を狙った僕の蹴りは剣によって防がれてしまった

だが僕の蹴りを足で受け止めた結果少し後ろへ後退する

ここだ!

手に持ったままの弓を使い今度は剣のもち手を狙う

放った矢は吸い込まれるように試験官の手へ向かい・・・

カリタス

うぐぐ!

見事に手にぶつかった

ちなみに言い忘れていたが試験用に矢の先は丸いものにしてある

手がしびれたのだろうか剣を逆の手・・・左手で持つ

カリタス

そこまで!

クロウ

ッ!

試験官に試合終了の合図を出され僕は止まった

カリタス

見事だ
剣を用いた戦闘がメイン化と思ったが弓もかなりの腕前だな
しかも魔法は身体強化か・・・これはなかなか有望だな

クロウ

あ、ありがとうございます!

僕は思わず声が跳ね上がる

カリタス

まさか手加減をしていたとはいえ私が一撃を貰ってしまうとはな・・・
うん、将来が楽しみだ!

ここまでほめられたのはラックさん以外に初めてな気がする・・・

試験官はコホン・・・と咳払いをして

カリタス

これにて実技試験を終了する!
皆の結果は追って連絡する
今日はご苦労だった
じっくり休んでくれ

この言葉と共に受験生の皆がぞろぞろと闘技場を後にする

僕もミラさんたちを探して外に出ようとする

カリタス

君は少し待ってくれないか

後ろから声がかけられる

試験官さんだ

どうしたんだろうか?

カリタス

ああ、失礼・・・
試験ばかりで名を名乗っていなかったな
私はカリタス・ルッツマン
恐らく君が探している人物だよ

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