ママの友達?!

彼と公園で桜を観ながら、ぽつぽつとお喋りした。
私はしゃべらなかったけど、彼はゆったりと話す。

嫌いじゃない声。
明るく、優しい。

大した内容はなかったけど、一緒にいられるだけで嬉しかった。

夕日が沈み、暗くなると家まで送ってくれた。

静香

私の家がどこにあるのか
聞かないんだ……。

迷うことなく、家に着く……。

経次郎

ボクの家、あっちだから。

小学校とは反対方向。
それなら私が前を歩いていても、おかしくはない。

静香

もっと早く気付きたかった……。

家のドアが開いて、母が出てきた。

専業主婦の母は、窓の外をよく見ていて、私がいると開けてくれることがある。

静香

ママのこと、なんて説明しよう……。

母のことを紹介すると、大抵の場合

え~。うそ~。
お姉さんかと思った。

最近は

妹さんじゃないの?

とか、

血、つながってるの?

と、おっかなびっくり言われたりする……。

静香

私の方が老けてるのかな……?

母の方がヘンなんだと思うけど……。

でも、玄関から出できた母は、私には目もくれず、経次郎たちの方に向かった。

ママ

経次郎くん、慶子ちゃん。
久しぶりね~w
窓から見えたから来ちゃった♡

静香

はい?

経次郎

こんばんは。
ご無沙汰しています。

なんの躊躇もなく、ヤツは言った……。

ママ

こんばんはw
すごーい。おっきくなったね~。おまけにイケメンになっちゃって♡

経次郎

そんなことないですよ。

ママ

言うことも大人になってる~。
私が若かったら、放っておかないよ~。

静香

やめて……。

勝てる気がしない……。

慶子

こんばんは。

静香

誰?!

ママ

いや~ん、慶子ちゃん。
今日も可愛い~♡

ママ

私があげたヘッドドレス、
着けてくれてるんだ~。

何? ヘッドドレス?

慶子

はい。
お姉さまに作っていただいたからなのか、とっても着け心地がいいんです。

静香

お姉さま?!

マジで誰だ?!

しかもアレ、ママの手作り?

ママ

あら? 静香ちゃんもいるの?
お帰りなさい。

静香

ただいま……。

なんで、自分の家に帰ってきて、疎外感を味わわなきゃいけないわけ?

ママ

静香ちゃん、静香ちゃん。
あのね、この二人ね、ママ友の経次郎くんと慶子ちゃんなの。

お母様、「ママ友」って言葉の使い方、間違っていると思います……。

静香

そうなんだ……。

慶子

はじめまして~!

クソ弁慶が、やけにでかい声でそう言った。

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