あれから何日が過ぎただろうか
僕は今まで通り牢での生活
たまに外へ出るが妹の実験台になるだけなので期待なんかはしていない
コツ・・・コツ・・・とこっちの方へ歩いてくる音が聞こえる
恐らく使用人であろう
食事を届けに来ただけだろう
体を起こし牢屋の外を見る
あれから何日が過ぎただろうか
僕は今まで通り牢での生活
たまに外へ出るが妹の実験台になるだけなので期待なんかはしていない
コツ・・・コツ・・・とこっちの方へ歩いてくる音が聞こえる
恐らく使用人であろう
食事を届けに来ただけだろう
体を起こし牢屋の外を見る
出ろ
・・・これは驚いた
使用人が来るとばかり思っていた僕は目を見開く
なにをしに来たんだろうか?
聞こえなかったのか?
出ろといっている
どうやら言う通りにするしかないようだ
父様の後をついていく
牢を出て外の日差しを浴びる
思わず手を覆ってしまうようなまぶしさだ
父様は特に気にした様子もなく歩いていく
どこへ行くんだろう・・・?
着いてみればそこは中庭だった
相変わらず花が咲き誇っている
僕はそんな光景に少し癒される
ここで待っていろ
父様は僕にそう言い放つと屋敷の中へ入っていってしまった。
少しの時間の後父様が出てくると手には水晶が二つ
両手にひとつずつ乗せられていた
あれは・・・僕の魔力測定のときに使っていた水晶か
水晶のうちの片方は魔力もう片方で属性がわかる
僕はボートそんなことを考えながらこちらに歩いてくる父のことを見ていた
やってみろ
それだけ言ってこちらに手を差し出してくる
ああ、これをやれということか
でも・・・これで僕に属性があればまたあの家族の仲間入りが出来るかもしれない
また、あそこでみんなと楽しい生活を・・・
ドクン・・・ドクン 胸の方で音が聞こえる
ああ、緊張しているのか僕は
少しの間をおいて僕は水晶へ手を掲げる
まずは右手の水晶だ
こっちの水晶は魔力量を測る水晶だろう
問題なく水晶の中で光が波打つ、次第に段々僕らに視認できるように数字としてその数値が表される
250000
この数値が僕の魔力だ
非常に高いというかこの年代では頭をひとつふたつ飛びぬけている
この間の魔法の実験のときに妹がこの間
30000あった・・・と喜んでいる辺り間違いはないだろう
次はこっちの水晶、こっちが僕としては問題だ
属性を見る水晶
それぞれの属性に対応した色に変化する
炎属性なら赤、雷属性なら黄といったように
恐る恐る僕は手を近づける
静寂とともに変化を待つ
・・・・・何も起こらない
・・・はぁ
やはり貴様は出来損ないのようだ
最後にチャンスを与えてみたがやはりだめらしい
これ以上貴様をこの屋敷においておくことは出来ない
レーデン家の誇りを汚すことになる
貴様にはどこかへ消えてもらう
・・・ああ、僕はどうやらこの家からとうとう追い出されてしまうらしい
いや確かに望んでいた事だこの家を出て外を知る
だが・・・こんな形でとなると流石に堪える
・・・・・・・
何かを言葉にしようともそれが口から出ることはない
だって何をいえばいいのかわからないのだから
恐らく僕は今泣きそうな顔をしているのだろう
いや、既に泣いているのかもしれない
これで完全に厄介払いが出来ると思うととても清々するよ
ちなみに今日は何の日か知っているか?
少しの笑みを浮かべながら僕に問いかける父様
何の日か?
地下牢で生活していたせいで基本的に日付の感覚はない
今の歳がわかっているのは妹が自分で
魔法の実験のときに私は今日で13になったのよ!!
と言っているのを聞いた為だ
どうやら、わからないようだな
まぁずっと地下にいては仕方ない
今日は春の月の24日
・・・・・貴様の16歳の誕生日だよ
ああ、そうか、今日は僕の誕生日だったらしい
なるほど、今日にあわせて僕を家から追い出そうと言うことか
そう・・・ですか
言葉を何とか吐き出す
僕はここにいてはいけない存在らしい
わかってはいたが改めて理解してしまう
これから転移魔法で貴様をどこかへ飛ばす
まぁ大陸は出ないだろうが恐らく町へは出ないだろうな
すぐに死なれても目覚めが悪い
これをくれてやる
と父様は僕へとナイフを一振り投げ渡す
これ一本で魔物と戦えと言うのか
なかなか無茶な事だ
これで恐らく貴様を見るのも最後だろう
ああ、レイラのことか?
心配は要らない、彼女にはお前がどこかへ逃げたと伝えておこう
では、陣を展開するから邪魔をするなよ?
そして父様へ詠唱と陣の展開を始めた
もう反論も抵抗する気もない僕は動かない、いや、動けない
母様、ごめん最後に会いたかった
母様の料理はとてもおいしかったよ
~~~~~~~~~せよ
でわな
我が愚かな愚息
空間転移!!
父様がそういうと僕は襲い掛かる浮遊感耐え切れずに意識を手放した