ポートゲートを出発して数日が経った。
外の景色は四六時中、地平線まで砂ばかり。
たまに遠くに砂嵐が見えたり、
砂漠に生息する小型のモンスターと
遭遇したりする程度だ。
大きなトラブルというものはなく、
旅はすごく順調だった。
なお、船室内には冷房装置がついているので、
過ごすには快適な環境だ。
――で、僕は作業室を用意してもらって、
マイルさんから依頼された
酔い止めを作っている。
旅客の人たちに販売するんだって。
船に積んである商品を
自由に使っていいということなので、
材料に関しては心配がない。
でも僕の作業が追いつかない。
かなりの数のお客さんが
船酔いで参っているらしいから、
作っても作ってもすぐに注文がくる。