「私ちょっとお手洗い寄ってくわ。先行ってて」
手を洗ってると鏡に白い渦が映ってることに気づいた咲。
「ええ、わかってるわ」
それは咲が呪いにかかってあと命わずかで消えかかっていたとき、空狐が現れて生きながらえさせてもらえる代わりにある条件を満たすこと。人間を一人幸せにすることだった。
「決まったわ。でもね、あの子一人だけじゃない。蓮夜も春雷も幸せにするんだから」
このことは他の誰も知らないことだった。
「できるわよ。春雷の力と合わせればね。3000年に一度生まれる伝説の白虎がどれほどの力かはわからないけど」
すると白い渦、空狐はすーっと消えていたくなった。