コミックコミックの仕組みとして、実はランキングがそれほど重要ではないこと。
それよりも読者アンケートの結果が大事なことなどがわかった。
私の作品はさほどランキングが高くないが、毎回打ち切り作品候補に名前が挙がることはなかった。
しっかりと固定ファンがついており、読者からのリアクションがあれば打ち切りレースには参戦しないらしい。
少なくとも担当から聞かされる限りは。

しかし、100%読者の投票が投影されるランキングではない以上、どこかでその不透明さが感付かれてしまうものだ。
ある作品は、私と同様に決してランキングは高くなかった。下から数えた方が早いくらいだ。
しかし丁寧な作風にはコアな固定ファンがついており、爆発的な人気がない代わり炎上もしない平和な作品だった。
その作品に気になるコメントが書き込まれた。

「ランキングが少しでも上がるように投票ボタンを押したら逆に数値が減った」

そんなわけないだろうと思った。
しかしある時、マイページで読者の動きをチェックしていた時だった。
作家専用のマイページでは、読者が投票した数字が確認できる。
投票制なので増えることはあっても減ることはない。マイページを更新すれば、最新の数字になる。

ブラウザを更新すると、先程までの数字から数票減った数字が表示された。
何度も言うが、投票制なので増えることはあっても減ることはない。
なのに、数字が減った。

例えばさっきまで300票だったとすると、時間の経過と共に290票になっているような状況だ。
しかしこれは、見間違いかもしれない。
ところが他の作品を見ると、

「投票ボタンを押したら3票も減った!」

というコメントが寄せられていた。

これはどういう事なのか。
ランキングが低い作品は上に上がってこないように、数字を操作して投票数が増えないように細工してあるのか。
いくらアンケート重視とはいえ、読者の純粋な応援を細工して正しい結果に導かないのは不誠実ではないか。

更に読者の不信感を増やすような出来事があった。
大量アンチを抱えている低評価な作品の数値が、たった一晩で一気に跳ね上がったのだ。
いくらなんでも一瞬で大幅に数値が変わるわけがない。
投票というのはじわじわ増えるのが自然だ。
作家が見ても読者が見ても、

「ああ、運営が数字をいじりましたね」

とわかるほど露骨だった。
この手口が読者の怒りを買った。
あからさまに不正だとわかるのに、不自然に投票の数値を変えるコミックコミックの運営に批判が増え始めた。

同時に、「ランキング上位に置いて貰うことすらない、いつも下の方に固定されている作品」の作者は、常に惨めな思いを抱えていた。
どんなに一生懸命描いても、運営がランキング上位に置いてアピールしたい作品でなければファンの応援も関係なく、ずっと目立たない位置に追いやられ続けるのだ。
努力や読者の応援ではなく、「運営がその作品を推そうとしているか」が決め手なのだ……。

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