僕はこのデートの最後に告白すると決めていた。

 彼女のイルカショーを見届けたあと、僕たちはまた公園へと戻る。彼女がブランコに乗りたいと言い出したから。だからその公園でもう告白することにした。
 
 公園に近づくごとにドキドキが大きくなる。声も震える。でも言う。僕ならできる。そう言い聞かせた。
 
 公園に着くと同時に、何故か彼女が泣き出した。
 恐らくブランコにもう子どもがいたからだ。
「目にまつげが入った」
 違うかった。
「顔、洗ってくる」
 と彼女は便所へと向かった。僕は待つ。

 ちょっと間して彼女が戻ってきた。顔が真緑になっていた。
 訊くと、どうやら機嫌が良いと顔が緑色になるらしい。機嫌良いんだ。
 それなら、と思い今このタイミングで僕は告白することにした。




「好きです。付き合ってください!」




 僕は震える声のまま、そう言った。
 すると彼女は、


 
 首を斜めに振った。 

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