第一夜の仕事が終わり、エベレッタは天界に戻ってきた。
「嬉しい……あれが歓喜の涙……」エベレッタはサラの笑顔がまだ頭から離れていなかった。
何かわかりそうなムズムズを抱えながら、最高神様の屋敷に報告に行っているところだった。
「エベレッタ!」「うわッ!」突然一人の天使が抱きついてきた。
「ちょっとやめてよ、ルークリフ……」
「ちょっとしたいたずらだろう?」と爽やかな風を纏いながら話すのは、風の天使の中でも三番目の階級である「ウィンズ」の天使ルークリフだ。
(なぜこのような高階級な天使とエベレッタが知り合いなのかはまた今度話そう。)
「何か私に用?」
「それがすごい情報を手に入れたんだよ……先代のトレインの車掌さん…もう一度常世にいく予定らしい。」
「え……アリハイムが?」
天使というのは輪廻を抜け出した者のなかで稀に選出されてなれる、つまり天使は全員あとは皆と同じく星になるか、神になるかのどちらかであり常世に降り立つことなど不可能なはずなのだ。
「何かそれほどの事情があったのだろうか……」
「まぁ、理を変えてしまうようなことをするということは何かあったんだろうな。」
エベレッタはふと思い出したアルハイムのセリフの意味も考えてみたが真相は分からずじまいだった。