継母である私にはいつもどこか他人行儀な連れ子たちですが、





彼女たちが誰よりも心を許しているのが、





遠方に住んでいながらも連れ子たちを異常なほど甘やかしてくれるじいじとばあば(義父母)。







またじいじとばあばにとって連れ子たちは、





唯一の孫であり、元嫁が出て行ったことで「多感な時期にママを失ったかわいそうな子どもたち」という同情も相まって、





常に過干渉なまでに首を突っ込まなければ気がすまない存在。





特に義父は、いわゆる団塊の世代、思い込みが強くなんでも自分の思い通りにならないと不機嫌になる



めんどくせぇオレ様とても世話焼きなじいじ。



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ごはんは3食きちっと食べさせなきゃダメだろう!



お小遣いが足りていないんじゃないのか?



しっかり愛情を注いでいるのか?



本当のお母さん(元嫁)がいないんだからピロコさんがしっかりしてくれないと!



元嫁にもちゃんと連れ子たちの写真とか送ってやってるのか?



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こんな感じで、





「正論のようで明らかに私の守備範囲外のこと」





まで事細かに、とやかく言ってくる人なわけです。









とはいえそれにはもちろん原因があって、





うちの連れ子たちがことあるごとにじいじやばあばに電話しては、





「きっと私が悪かったんだと思うけど…ぐすんモジモジ…」





という枕詞をつけて、





やんわり遠回しに私のグチを義父母にチクる相談することが発端となっているんですけどね真顔







そして可愛い孫たちのヒーローになりたい義父は、





孫をいじめる(いじめてないけど)継母にはきつく物を申し、



孫が欲しいと言うものはなんでも秒で買い与え、
限定品やレア商品なら知人友人親戚に協力を依頼してなんとしてもそれを入手し、
お金が足りないといえば小学生なのに5千円とか1万円という大金をポンと渡し、
必ず最後には
お前たちにはこのじいじがついてるからな!!
と「じいじのおかげ」感を盛大にアピールすることを忘れないんです。

ある日、
そんなじいじから私の携帯に1本の電話が来ました。
いつもなら孫たちと話したい一心で家の電話にかけてくるのに、どうしたんだろうと思ったら、
じいじからとんでもない発言が飛び出して来たんです

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実はAちゃん(連れ子姉)がなぁ、毎日寝るときに床に布団敷いてるだけだと寒くて眠れないって言うんだよ。
まさか板の間に”せんべい布団”一枚で寝かせたりしてないだろうな?
寒くて眠れないなんてかわいそうじゃないか。すぐにベッドを買ってやってくれ。

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は?

何を勝手なことを。
”せんべい布団”でなんか寝かせてませんし、寒くないようにしっかりカーペットも敷いて、敷布団はフカフカのやつを2枚敷いてますけど。

「ベッドを買ってやってくれ」ってアンタね。
ベッドを置くスペースとか、
妹Bちゃんとの兼ね合いとか、
成長期だからどんな物を選ぶかも一番難しい時期だとか、
こっちの都合は完全におかまいなしかよ

こちらとしても、状況が全く見えていないじいじの言いなりになって
Aちゃんにベッドを買い与えるのはおかしいので、
ダンナとも相談した上で
まだベッドは買わない
と言う結論に至りました。

がしかし、
それでは「頼りになるじいじ」の名に傷がついてしまう義父はおさまらない。

なんとしてもベッドを買ってAちゃんを喜ばせなければ気がすまない義父は、
すぐに遠方からはるばるやってきて、
「Aちゃんのベッドを買いに行くぞ!!家具屋に連れていけ!」
と大張り切りで私たちを家具屋さんに強制連行したのです。

私も義父の強引さや押しの強さはわかっていたので、
ここはもうじいじにベッドを買ってもらって、クソ狭い部屋に置いて寝てもらうしかないなと腹をくくりました

家具屋について、Aちゃんはいつになくキャッキャとはしゃいで、小動物のようにぴょんぴょん跳ねながらベッド売り場に走って行きました。
いつもはそんなことしないのにね…

Aちゃんが選んだのは3万円ほどのシンプルなベッド。
じいじを上目遣いで見ながら、
「これにしゅる」
と赤ちゃん言葉まで飛び出す小学生と義父の茶番に
私はヘドが出そうにちょっぴり呆れてしまいました

で。
前置きが長くなりましたが、問題はここから。
買うベッドが決まってレジでお会計をする段になると、
義父はスッと後ろに下がって、孫たちと楽しくおしゃべりをしているじゃないですか。
えっ!!
払う気ない感じ…?

あんなに張り切って、
「いくら言っても親が動かないからじいじが来てベッド買ってやったぞ」
みたいな空気感出しておいて、
金、出さないつもり??
まじかよ…

でも、いくらなんでも買うつもりじゃなかったベッドに3万円も出したくないと思った私は、
「お義父さんすみません、お願いできますか」
と勇気を振り絞って呼んでみた。

すると義父の顔からさっきまで孫たちに見せていたデレデレの笑顔が一瞬で消えて、
歩きながら
「え、なに?どうかしたの?」
と訝しげな顔。

私が「あの…お会計なんですけど…」
と言ったところで義父は、
「Aちゃんは君たちの娘だろう?
親が買うのが当たり前だろ真顔」
と冷たい目で私に言ったのです。

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た、たしかに義父は、これまで一度も
「ベッドを買ってやる」
とは言っていなかったのです。

あくまでも「買ってやれ」と言っていただけであって、
最初から自分が払うなんてつもりは、さらさらなかったようです。

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孫がかわいくて仕方ない世話焼きのじいじ。
自分のおかげで孫が喜ぶ姿を見るのが何よりの楽しみなのはわかりますが、、






口を出すなら金も出してくれ〜

口は出すが金は出さない義父

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