遠くから、子供たちが無邪気に遊ぶ声が聞こえる。

幼児A

ね~ね~みて!
この花びら奇麗だよ!

幼児B

良いな~
私も欲しいな~

幼児A

ダメだよ~!
これはワタシの宝物にするんだから
違うのを一緒に探してあげる!

幼児B

うん!

自分達の気に入った落ち葉や花を探しては
見せ合い、また探す・・・。

よほど夢中になっているのだろう
一人の少女が近づいても気が付いていない様子だ!

あれからどれだけの時間が過ぎただろうか?

少女も仲間に入れてほしいのであろう。
勇気を振り絞って、声をかけたのである。

幼児C

あの~。

幼児B

うゎあ!!

幼児A

えっ、ナニ?

幼児C

大きく深呼吸をして

幼児C

ワタシも一緒に探しても良い?

幼児A

いいよ~

幼児B

うん。
みんなで探したほうが、
い~ぱい、見つかるしね~。

幼児C

ありがとう~

この日をきっかけに、
三人はいつも一緒に、過ごすようになったのである。

ある日を境にするまでは・・・。

幼児A

あのお魚さん、可愛いよ!

幼児C

あっ
本当だ~!

幼児B

うわぁ~
飛んだよ~

幼児C

どれどれ~

幼児A

次は、イルカさん見ようよ!

幼児B

イルカを見たら、
ペンギン見に行きたいなぁ~

幼児C

わぁ~い!

水族館の生き物たちに魅せられて、
あっと言う間に、時間が過ぎていく。

幼児A

そろそろ、帰らないと・・・。

幼児C

もうちょっと、見たいなぁ。

幼児B

約束は守らないと、お母さんに叱られて
もう一緒に遊べなくなっちゃうよ!

幼児C

そうだね。
お母さん達も外で待ってるもんね!

こうして水族館を後にした三人であった。

幼児A

バイバイ。
また、遊ぼうね!

幼児B

ばいば~い!

幼児C

うん!
また遊びましょう!
ばいば~い!

こうして別れた三人であったが、
これが三人で過ごせる最後の時間になるなんて
この時は誰も予想出来なかった・・・。

危ない~!
行かないで~!!

みなみ

いつになったら・・・。
せめて夢の中だけでも、
一緒に過ごしたい。

あかね

また、保健室でサボってるの?
ベットが水浸しだけど、まさか・・・。

みなみ

ち、違うの!
これは、ナミダよ!
決してオネショじゃないからね!

あかね

あ~ら!
そんな事、一言も言ってないわよ!

やっぱり・・・。

みなみ

だから、違うって言ってるでしょ!

あかね

おふざけが、すぎたかしら。

あかね

また、あの夢を観たんでしょ?
なんでまた、今になって・・・。

みなみ

私が聞きたいわよ!

なんで、あの時
別れちゃったんだろうって
今でも後悔しているの。

せめて夢の中だけでも・・・。

あかね

仕方ないのよ。
誰も悪くないんだから。

最近その夢のせいで、
ちゃんと寝てないんでしょ。
今はゆっくり寝たら?

みなみ

そうする。
先生には、よろしく伝えておいて!

あかね

いいわよ!
任せなさい!

まともな睡眠をとれていないみなみを心配しつつ
一人教室に戻るあかねであった。

なぜ、今になって彼女の夢を観るのだろうか?
それも同じ夢を何度も何度も・・・。

いつも一緒に・・・(前編)

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