その後。
緊張はしたけど、なんとか式を無事にすますことができた。
長いドレスを踏まないか不安だったりもしたけれど、そんな失敗はせずにすんだ。
…まあ、お母さんたちに怜一郎さんとのキスを見られるのは顔から火が出るくらい恥ずかしかったのだけれど。
大変だったのは披露宴だ。
とにかくお色直しの回数がありえなかった。
確か…7回はしたかな。
そのたびにメイクも髪形も変えなくちゃいけないから大変だった。
後半記憶ないしなー。
それに、そこで改めて九条家の方々の紹介をされたのだけど、…多すぎて覚えることができなかった。
怜一郎さんのお祖父さまである誠太郎(せいたろう)さまに、九条家とは血縁関係もあり九条グループの傘下にある3つの会社の社長の顔はとりあえず覚えた。
それから、結人(ゆいと)さんも来ていた。
それにあたしがこれから通う清黎学園の生徒でもあるからという理由で覚えた顔もある。Jewellery Kokonoe の社長令息、九重新多(ここのえあらた)とHtel Ninomiya の社長令息、二宮雅也(にのみやまさや)だ。
それ以外の顔は、許容オーバーだった。