空を見ていた。

たった一人で。

星が、とてもきれいだった。

いくつもの星が、まるで意思を持っているかのごとく、煌き、そのきれいさを見せつけてくる。

とてもーー

とてもきれいだった。

きれい過ぎて、まるで何かを罠にかけようとしていると思ってしまうほどに

きれいだった。

僕は、その星空を眺めながら、ふと、視線を感じて周りを見渡す。

何もない。

誰一人存在しない。

だけど、視線は確実に僕をとらえている。

誰か......いるんですか?

返事は......無い。

ただ、視線だけが、僕をとらえていた。

......

そして、ふと気が付くと、目の前に一人の女の人が立っているのに、僕は気づいた。

......

......あなたは?

......

その人は、何も答えずに、ただ僕をじっと見ている。

僕は、その人が放つ圧力に圧倒され、何も喋れなかった。

ただ、その女の人の目をじっと見ていた。

......島宮蓮利

え?

君の名前。

島宮......蓮利?

突然そう呼ばれ、僕は少し困惑してしまう。

だけどその名前は、不思議と舌に馴染んだ。

蓮利......島宮蓮利......

ええ。さて、蓮利。あなたには、とある少女のもとで暮らしていただきます。

少女?

ええ。名前は浅上美優。年齢はあなたと同じ、4歳です。

そして、彼女は僕の手を優しく握り

行きましょうか

優しく、僕に向かって微笑んだ。

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