「彼氏さん、無職なんですか!???」
恍惚の表情で、わざとらしい大声を出す涼子ちゃん。
「なんでなんでー?リストラとかですか?」
「無職っていっても、一時的ってことですか?正社員じゃないとか?フリーターみたいな感じですか?」
活き活きとした表情の涼子ちゃん。
大好なスイーツバイキングで「ショートケーキにする?それともタルト?」と興奮している時と同じようなテンションで、みっちゃんに質問をどんどん投げかけます。
みっちゃんは極めて冷静に返答。
「しばらくは働かないと思うよ。私は仕事忙しいから、向こうが下手にストレスたまる仕事して家事とかおろそかにされる方が困るし。」
「ええー!?それじゃぁ彼氏さん、ずっと家にいるってことですよね?信じられないです!そんなのいくらイケメンでも私だったら許せないです!!みっちゃん先輩って、すっごく優しいんですね!!!」
優しいみっちゃんが、今にもキレそうな顔をしている横で、先に堪忍袋の緒が切れたのは、同じく仲良しグループのめぐちゃん。
(めぐちゃん)「ていうか、みっちゃんの彼氏なんだからさ、涼子が許すとか許せないとか関係なくない?涼子はその彼に選ばれてないんだから。」
(涼子ちゃん)「えーでも、私は過去にそういう方から告られても断ってきましたよー!」
(めぐちゃん)「それは涼子が、みっちゃんほど稼いでないからでしょ。みっちゃんみたいな高給取りにとって、お金って必須条件じゃないんだよ。」
(涼子ちゃん)「確かにみっちゃん先輩はすごいと思いますけど、やっぱり子供ができた時とか不安じゃないですかー?私今、年収800万の方に言い寄られてるんですけど、それでも年俸制の会社でボーナスとかないと不安なので、ちょっと迷ってるくらいですもん!!!」
最後のカードを切ったであろう涼子ちゃんに向かって、みっちゃんが言い放ちます。
(みっちゃん)「うちの会社、産休育休制度しっかりしてるし、全然暮らしていけるよ。私も年収1000万円の人とかとデートもしたけど、プライド高すぎて合わせるのに疲れて振っちゃったんだ。だから色々見た上で彼を選んでるから大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」
勝負あり。
と、思われた瞬間・・・
(涼子ちゃん)「えーんごめんなさぁい…お姉さま方に怒られちゃいましたぁ…」
は?
オコラレチャイマシタ?
一部始終を見ていたはずの男どもは、
「なにむきになってんだよ~涼子ちゃんが可哀想だろ」
「いいじゃんいいじゃん、おめでとうってことで!涼子ちゃん、デザート頼む?」
と、涼子ちゃんに気を遣っている。
茫然と顔を見合わせる女3人。
(私)「この後、〇〇カフェ予約してるんだけど…居酒屋にする?」
(みっちゃん)「いや、せっかく予約してくれたから、〇〇カフェには行くよ。ただ、その後うちで飲みなおそう。話題のヒモにおつまみ準備させとくから。」
次回、恐ろしい女同士の悪口大会が幕を開けます・・・