僕は街道をまっすぐ進んでいた
天気もよく歩いていて気持ちいい
時折吹く風が心地よく頬をなでる
イチリンまでは徒歩で3日程かかるのでそれまではずっと歩くことになる
まぁ日程的にも余裕を持っているから遅れるなどということはないだろう
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僕は街道をまっすぐ進んでいた
天気もよく歩いていて気持ちいい
時折吹く風が心地よく頬をなでる
イチリンまでは徒歩で3日程かかるのでそれまではずっと歩くことになる
まぁ日程的にも余裕を持っているから遅れるなどということはないだろう
街道に出るのにそう時間はかかることがなかった
まぁ街道付近まで入ったことがあるし当然だろう
実際問題、身体強化で走ればかなり短縮できるのだが・・・
正直もったいないなと思ってしまい使わないことにした
いい天気だなぁ・・・
ボーっと上を見て歩いていると前方の方から声が聞こえてきた
キャアアアア!!
何だろう?
前を歩いていた人たちかな?と思い顔を向ける
そこにはなにやら馬車がいた
その場所から聞こえたようだ
あまり穏やかではなさそう・・・
僕はそう思い放っておけるわけもなく近づく
チィ!
おとなしくしておけ!
こいつさえ渡せば命は助けてやる!
そんな!
これは渡せません!
なにやらあまりよろしくない感じなようだ
見た感じ山賊だろう
大方、馬車にはいいっている積荷目当てだろうな・・・
うん、あの女の人を助けないと
山賊は体半分を馬車から出し荷物を女性と取り合っているようだ
チィ!
このアマ!
言葉と共に半分でた体の腰に刺さっている剣を抜こうとする
僕はやばい!と感じたため即座に狙う
距離的には離れているが弓の射程として考えると十分な距離だ
僕はそのまま矢を撃ち込む
あくまで牽制目的のため当てないようにする
命を奪うことに躊躇いはまだあるため一発目ではまだ当てない
うぉ!?
だれだ!
仲間がいやがるのか!?
一発目の矢は剣の近くの地面に命中
僕は第2射を用意する
だがまぁ
この手の輩が一人のはずもなく・・・
おい!
何をもたもたしていやがる!
もうそれはいい!
撤退するぞ!
どうやら賊の仲間らしい
僕はそちらへ一瞬目を向ける
だがすぐに僕は目を馬車に戻した
中に女性がいるはずだ
その子に何かされていなければいいが・・・
恐らく流石にこちらに気づいているだろう賊は仲間と合流し逃げ出す
しかたねぇ!
おいガキ!
今度見つけたら絶対に殺してやるからな!
いちおうこちらを見つけたらしい賊が叫んだ
叫ぶ前に一度驚いていた辺りこんなガキにやられたと思い腹を立てたんだろう
僕はそのまま去っていった賊を見送ることなく馬車へと向かう
正直助かった
弓の一本で引いてくれたのだから
このまま長引いていたら恐らく斬りあいになっていただろう
魔物を殺したことはあるが人間はまだ少々つらい
まだまだ難しいなぁっと!
馬車へと到着し中を拝見させてもらう
大丈夫ですか?
賊は一応追い払いましたけど
僕の声に恥のほうに隠れていた二人がこちらを向く
どうやら1人は男性らしい
もう1人は・・・
あ・・・たすかった・・・の?
まだ状況を若干理解していない女の子が疑問系で状況を確認していた
青い髪に少し幼いながらも大人っぽさを持った顔立ちが特徴が印象の女の子だ
そしてもう1人の男性が状況をいち早く理解し
おお!君が助けてくれたのかね!?
私はディフ・ルー
この馬車の御者をやっていたものだ
情けないことだが怖くて隠れていたんだ・・・
聞けば彼はこの馬車の御者らしい
普段通り客を乗せ宿まで行こうとしていたが途中に賊に囲まれてしまいもうだめだ・・・
と完全にあきらめていたらしい
間に合ってよかったです
そちらの女の子の声が聞こえて気になったもので
僕はクロウ、クロウ・レー・・・
言いかけて止める
そうだ、僕はこれからはバーロットの姓だ
レーデンの姓ではない
僕はクロウ・バーロットです
こちらの回答に対してディフさんはありがとう・・・ありがとう・・・助かったとしばらく言い続けていた
ふと、視線を感じ女のこの方へ目を向けると案の定
先ほど助けた女の子がこちらをジーと見ていた
視線が合ったのにあわてて女の子がこちらへ話しかける
わ、私はミラ・アクアといいます~
危ないところを助けていただきありがとうございました~
語尾を伸ばすのは癖なんだろうか・・・?
とても透き通った声でほんわかとした雰囲気を出すこの女の子はミラ・アクアというらしい
災難でした~
ヤマト学院の入学試験のためにここまで来て山賊に教われるなんて・・・
でも、クロウさんのおかげで助かりました~
へぇ、あなたもそうなんですね
僕も受けに行く途中なんですよ
その言葉を聴いてディフさんが
驚いたようにこちらを見て同時にうれしそうに
なら、この馬車で送りますよ
イチリンまでどうせ行く予定ですし
よければどうですか?
恩返しもかねて無料で乗ってください!
え・・・?でも・・・?
返答に困る
確かに乗せてくれるのはありがたいが
すでにこの馬車には先客がいる
ミラさんが許してくれるはずが・・・
と困ったようにミラさんを見る
すると驚くことにミラさんも
そうですね~
是非一緒に行きましょう
私と一緒でよければぜんぜんかまいませんよ~
どうやら両者とも同意してくれたようだ
これで断る理由もなくなってしまったな
ちょっとだけ苦笑い
えっと・・・ではよろしくお願いします
おうさ!
僕の一人旅は早々に終わってしまったが
こういうのもなかなか悪くない
僕はちょっと不思議な気持ちになりながら旅の仲間を結果として増やしたのだった