慢性化したストーカー
その2
慢性化したストーカー
その2
倉庫裏に呼び出した。
とっさでここしか
思いつかなかった。
一週間前に聡士に振られた傷が……。
でも、聡士は義経の生まれ変わりじゃなかったから、振られようがどうでもいいんだけど!
でも、
やっぱり嫌な気持ちになるわね……。
話って何?
忘れてた……。
何を言えばいいのだろう……。
落ちつけ、
落ちつくのよ……。
放課後まで待つの、
面倒だって思ってたはずじゃない。
それが同じ高校にいたのよ。
バス代だってもうかったじゃない。
でも、何を話すか考えてなかった……。
聞きたいことは、ただひとつ。
私のこと、好きですか?
……言えるか?
…………。
無理だ……。
ママのテクがほしい……。
ホントは血、
つながってないのかも
しれない……。
あんなにふんわりほわほわ系じゃないし……。
大丈夫よ、
静香ちゃん。
静香ちゃんは
ママの血を引いているんだもの。
ふぁいと♡
性格は父に似てしまった……。
校舎の方から予鈴が聞こえてきた。
……。
言わなきゃ。
もう時間が……。
あの!
……。
私のこと好きですか?
無理、絶対無理……。
殿!
どこからともなく女が現れた。
こんなところに
おられましたか?
急がなければ
遅刻になります。
……ああ、
そうだね。
誰?
けっこうかわいい……。
慶子って言うんだけど……
……。
えっと、
弁慶だから。
弁慶?!
ゴスロリですか?
やっぱり
こういう願望あったんだ……。
昔はガタイがでかくて、威圧ハンパなかった。
急がなければ
遅刻になりますぞ!
こんな感じだよな……。
今は背も経次郎より低い……。
ってか、お似合い……?
……。
ものっすごい顔で睨まれてるんですけど……。
……。
……。
……。
……。
……。
……。
……。
……。
……。
あっ……、
あの……。
……。
……。
チャイム鳴ったから……、
行こうか?
……。
……。
……。
……はい。
こいつ、弁慶だ……。