2次会を断り、予約していたカフェに向かうみっちゃん、めぐちゃん、私。
みっちゃんも、めぐちゃんも、理性と常識のある大人の女性。
予約していた上品なカフェで、汚い悪口なんて一切口にしません。
(めぐちゃん)「結婚式はするの?」
(みっちゃん)「お互いの仲の良い友達だけ呼んで、簡単なパーティーはするつもり。新婚旅行を豪華にしたくてさ。」
(私)「みっちゃんの会社、ハネムーン休暇あるんだもんね!どこ行くの?」
(みっちゃん)「マルタが気になってるんだけど、まだ迷ってるんだよねー。」
事前に予約していたお祝いのケーキにも喜んでくれたし、おしゃれなカフェにふさわしい会話でやり過ごしました。
そして…長い夜が始まります。
ヒモはすでに寝ているとのことだったので、近くのコンビニで数種類のお茶とおつまみを買ってみっちゃん宅へ。
女の悪口大会に、アルコールなんていりません。
(めぐちゃん)「もう我慢できないから早速本題入っていいよね。」
(みっちゃん)「当たり前じゃん、そのつもりで誘ったんだから。」
(私)「涼子ちゃん、すごかったよね…」
(めぐちゃん)「すごかったなんて生易しい言葉では片づけられないわ、あれは。あの子、学生時代から何かとうちらに張り合ってきてたよね。」
(みっちゃん)「うん。学生時代から彼氏のスペックがどうだとかでよくいちゃもんつけてきてたしね。」
(私)「二人のこと羨ましかったんだろうね。私のことはわかりやすくなめくさってたけど。」
(めぐちゃん、みっちゃん)wwwwwwwww
ここで、大学時代のことを少し説明します(東京都内の大学でした)。
みっちゃんとめぐちゃんはスポーツ推薦で大学に入っているため、部活内でもエースとして華々しい成績を残していて、学生時代の彼氏は他校のイケメンだったり、誰もが憧れる部活の先輩でした。一方、私は万年補欠要員で、学費免除の特待生制度を4年間フルで使うために、正攻法では間に合わず、教授へのゴマすり作戦を頻繁に決行しながらバイト三昧の日々。
私にとっては、気の置けない友達もできて、やってみたいバイトも全部やって、スポーツや勉強に打ち込む時間もあって、充実した学生生活だったのですが、こう文章にすると悲哀溢れるガリ勉苦学生のような日常が思い浮かぶかもしれません。
少なくとも、2年後輩の涼子ちゃんには、何の彩もない生活に見えたのでしょう。
「さぼさんあんなに練習頑張ってるのに、毎回大会に出られなくて可哀想です~私、監督にそれとなく言ってみてあげようかな!」
「さぼさん、今日もバイトなんですか?可哀想~~~」
「みっちゃん先輩とめぐ先輩みたいな方と一緒にいて、惨めになっちゃったりしません?心配です~」
周りがちょっと気を使うくらい、私のことを見下した態度が多く、少しずつ神経がすり減ったことを覚えています。
(めぐちゃん)「本当、うわべしか見てないんだろうなぁって思ったよ。自分がうわべだけの人間だから。」
(みっちゃん)「うちらはスポーツ推薦で勉強できないし、輝けるのは部活だけだったのにね。自分がみてる側面でしか判断できなかったんだろうね。今もあの子、非常勤の医療事務かなんかしてるよね?医療事務自体は立派な仕事だけどさ、あの子の場合は本当は25歳くらいでイケメン医師と結婚して寿退社する想定だったんじゃないの?」
(私)「わかる。最近の集まりでは特に、自分の思い通りにならない世の中への不満を我々にぶつけてきてる感あるよね。」
(めぐちゃん)「本当それ。うちらもいい大人だし、あんなの相手にしないのが一番なんだろうけどさ。こっちだってそこまで心の余裕を持てるほど、いいことばっかりあるわけじゃないんだよ。」
(みっちゃん・私)「わかるよ!!!」
エンジンがかかってきた女三人。
ウーロン茶片手に、大人のレディとしてあるまじき発言が飛び交う悪口大会が始まります。