アマテラスが岩屋の中に引きこもると、太陽神を失った『高天原』と『葦原の中つ国』は一瞬のうちに暗闇に包まれてしまった。
急に辺りが真っ暗になり、恐ろしくなった神々は、五月のハエみたいにギャーギャーうるさく騒いだ。すると、その恐怖に吸い寄せられるかのように悪神、悪霊が増え、災いが絶えなくなってしまった。
困り果てた八百万の神々は、天岩屋戸近くの河原に集まり、緊急会議を開くことにした。
しかし、話せど話せど良いアイディアは出てこず、話し合いは平行線を辿る。
その間も悪霊は増え続け、危機感を覚えた八百万の神々は、オモヒカネに全てをゆだねることにした。
オモヒカネは普段からよくアマテラスのサポートをしているし、何より高天原に住んでいる神々の中で一番頭がいい。
彼は腕を組んでしばらく考えると、今度は八百万の神々にテキパキと指示を出しはじめた。