ちょうど婚活を始めたばかりの頃、大学時代の部活仲間、みっちゃんの結婚が決まりました。
結婚願望が強い友人だったので、電話で報告を受けた時には飛び上がるほどうれしかったです。
ただ、気になることが一点。

(私)「相手って…あの…」
(みっちゃん)「そうだよ。あのヒモ。」
(私)「あ…」

そうです。みっちゃんは大企業でバリバリ活躍する高給取りのため、男の金に頼る気はありません。
そのため、顔とスタイルだけは完璧なヒモ男を2年程、飼育していたのです。

「子供はきっと可愛いだろうし、ヒモとしての立場をわきまえて生意気なことも言わないから、意外と楽なんだよね。他のちゃんと働いてる人ともデートしてみたけど、私もプライド高いから、張り合っちゃってしんどくてさ。」
と笑うみっちゃんに、本当に迷いはなさそうでした。
ヒモがヒモとしての責務を全うしていて、彼女が幸せなのであれば、私にいうことはありません。

(私)「本当におめでとう!お祝いしようね!」

そうして部活で仲良くしていたメンバーで集まろうと、お祝いの日程を決めようとするも、なかなか都合が合わず。

結局定期的に行われる部活の飲み会で、プレゼントを渡して帰りに軽くデザートでも食べに行こうという話になりました。



飲み会当日。

前座として、熟女に狂った元カレの話でひとしきり私がいじられた後、みっちゃんのおめでたい発表となりました。

※熟女フェチの元カレについては、過去記事で紹介しております。

「背が高くて、イケメンなんだよ!」

「年下だったよねぇ?」

「ご飯も作るの得意なんでしょー?」

特に意図的に隠していたわけではないのですが、みっちゃんと仲の良い私含む友人は、ヒモという事実には一切触れず、みっちゃんの彼氏のことを持ち上げます。



しかし、そこであからさまに不服そうな顔をしている女子が一名。

「彼氏さん、お仕事は何されてる方なんですか?」

マネージャーの涼子ちゃんでした(自称米倉涼子さんを甘くした感じ、ということでしたので、涼子ちゃんとします)。

私の部活は、女子と男子でほぼ別々で練習していて、マネージャーもそれぞれ別。涼子ちゃんは、男子の方のマネージャーさんです。



涼子ちゃん、大学時代から部活内の男子にはちやほやされていましたが、何かと私達に張り合ってくるところがありました。



(みっちゃん)「仕事はしてないよ。今は専業主夫してくれてる。」

(涼子ちゃん)「ええっ!????」



この瞬間の涼子ちゃんの表情に、私は恐怖を覚えました。

純粋に驚いたていを装ってはいますが、今にも笑いだしそうな満足げな表情に、水を得た魚のようにキラッキラし始めた瞳。

女性であればわかるはず。自分よりも先に幸せになった女性に突き付ける、最高の矛を手に入れた時の、あの表情です。

向かいに座っていたみっちゃんと、ちらりと目が合いました。
彼女も、覚悟を決めた様子。


さぁ次回、マウント合戦、開戦です!!!

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