悪夢の化身は、様子を伺っている眠井朝華に向かって攻撃を始める！
悪夢の化身を倒すには、観察しなきゃね！
か・ん・さ・つ～～～！
悪夢の化身は、様子を伺っている眠井朝華に向かって攻撃を始める！
こんなスケジュールで、
終わるわけがない！
休みなく働けと言うことか？
そんなスケジュールは、
観るに価しないからポイっと！
間一髪のところで、眠井朝華目掛けて飛んできたスケジュール帳をかわした！
危ない、危ない。
なんで、なんで、なんでなんだ！！
いつも納品ギリギリで、仕様が変わるんだ！！
こんな仕様なんか、要らないから捨ててやる！
悪夢の化身の怒りが、
雷となって眠井朝華に襲い掛かる。
これはマズいわね！
イメージしなきゃ！
眠井朝華の目の前に、大きな木が出現した。
その木が避雷針替わりになり、眠井朝華を救った！
ナセ？
何故？
なぜ？
いつも人手が足りないのに、
上司は人件費を削減するんだ～～！！
痛い。
地味に痛い奴だ！
顔に傷がついたら、お嫁に行けないじゃない！
ただでさえ、プチ登校拒否で心に傷があるのに！
そんな事を言いながら、
悪夢の化身の一連の行動からヒントを得た。
イイユメツールを使った逆転のシナリオが、
脳裏によぎった！
むにゃ・むにゃ・むにゃ
そんな無理難題は、人類には解決できない！
だから、地球外生命体の能力を使えば楽勝よ！
私って、天才かも！
地球外生命体の乗り物が、悪夢の化身に向かってジグザグと進行していく。
悪夢の化身との距離が、どんどん近づいていく！
悪夢の化身と地球外生命体の乗り物が衝突した。
悪夢の化身は、無邪気な子供のような眼差しで乗り物を見つめて、つかんで、破壊した。
あれ？
倒せない！？
え！
イイユメツールを使っても、結局は物理攻撃？
バカなの？
アホなの？
さぁ～どっち！？
眠井朝華は突然現れた夢の住人に向かって
強烈な殺意の眼差しを浴びせた！
そうこうしている間に、悪夢の化身が動き出した！
会社にとって、都合の良いように飼いならされた人間を世間では社畜っていうんだ！
俺様は、そんな人間になりたくない。
なりたくは無かったんだ～！
何かを察して、慌ててカットインする眠井朝華
良い子のみんなは「社畜」という、
汚い言葉は使わないでね！
奇麗で可愛いお姉さんからの、お願いだよ！
主人公も世間体は気になるらしい・・・。
ストレスが溜まるYO!
寝れないYO!
寝れないから集中もできないYO!
効率悪くなるYO!
悪循環D・A・Y・O!
これが、不眠不休の極致になると現れる
ランナーズハイならぬワーキングハイってやつか。
こんな大人には、ならないと誓った
中学二年生の眠井朝華であった。
閃いた！
むにゃ・むにゃ・むにゃ
イイユメツールで、
高性能なロボットを召喚した眠井朝華。
ロボットは軽く会釈をして、悪夢の化身に近づいた。
高性能なロボットは、
悪夢の化身の仕事を淡々とこなしていき、
気付けば、悪夢の化身に割り与えられた仕事は
何一つ残っていなかった。
悪夢の化身は、
高性能なロボットと熱い握手を交わした。
握手の最中、悪夢の化身の瞳から
肉眼で認識できるギリギリの量の水がこぼれていた。
これが涙なんだと、高性能なロボットは思ったとか
思わなかったとか・・・。
悪夢の化身は浄化され、
夢の世界が良い夢に変わり始めた。
一件落着。
さぁ、素敵な景色を観るわよ！
疲れたわね。
私が求めていたのは、これよ！
これ！
奇麗だわ！
刻一刻と夢の世界の時間が、
終わりを告げようとしていた。
何故なら大人の男性が、
そろそろ目を開ける時間が近づいたのだから。
ふぁ～あ～あ。
久々に良く寝れた。
それにしても、ヘンテコな恰好をした
コスプレイヤーは誰なんだろう？
ヘンテコですって！？
失礼な人ねぇ～。
恩人にむかって、コスプレイヤーって何よ！
好きであの格好になった訳じゃないし。
眠井朝華は決して相手には聞こえない
大きさの声で相手に反論した。
以前なら、反論すらしなかった
眠井朝華にとっては大きな成長である。
眠井朝華のお陰で、青年はしばらくの間
良質な睡眠を確保できたと風の噂で聞いた事がある。
この青年が、あの大手企業の社長に就任する事は
今は誰も知らない。
悪夢を良い夢に変えたお陰で、
出世したのかは誰にも知ることができない。
ただ一つ言えるとするならば、
プチ登校拒否少女が青年の未来を繋ぎ止めたという事だろう。
想像してみて下さい！
毎日、悪夢しか観られない日々を！！
あなたは、耐えられますか？
長くは続かないかもしれないが、
眠井朝華は確かに存在して貢献した。
今宵はあなたの為に、
眠井朝華が悪夢の化身と戦っているかもしれない。
