眠井朝華(中学二年生)は、今日も保健室に居る。
言わば保健室登校っていうやつだ!
だけど、いつもと違うことがある。
それは隣のベットで眠る、みなみの影響だ!
眠井朝華(中学二年生)は、今日も保健室に居る。
言わば保健室登校っていうやつだ!
だけど、いつもと違うことがある。
それは隣のベットで眠る、みなみの影響だ!
むにゃむにゃむにゃ
そっちに行っちゃダメ!
行かないで・・・。
この感覚は何だろう?
意識が何かに引っ張られていく・・・。
相手に意識をフォーカスするわけでもなく
夢の世界に誘われた眠井朝華。
みなみの強い想いに、
眠井朝華の意識がシンクロしたのだろう。
気持ちの良い感じではないわね。
強制的に来るなんて・・・。
またキミか!
ホントに悪趣味だね!
(他人の)夢の世界を、覗き見るなんて。
この世界から、追い出してやろうか!
そんな事、するわけないじゃん。
今日は違う、勝手に連れてこられたの。
そんな事、あるの?
夢の世界では無敵のキミが!?
無敵じゃない・・・。
きっと、この子が求めてるんだよ!
さぁ~、キミの出番だ!!
ウルサイわね~。
やれば良いんでしょ、
やれば・・・。
眠井朝華は、
夢の世界で大暴れ(?)する為に変身した!!
くそねみまじかる~。
ぱぁぁ~
こっちが恥ずかしくなる。
気分を上げないと、
恥ずかしくてキュン死する。
なんだか、
使い方間違ってる気がするけど
っま良いや。
後は任せたよ!
ボクは消えるね。
バイバイ。
まずは、
悪夢の化身を探さないとね!
それにしても、
悪夢を観ているとは思えない。
景色がキレイすぎる。
今までの悪夢とは、違う光景に戸惑いつつも
悪夢の化身を探す眠井朝華。
そんな時、目の前に少女が現れる!
お姉ちゃんは、誰なの?
私は、眠井朝華。
中学二年生だよ!
へぇ~
中学生なのに、そんな恰好しているの?
これには、事情があるのよ。
大人の事情がね!
おとなねぇ~?
中学生なのに・・・。
なによ、いいじゃない。
っで、そういうキミは何してるの?
ワタシね、
みんなと逸れちゃったの~。
色々探してるんだけど、
どこにも居ないの~
そうなんだ。
っで、そのみんなって誰?
みなみちゃんとあかねちゃんだよ!
いつも三人一緒なの~
仲良しなんだから!
どこかで聞いた事ある
名前なんだけど・・・。
あっ、
クラスメイトの名前じゃん!
って事は、
いま隣のベットを占拠している
あの子とその友達ね!
もしかして、
この少女が悪夢の化身なの?
暴れている様子はないのに、
現実世界でみなみは魘されている。
どうしたら・・・。
そうだ!
お姉ちゃんも一緒に捜してよ!
ねぇ~
お願~い!
わかったわよ。
私も捜してあげる!
きっとこの世界で二人は見つからない!
そう思いながらも一緒に探す眠井朝華。
このままでは、
この子はきっとこの世界に囚われたまま。
それは即ち、現実世界でみなみは苦しみ続ける。
何とかしてこの世界から解放させる為に
手を尽くす眠井朝華であった。
お姉ちゃん、居ないね~
みんな何処に行っちゃったのかなぁ~?
もう、家に帰ったのかな?
それとも、他の場所で待ってるのかな?
ワタシを置いて、
勝手に帰らないよ。
そんなイジワル、しないんだから!
これだけ捜しても居ないから
もしかしたら水族館に居るかも。
そっか~。
じゃあ、水族館に行こうか!
うん!
イイユメツールを使って、
目の前に自転車を出した!
お姉ちゃん、すっご~い!
目の前に自転車が出てきた~
っでしょ~。
この格好は、飾りじゃないのよ!
自転車に乗って、水族館に移動した!
ふぁ~、着いたよ!
っさ、みんなを捜しに行こうか!
お姉ちゃん、見てよ~
このお魚さん、可愛い~
イルカさんがボールくれた!
可愛い~
水族館に夢中になり、
いつしか目的を忘れてしまった少女だった。
眠井朝華はふと思った。
このまま目的を忘れて
水族館で楽しんで欲しいと。
そうする事で、
この世界から解放されるのではないかと・・・。
そういえば、お名前聞いてなかったね。
お名前は、なんていうの?
はるかって言います!
ヨロシクね!
可愛いお名前だね!
はるかちゃん!
可愛い~
ありがとう~
はるかちゃん、
ペンギンさんがこっちに来たよ!
このペンギンさん、おっきい~
こんなの、初めて見た~
ヤバっ!
サイズの調整の仕方が分からなくて
成人男性と同じ大きさになっちゃった。
お姉ちゃんも、
この大きさのペンギンを見るのは
はじめてだよ~。
可愛いっていうより、
ちょっと怖いかも。
え~!?
怖くないよ、可愛いよ!
セーフ
次は、サメさんがみたい。
サメは確か、
あっちのコーナにいるわよ。
さめ、サメ、鮫をイメージして
イイユメツールで・・・。
きゃ~~~!
怖いよ~。
また、やってしまった。
ゲームのやりすぎなのか、
怖いフォルムになってしまった。
色々なミスをするものの、イイユメツールを使って
はるかを楽しませる事が出来た。
夢の中に入って、
どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。
はるかの身体に異変が起きはじめた。
お姉ちゃん。
なんだか、身体が痛くなってきたよ~。
何処も怪我をしていないのに・・・。
大丈夫なの?
血が出てるよ!
ほんとだぁ~
あたりの景色が突然変化した!
周りにはものすごい速さで行き交う車が走ってる!
眠井朝華は、はるかの身体に起きた異変について
察しがついたのであった!
みなみがオネショをした・・・
もとい寝汗が酷い理由って
はるかと別れた際に、
はるかが交通事故に遭遇したからなの?
そこから、
はるかを助けたいと想って・・・。
お姉ちゃん、イタイよ~
なんで私、血が出てるの?
わかんない・・・。
こんな小さな子に、交通事故にあったからだよ
なんて言えないと思った眠井朝華であった。
せめて、楽しんで成仏させてあげたい
そう思うのであった。
血が出てるのは、
急に走って転んだからだよ!
だってさっきまで水族館に居たのに
いきなり外にでたからね。
然程、頭の良くない言い訳だ!
子供騙しにもほどがあるけど・・・。
そうだね!
さっきまで水族館に居たのに、
気が付いたら急にお外に居るもんね。
ワタシ夢中になっていて、
気付かなかった。
とりあえず、
このお薬で直ぐ好くなるから。
はるかは薬を飲むと、たちまち元気になった。
イイユメツールとは、
使用者の創造次第で万能薬にもなる
夢のようなツールだ!
否、夢なのだ!
お姉ちゃん。
猫ちゃんがみたいんだけど、
何処かにいないかな~?
猫なら、はるかちゃんの後ろに居るよ。
こんにちは、猫ちゃん!
イイユメツールで召喚された猫は
満面の笑みをうかべた。
眠井朝華は、はるかに要求されるものを
自分の創造が及ぶかぎり答えていった。
そんなことをしているうちに、
はるかの身体にまた異変が起きた!
お姉ちゃん、ありがとう。
ワタシ楽しかったよ!
そろそろ時間みたい・・。
帰らなきゃ。
そういうと、はるかの身体は透き通って
いつしか姿が見えなくなった。
これで、良かったのかな?
目の前から消えたって事は・・・。
眠井朝華は目を閉じて、
現実世界に意識をフォーカスして
戻っていくのであった。
なんだか、しっくりこないわね!
始まりも終わりも・・・。
そう思っていると、
隣のベットから、みなみが目覚める声が聞こえた。
久々に、はるかと遊んだなぁ~
よくわからないけど、はるか笑ってた!
きっと私のしたことは、
間違いじゃなかった!
あっ、みなみ起きたのね!
顔色が良いわね!
久々にゆっくり寝れた気がするの。
それに、はるかの笑顔を思い出せたの!
そうみたいね!
だって、オネショしてないもんね!
だからぁ~。
オネショじゃないって言ってるでしょ!
冗談よ、冗談。
さぁ、教室に戻りましょう!
そうだね!
こうしてまた一人、悪夢から救った眠井朝華。
眠井朝華は密かな達成感を感じつつ、
明日は教室に入れるかもと思ったとか思わないとか
・・・。
眠井朝華の物語は続く。
他人の夢を覗く特技が無くならない限り。
次はどんな夢の世界にいくのであろうか?