ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ......
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ......
......きな......い
耳元で、かすかに声がする。
その声に、俺の意識はほんの少しだけ、覚醒した。
そして、その声に混じって少し、妙な音も聞こえてくる。
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ......
......んだ?ったく......
眠い目を瞬かせ、俺の意識は少しずつ、だがはっきりと目覚めて来た。
そして耳を澄ますと、あの声は聞こえなくなり、ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ......という音だけが続いている。
んん......ふあああああ......
俺は大きなあくびをし、目を開けた。
目を開ければ、そこはいつもの俺の部屋。
ベッドから起き上がり、大きな伸びをし、俺は完全に朝のまどろみから覚醒した。
......おはよう
いつものように、謎の声にいちよう挨拶しておき、俺はさっさと着替え、部屋を出た。
部屋を出て、俺の部屋の向かい側のドアを軽めにノックする。
おーい美優。起きてるか?
......返事は無い。
まあいつもの事なので、俺はさっさと階段を下り、キッチンへと向かった。
さて、朝食は何にするか
朝といえばやっぱりご飯に味噌汁、加えてシャケなのだが......
あいにく、美優は魚嫌いだ。
朝から機嫌の悪い美優は見たくないので、俺はオムレツでも作ることにした。
後は......食パンと目玉焼きでいいかな
バランスが悪いとしか言えないような朝食だが、まあ仕方ない。
美優は卵好きだしな。
そんな言い訳を挟みながら、俺はいつものように朝食を作る。
そんなこんなでオムレツと目玉焼きも作り終えて、食パンもいい感じに焼けてきたのを確認すると、俺はキッチンを出て、再び階段を上がった。
おーい美優。朝食できたぞー。
......やはり返事は無い。
......またか
多少げんなりしつつ、俺は深いため息をついた。
このままここで待っているのは時間を考えるとダメだ。
だから、これから俺のしようとしていることは正しい......はずだ。
ああ、めんどくさい......
俺は覚悟を決めて、ドアノブに手を伸ばし、グッと力を込めた。
その部屋はピンクで統一されており、非常に女の子らしい部屋だと毎回思える。
これで寝起きが完璧だったらなぁ......
俺は渋々部屋に入り、美優を起こそうとベットに近づいたーー
すると、突然視界が真っ暗になり、同時に背中になにやら柔らかい感触が......
いやそんなことより!!
な、なんだ!目、目が!
とまぁ驚いた様子を見せてみるが、これもいつもの事。
俺は言葉とは裏腹に、落ち着いた態度をとる。
相手もそれは分かっているのか、そこからは何もしてこない。
まぁ、してこられても困るのだが。
で? いつまでそうしてるんだ? 美優
その言葉に、視界がゆっくりと開けていきーー
おはよう! 蓮利君
笑顔を浮かべて俺を見つめてくる、彼女......浅上美優がそこにはいた。