幽霊よりも甘味が食べたい
第9話
「第2会議室の呪い(3)」
…………
…………
…………
…………
…………
……ってなんか言えよ
ピヨ助くんの誰何に、
女の人の幽霊はただただ黙って
わたしたちを見ていた。
幽霊さんはびしょ濡れで、
ぽたぽたと止めどなく水が垂れ、
そこにいるだけで水たまりができそうだ。
参ったな、もしかして喋れないのか? さすがにそれは想定外だぞ
そうなのかなぁ?
幽霊さん、聞こえてますか?
これ、着ぐるみみたいだけどヒヨコの姿になっちゃった人間の幽霊なんですよ
なんだその紹介……間違ってはいないが
私は……
あ、喋ったよ
ゆっくりと口を開く幽霊さん。
私は……呪いの……幽霊
呪いの幽霊か。
それはそうだろうけど、怪談で出てくる死んだ作業員は、さすがに男だと思うが?
それは……
そもそもだ。
事故は本当にあったことなのか?
それは、わからない。私は……
わたしは……?
作られた……幽霊。
みんなが噂して……それで生まれた存在
むっ……そう、なのか?
怪談から生まれた幽霊……。
って、ピヨ助くんの考えてた通りだよね?
それなのに、ピヨ助くんは少し不満そうな様子だ。
確かに、怪談自体は噂から生まれたものだろうと考えていた。
だが……霊もそうなのか?
なにも無いところに霊が生まれるなんてことがあるのか?
実際……私はこうして生まれた。
だから私は、あなたのような感情はない……。
ただただ、呪われた人の前に現れるだけ
そういうものなのか……?
ね、じゃあピヨ助くんはどう考えてたの?
天井の染みに別の真実があると思っていたに決まっているだろう
別の真実……?
ピヨ助くんは、
作業員の事故は無かったと考えている。
ということは……。
そっか、まったく知られてない事件かなにかがあるんじゃないかってこと?
ほう、少しは考えることを覚えたようだな。
語られることのない何かがあり幽霊になったが、怪談が語られ続けるにつれて存在が変わってしまった
……そう考えていたんだがな
ピヨ助くんの言いたいことはわかる。
前回の経験から、
怪談にはそういう真実が
潜んでいる場合があると、
わたしは知っているから。
おかしなことを言うのね……。
私は……作られた存在。
隠された真実なんて無い……
……なんか、脈無さそうじゃない?
むっ……ハズレたか?
いやしかし……
どうやらピヨ助くん的には、
怪談自体は人の想像から生まれることはあっても、
幽霊そのものが生まれることはないと
考えているみたいだ。
それはやっぱり、
ピヨ助くん自身が幽霊だから
そう思うのかな?
うーん……あ、そうだ幽霊さん。
お名前聞いてもいいですか?
お前は毎度毎度……。
作られたって言ってる幽霊に名前なんてあるわけが
名前? 私は、みずる。
あなたたちは?
ってあるのかよっ!
驚くピヨ助くん。
わたしもダメ元で聞いたんだけどね……。
本当に名乗ってくれるとは思わなかった。
わたしは弓野佑美奈です。
こっちのヒヨコは……ピヨ助くん?
なんで疑問系なんだよ
だって本名じゃないでしょ?
……どういうこと?
なんでもない。ピヨ助で構わん。
……で? みずると言ったな。
その名前、どうしたんだ?
作られた存在なんだろ?
……さあ。わからない。
でも私は……みずる。
怪談より生み出された……幽霊
ああもういい。
俺は怪談を調査し、その真実を解明するのが目的だ。
さっきも言ったが、俺はこの怪談には隠されたなにかがあると考えている
そう……。
でも、私は怪談話から生まれた存在。
それ以外はわからないし、なにかが隠されてるとも思えない。
怪談の通りに、呪いを実行するだけだから
呪いを実行だと?
お前が呪われた人に取り憑いて驚かせているってことか?
ええ……そういうこと……
視界に入る濡れた女の人はもちろん……。
窓に手形を付けたり、
足首を掴んだりするのも、
全部みずるさんがやっている……
ってこと?
へぇ……。
あ、じゃあ昼休みに廊下が水浸しになったのって……あれも、みずるさんがやったの?
ええ、そうよ。
実はこの怪談話試したの、あなたが久しぶりなの。
だからちょっと緊張しちゃって、水で足跡付けるだけだったのに、転んで思いっきりぶちまけちゃったのよね
みずるさんは若干声のトーンを上げて、
突然饒舌になった。
思わずぽかんとしていると、
……そういえば……足首も掴んだ。
これも……怪談の通りに
……感情の無い、
ゆっくりした話し方に戻った。
…………
…………
思わずピヨ助くんと目を合わせる。
これは……。
えっと……さっきの、足音は?
あ、驚いた?
ちょっと怖がらせようと思って。
全力で走ってみたんだけど
は、はぁ。
それはものすごく、怖かったですけど
よかった、走った甲斐があるわー。
でもその後ちょっと焦ったのよ?
まさか会議室に戻ってくる人がいるとは思わなくて。
慌てて戻ってきたんだから
そうですよね……戻ってくる人なんて普通いないですよね
ああ。うちらみたいに怪談調査が目的じゃなければな
……そう。
でも……もう、これでわかったと思う。
私が呪いを実行している……ただそれだけ。
隠された真実なんて無い……
……ね、これどう思う?
ピヨ助くん
どうもこうも、感情無いなんて嘘だろ
そうだよね、と心の中で呟く。
時折見せる、
明るい雰囲気の話し方。
怪談から生み出された、
感情の無い幽霊だとはとても思えない。
おい佑美奈、いつものあれ、聞いてみろよ
いつものって……あ
ピヨ助くんの意図を察し、
わたしはみずるさんに問いかける。
みずるさんみずるさん、甘い物とか好きですか?
甘い物? 大好き!
特にチョコレートムースのケーキとか好物だったわ。
そういえば幽霊になってから、食べてないのよね
そうなんですか?
あ、普通のチョコレートならありますけど。
食べますか?
ほんと? わ、チョコレートだ!
って私が持つと濡れちゃうのよね……
ま、いいわ。久々のチョコレート!
みずるさんは嬉しそうに
わたしの手からチョコレートを受け取って、
口に入れる。
この学校の幽霊は甘い物好きが多いのか……?
女の子に甘い物好きが多いだけだと思うよ?
そうよ。
女の子は基本的に甘い物が好きなんだから。
ねぇ?
そうですよ。
もっとも、わたしは普通以上に好きです
そうだな。
異常レベルで好きだよな
よっぽど好きなのね。
それにしても、甘い物とか久しぶりに食べたわ。
ありがとね。
えっと、ゆみなちゃんだっけ?
はい、そうです。
……えっと、みずるさん
もう間違いない。
みずるさんには感情がある。
そして……記憶も。
みずるさんって……本物の幽霊なんじゃないですか?
どういう意味?
見ての通り私は幽霊だけど……私は……
話している途中で、
みずるさんの表情がふっと消える。
意味……わからない。
私は……幽霊。
作られた……幽霊
そしてまるでスイッチが消されたかのように、
無感情な喋り方に戻ってしまう。
ふむ……。
なんとなく、わかってきたぞ。
おい、みずる
……?
ピヨ助くんはずいっと前に出て、
みずるさんを指……羽で指す。
これまでの会話で、お前には感情があると確信した。
そして生前の記憶があることも間違いない
つまりだ!
お前は怪談から生み出された幽霊などではない。
なにかがあって死んでしまい、幽霊となったんだ。
元はちゃんと人間だったはずだ!
う……うそ、でも……だって、私は……
あれ……?
わたしもピヨ助くんと同じことを考えていて、
もう間違いないと思っていた。
きっと最初にピヨ助くんが推理した通りで、
なにか隠された真実があるんだと思う。
でも……
ピヨ助くんがはっきり指摘しても、
みずるさんは認めようとしない。
しらばっくれても無駄だぞ!
お前のその、甘い物が好きという記憶はどこからきた?
あ……そうよ、私は確かに甘い物……チョコレートムースのケーキが好きで……あれ……
みずるさんは頭を抱えて、
辺りをきょろきょろと見渡し始める。
ね、ピヨ助くん、これって……ちゃんと記憶があるわけじゃないっぽいよね?
むぅ……
語られてないなにかがあるにしてもさ、みずるさんから話を聞くの無理なんじゃない?
……そうだな。
しかし他にアテが無い。
これでもかなり調べたのだ。
その結果、語られていない真実があると考えたんだが……
そう言ってピヨ助くんは手帳をめくり始める。
確かに、隠された真実があるにしても……
他に見つけ出す方法が思いつかない。
今のところそれらしい手がかりも無い。
私……私は……どうして……ここにいるの?
あ……ううん、怪談の……天井の染みの……呪いだから……。
私は……呪いに……
呪い……か。
いや、待てよ?
あ、もしかしてなにかわかった?
ああ……どうやら、少し難しく考えすぎてしまったようだ
どういうこと?
それをこれから説明してやる。
……おい、みずる。
お前も俺の話を聞け
あ……ね、ねぇ、私って……一体?
この記憶……ああダメ、思い出そうとすると…………まるで頭の中で雨が降ってるみたいに、なにも見えなくなっちゃう……
うむ……。
いいか、まず前提として、お前は、元人間だ。
死んで幽霊になったんだ
私は……幽霊。
人間……だった
お前がいつ幽霊になったのかはわからない。
だが、死んだ理由は予想が付く
そ、そうなの?
私は……どうして……死んだのよ……?
それはな
ピヨ助くんは、羽で天井を指す。
この第2会議室の、天井の染み。
その呪いによってだ
え……?
あっ、もしかして呪いの被害者……?!
例えば、怪談に出てくる生徒。
車道に飛び出して死んでしまったあの生徒が、
幽霊となっていたら……。
呪いの……被害者……
そうだ。
お前は怪談を試してしまい、本当に呪われ、死んでしまった。
しかし呪いはそれで終わらなかったんだ
呪いが終わりじゃない?
それってまさか……。
…………!!
わたしはその怖ろしい答えに気付いて、
青ざめる。
呪いで死んだ人間は、怪談に縛られる。
怪談に登場する幽霊となって、この世に残り続けるんだろう
そん……な……
でも、それならみずるさんの状態に納得がいく。
無感情な話し方をすると思ったら、
感情豊かに明るく話し始めたり、
甘い物に反応し、
自分の好物を思い出したりする。
だけどそれは、
みずるさん自身には自覚が無い。
怪談に縛られているせいで、
はっきりと思い出すことができなくなっているんだ。
怪談に引っ張られ、
自分の感情も記憶も……
雨に流されるようにして消えてしまう。
だったら……私は……。
私はどうすれば……
……そうだな。
みずる、お前が怪談の幽霊だと言うのなら、その役目を終える方法が一つだけある
本当……?
ああ。簡単な話だ
ピヨ助くんはわたしの後ろに回り、
とんっと背中を押す。
今、呪われているこいつを……
ぴ、ピヨ助くん?
……助けてやれ
ゆみなちゃんを……助ける?
そうだ。怪談の内容に反することをする。
つまり、佑美奈の呪いを解く。
そうすればきっと、お前もこの呪いから解かれるはずだ
ゆみなちゃんの呪いを解くのは……私でも、できると思う
ま、待って!
ピヨ助くん、本当なの?
本当にそれでみずるさんは呪いから解放されるの?
ああ。
……佑美奈。例えば俺が、怪談調査をやめると言ったら、俺はどうなると思う?
それは……確か、ピヨ助くんは怪談調査がしたいっていう、執念で幽霊になったんだよね?
それをやめたら消えて……あ
そうか、怪談の内容に反することをする、
というのは、そういうことだ。
つまり……。
え……じゃあみずるさん、消えちゃうの?
当然、そうなるな
き、消えたあとはどうなっちゃうの?
正直……それは俺にもわからない。
消滅するのか……成仏するのか。
だからみずる。
その覚悟があるなら、佑美奈の呪いを解くんだ
私は……
それをすれば、消えてしまう。
成仏ではなく、消滅の可能性がある。
悩むことなんてないわ。
ゆみなちゃん。
私はあなたの呪いを解くわよ
みずるさんは、あっさりとそう答えた。
みずるさん……
だって……わかっちゃったし。
私は作られたんじゃない。
呪いで死んでしまった人間だったんだって。
でもね、ゆみなちゃん。
あなたはこんな呪いで死んじゃダメよ。
私みたいになっちゃダメ。
……それにね?
みずるさんは私の目を見て、笑顔になる。
なにより、あなたを殺したくなんかない。
チョコももらっちゃったし、ね?
気が付くと……。
水浸しだったみずるさんの足下が乾いている。
みずるさん自身、もう水で濡れていなかった。
ああ……最後に食べたチョコレート。
美味しかった。
私はもう、未練なんてない。
ゆみなちゃん。
……それから、ピヨ助くん?
本当に、ありがとう……
窓から光りが差し込み、みずるさんを照らす。
みずるさん……!
さようなら。
……呪いは、私が消えたら解けるわ。
だからもう、こんな呪い試したらだめよ?
そう言って、みずるさんは部屋の窓を開け放つ。
長かったなぁ……。長かったのよね?
いったいどれだけの時間こうしていたのか、もう思い出せない。
……どれだけの時間、私が私を見失っていたのかわからない。
でも……やっと、私は……みずるとして……
みずるさんが窓から身を乗り出して、
両手を広げると……
ふっと、その姿が光と共に消えてしまった。
代わりに、涼しい爽やかな風が、
ふわっとわたしの頬を撫でる。
……消えちゃった。
みずるさん、成仏できたのかな……
さあな。
だが、あんな清々しく消えていったんだ、消滅ではなく成仏できたんじゃないか?
……そうだよね。
うん、そうだと思う
わたしは少しの間黙祷をして、
第2会議室を後にした。
ふー、なんとかお前の呪いも解けたし、怪談調査は完了だな
あ……そういえばこの怪談、無くなっちゃうの?
みずるが消えて、呪いは無くなった。
しかし、怪談自体は無くならないぞ
えぇ? どうして?
どうしてって、そりゃそうだろ。
怪談ってのは、本当に呪われるかどうかは問題じゃない。
その話を聞いて怖いと感じるかどうかだからな
でも、長く語られることで本物の呪いになったりするんでしょ?
ああそうだ。
……だから、いつか復活するかもしれないけどな。呪いが
うぅ……もう、怪談って迷惑だなぁ
今回は、作り話から生まれた呪いの怪談だった。
最終的に呪いは無くなったのに、
でも怪談は残り続けるという。
本物になったり、作り話になったり……
怪談って、ややこしいというか……
ちょっと、いい加減じゃない?
怪談は、そもそも人が話す噂話だからな。
そんなもんなんだよ
……肝に銘じておくよ
ま、とにかくだ。怪談は無くならない。
怪談調査は無駄にはならない
こんな怖い呪いの怪談、記録に残さず消し去るべきだと思うんだけどなぁ
もっとも、それを言ってしまうと
ピヨ助くんの存在を否定することになってしまうけど。
あ、最後に一つだけいい?
気になってたんだけど、天井の染みって結局なんだったの?
天井を通ってる配管の水漏れだ。
水漏れ自体はだいぶ昔に直したようだが、染みは数年前まで放置していたようだな
数年前ってもしかして、5年くらい前?
俺が染みを見ていると思ったからか?
確かに実際に見たが、張り替えが行われたのは7年前だ。
俺が1年の時だったな
ふぅん……
ピヨ助くんが死んだのって、
3年生の時だったんだ……。
それにしても佑美奈、最初はかなりビビってたのに、途中で急に落ち着いたよな。
なんだったんだ、あれは
え? う、ううん?
なにもないよ?
……ただ、自分を取り戻しただけだから
なんだよそれ
ピヨ助くんの言う通り、
わたしは最初すごく怖がっていた。
だけどあの時意識が遠のいて、
聞こえてきた声のおかげで、
わたしは落ち着くことができた。
あの時の声……話の内容。
はっきりと覚えている。
あれってやっぱり……。
わたしはピヨ助くんをじっと見る。
ん?
……あ、そうそう『九助』くん。
報酬のドーナツは?
ああ、まぁ待て。
明日でもいいか?
えっ……
なんだよその反応は。
疑ってるのか?
ちゃんと出してやるって
それは信じてるけど……
ピヨ助くん、今の……気付いてない?
安心しろ、ちゃんと2つ出してやる。
ただし、1つは次の……
あ、今回は報酬ドーナツ2個ね!
危険手当ちょうだいよ!
うっ……
ちっ、まぁ仕方ないな。
……確かに今回は、調査が足りていなかったようだ。
危険な目に遭わせて悪かったな
ピヨ助くんはそう言ってそっぽを向いた。
わたしは、
素直に謝ってきたピヨ助くんに驚きながら、
その横顔を眺める。
名前のことは……そのうちでいっかな?
わたしはぽんっとピヨ助くんの肩を叩いた。
ね、このあとちょっと駅前の喫茶店に付き合ってよ。
ケーキ食べたい!
は? 一人で行けよ。
なんでいきなりケーキなんだ
やっぱり怖かったからね。
ケーキ食べるの1人じゃ寂しいし
お前な……。
ていうか、それ、どういうことかわかってるのか?
うん。
学校から出る場合、ピヨ助くんはわたしから離れることができないんでしょ?
そう、それがピヨ助くんが学校外に出る条件。
取り憑いているわたしから
一切離れることができない。
わたしの側にしか存在できないのだ。
食べ終わったら、ちゃんと学校に戻ってピヨ助くんは帰すからね
わかってるよ。
そうしてくれなきゃこっちだって困る
そうしないとわたしは、
トイレもお風呂も入ることができない。
だから今回の怪談調査では、
どうしてもこの手は使いたくなかったのだ。
それじゃ、決まり。
喫茶店にゴー!
いいけどよ……ほんと、俺が行く意味あるのか?
周りからは結局一人でケーキ食べてるようにしか見えないんだぞ。
会話だってできないだろ
電話してるフリするから大丈夫だよ
わたしはそう言いながら靴を履き替え、
校舎を出る。
さっき一度雨は止んだみたいだけど、
また降り始めたようだ。
傘を開いて……
ふと、わたしは思い出す。
そういえば……怪談の呪い。
全部みずるさんがやってたって言うけど……
廊下で聞こえた、あの激しい足音。
みずるさんは、全力で走ったと言っていた。
でもあれ、絶対1人の足音じゃなかったよね……?
そもそも。
この第2会議室の呪いを試して、
そして死んでしまったのは……
みずるさん1人だけなの?
わたしは校門を出た辺りで立ち止まる。
視線を感じ、振り返って校舎の窓を見ると……。
…………ひっ
校舎の窓という窓に、
いくつもの人影が見えて……消えた。
どうした? 佑美奈
な、なんでもない。
早くいこっ
どうやら。
この怪談が無くなることは、
しばらくないみたいだ。
「幽霊よりも甘味が食べたい」
怪談「第2会議室の呪い」編 完
……続く