聡士に聞いてみた
聡士に聞いてみた
次の日、学校に行くと聡士を探した。
ヤツはどこだぁ~
聡士はいなかったが、彼女の方はいた。
あ……。
会いたくなかった……。
という顔をしていた。
まあ、わからなくもないわよ。
でも、そんなの気にしている場合ではない。
彼女に詰め寄る。
聡士、知らない?
し……、知らないです……。
隠し立てしなくてもいいわよ。
取り戻そうなんて思ってないし。
マジで知らないですって。
チッ
呼びとめて悪かったわね。
そう言って、去ろうとしたけど、ちょっと言わなければならないことがあったのを思い出した。
昨日のことで、
言いたいことがあるんだけど。
な……、なんですか?
私はアイドルなんてしないわ。
やるとしたら
アーティストよ。
おまけに雨乞いだってできるのよ!
は言わなかった。
言ったら変人扱いになるわ。
???
あ……、え……、
すみません…………?
余計なことで時間を取ってしまったかもしれない。
すると、今、来たばかりっぽい聡士を見つけた。
聡士!聡士!
そこにいなさい!
え?
聡士の所へ行く。
ヤツの彼女もついてきた。
あんたに聞きたいことがあるの。
何?
昨日、別れを言った女になんて、会いたくないって感じだった。
私だってそうに決まってるでしょ?被害者面してんじゃないわよ。
でも、こっちはそれどころじゃない。
アンタの前世は誰?
はぁ?
ええい、まどろっこしい!
義経なの?源義経なの?
そうよね、そうだわよね?!
違うけど……。
ウソ!!
そんなはずない!
聡士先輩は、沖田総司ですよね?
名前も漢字が違うだけだし。
義経でしょ?!
どこにそんな要素があるんですか?
沖田総司ですよ。
こんなたらしでちゃらんぽらんなヤツ、義経に決まってるでしょ!
……。
聡士先輩は、そんな人じゃありません!
あんた、どこに目ぇつけてんのよ。
先輩こそ、聡士先輩のこと、
ちゃんと見てるんですか?
!
その言葉は私に突き刺さった。
聡士(そうし)って名前だし、組長(クラス委員)だし、聡士先輩は沖田総司です!
ボク、長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)なんだけど……。
!!
!!
……。
誰、それ?!
沖田総司じゃない?!
それに、沖田は「そうし」じゃなくて、「そうじ」だよ。
知らないわよ。
そんなになよっとしてるのに、なんで義経じゃないのよ
ボクっていうか、元親は小さい頃は姫若子って言われてたし……。
その、ちょうなんとかって誰なのよ。
土佐の戦国大名だけど……。
土佐といえば、龍馬の?
時代は違うけど。
まあ、土佐は土佐だね。
やつは全然まったくとにかく
別人だった……。
……。