プレプレ村から3日ほど王都西街道を進むと
森林地帯は終わり、
今度は岩や砂利ばかりの地域に入った。
さらにそこから先は
進むに従って気温が高くなり、
空気の乾燥も激しくなっていく。
そしてプレプレ村を出発してから
10日ほど経過したころには
砂埃の吹き荒れる砂漠地帯に到達した。
その砂漠地帯の玄関口となっている町が
ポートゲートだった。
すごく暑い……。
ちょっと外にいるだけで
体が干からびちゃいそうなくらいに暑い……。
プレプレ村から3日ほど王都西街道を進むと
森林地帯は終わり、
今度は岩や砂利ばかりの地域に入った。
さらにそこから先は
進むに従って気温が高くなり、
空気の乾燥も激しくなっていく。
そしてプレプレ村を出発してから
10日ほど経過したころには
砂埃の吹き荒れる砂漠地帯に到達した。
その砂漠地帯の玄関口となっている町が
ポートゲートだった。
すごく暑い……。
ちょっと外にいるだけで
体が干からびちゃいそうなくらいに暑い……。
ここから船に乗って
サンドパークに向かうのが
一般的なんだよね？
アポロはそう言っていたわね。
町の隅にオアシスがあるけど、
そこに船着き場があるのかな？
でもでもぉ、
オアシスは町の規模よりも
小さいですよねぇ？
サンドパークまで水路が
繋がっているんでしょうかぁ？
でも川は見当たりませんよねぇ。
地下水路でもあるのかしら……。
――その時だった。
どこからか『ジャーン、ジャーン！』という
大きなドラの音が響いてくる。
その直後、
石造りの民家の向こう側を横切るように
動いてやってきたのは、
なんと巨大な帆船だった！
海でもないのに、なんで帆船がっ!?
何なの、あれっ!?
水がないのに
船が走っていますぅ～！
もしかして船底に車輪とか
ソリとかが付いているのかな？
お前たち、
陸走船を見るのは初めてか？
その時、通りがかったおじさんが
声をかけてきた。
わずかに黄ばんだ歯をちらつかせながら、
ケタケタと笑っている。
陸走船……ですか？
おうよ。
陸の上を走るから陸走船さ。
そのままの呼び名だろ？
どういう仕組みで
動いているんですか？
魔力で船全体を
浮かび上がらせているんだ。
それで船底と砂の間には
指先ほどだが隙間がある。
そのおかけで砂漠の上を
滑るように走れるわけさ。
しかも普通の船と違って
摩擦による抵抗がないから
スピードも格段に速い。
なるほどっ、なるほどぉっ！
その仕組みは非常に
興味深いですねぇーっ!!
ぜひ見てみたいですぅっ！
セーラさんは瞳をキラキラ輝かせていた。
武器だけじゃなくて機械とか機構とか、
そういうものも好きなのかな？
何かに応用できそうだもんね。
へぇ～！ すごい仕組みですねっ！
アポロが話していた船って
陸走船のことだね、きっと。
つまりそれに乗ればいいんだね。
でも水がないなら
歩いてでも行けるんじゃないの？
あ……確かに……。
絶対に乗りたいですぅっ！
お前たちはどこへ向かうんだ？
サンドパークです。
それなら船にしておきな。
陸路で行くなんて自殺行為だ。
砂漠を3週間も歩くなんて
素人には無理だからな。
陸路で行くにしても
荷物を運ぶ動物は必要になる。
何せ途中には村どころか
水場さえないんだからな。
えぇっ!?
船に乗ればその半分の期間で着く。
荷物を持って歩く手間もない。
だから普通の旅人は船に乗るか、
この地域を迂回して進むかの
どちらかなんだよ。
僕たちはサンドパークに
用事があるので、
迂回という選択肢はありません。
だったら船の一択だな。
乗船料は高いが、
死んじまったら元も子もない。
いくらカネがあっても、
あの世には持っていけねぇからな。
ガッハッハ！
おじさんは大笑いをしながら行ってしまった。
でも思いがけず、
貴重な情報を仕入れることができたなぁ。
そっか、船に乗らなきゃダメなのかぁ……。
乗船料が高いっていうのが
少し気になるね。
とりあえず、陸走船の乗り場へ
行ってみましょう。
今の段階では
判断のしようがないし。
そうだね……。
れっつごーですぅ！
僕たちは道行く人に声をかけ、
乗り場の位置を教えてもらった。
その話によると、
陸走船の港は町の中心にあるらしい。
というのも、ポートゲートは
陸走船の港の周りに商店が集まり、
そこから広がるように発展してきた
町だからだそうだ。
理由を聞くとなるほどなぁと納得する。
僕たちはメインストリートを進み、
賑やかな界隈の先に開けた広い空間と
陸走船の乗り場を見つけた。
手持ちのおカネで3人分の乗船券が
買えるといいんだけど……。
次回へ続く！
