●相談内容(ガチムチ野郎から)
ヤマアラシとハリネズミがなぜ仲が悪いのか調べて欲しい。
→同じモルモット?のモルタンを好きになった事による痴情のもつれと判明
私にはレベルが高すぎる事実が判明し、再び自室で話し合いを行う私(人間)とハリタン(ハリネズミ)とブラックホール(ヤマアラシ)。
私は一応スキル【トリオ芸人のツッコミ】を発動。会話を始めました。
『えっと・・・とにかく、モルタンの気持ちを確認した方がいいんじゃないかな?』
このままでは収拾がつかないと思い絶望のどん底にいる私は、そう提案をしました。
『なに言ってんのよ!今更確認するまでもないでしょ?』
『は?何言ってんのこのチンチクリンのチビ!』
『あなたこそ何言ってんの?あんたみたいな無駄に図体でかい奴が好かれるわけないでしょ!』
『・・・・あの・・・2人とも外見を揶揄するのはやめようよ・・』
私の仲裁を無視して更にお互いに罵声を浴びせ続ける、めんどくさいハリタンとブラックホール。
『大体そんなでかい図体して、小さいモルタンを好きになるなんてキモイったらありゃしない。子供作りだって物理的に出来る訳ないじゃない!』
『は?あなたなんかモルタンよりもっと小さいじゃない!それに背中に針があるのにどうやって子作りするのよ!』
『あの・・・針はお互い様なんじゃないかな?』
『あと、私まだ中学生なんですけど・・生生しいセクハラ発言はやめてくれると助かるんですけど・・・』
『うるさいわね!恋もしたことないおこちゃまは黙ってて!』
『そうよ!誰かを好きになってから出直してらっしゃい!』
『・・・・・・』
(そんな事言われてもなあ・・・・ほんとめんどくさい・・)
とりあえず私はガチムチの妹ちゃんに電話をして、迎えに来てもらう事にしました。
(もうどうなってもいいから、モルタンにどちらが好きかを確認して決着つけよう)
ここは最終判断をモルタンに委ねる事にしました。
30分後
ガチムチ野郎の運転する車で妹ちゃんと三人+ハリタンとブラックホールでカレー屋に向かいました。
『今日はすまなかったね。友美ちゃん何かわかった?』
ガチムチ野郎は笑いながら私に聞いてきました。
『・・・・その・・なんと言うか・・やきもちと言うか、奪い合いと言うか・・』
『え?どう言う事?』
『オスのモルモットに対してのやきもちと言うか・・・なんと言うか・・』
妹ちゃんも話しに入って来ました。
『モルタンの奪い合いって事なんじゃないの?お兄ちゃん』
『ああそう言う事か。要はハリタンもブラックホールもモルタンが好きだから、争ってると言う事か。動物も女ってのは嫉妬すると怖いねーガハハハハ』
(ガチムチ・・・女をわかった様に語るんじゃないよ・・あと、そのガハハ笑いやめて欲しいんですけど・・・)
『まあでも残念だけど、モルタンにはもうお嫁さんいるからな』
『え?どう言うことですか?』
『あのね友美ちゃん。実はモルタンはハンコ屋さんのスタンプちゃんと結婚する事になってるの』
『スタンプちゃん?』
『うん。ハンコ屋さんのモルモットのスタンプちゃんだよ』
『・・・・・・・・・・』
(は?ハンコ屋だからスタンプって・・・とんち問題にもなってないよ・・・)
『ああ。そうなんだ。交配させる事になってるんだ。でも知美ちゃんのおかげだよ』
『え?』
『友美ちゃんがイグラシオンを連れて来てからコミュニティ内でハンコ屋さんと個人的に仲良くなって、同じモルモットを飼ってる事がわかって交配させる事になったんだよ』
『・・・・・・』
(イグッチ・・あんたそんなわけわかんない名前だったのね・・たしかにハンコ屋さんは私繋がりだけど・・)
『そうですか・・まあそれなら仕方ないですよね』
私は相談の解決にホッとしたしたのもつかの間・・。
ふと後ろの荷台を見ると
ハリを全開に逆立たせて烈火の如く怒りを露にして私を睨みつけているヤマアラシのブラックホール・・・。
同じく般若の如く怒りを露にして私を睨みつけ、針を逆立てているハリネズミのハリタン・・。
(え?私のせいなの?・・・ちょっとそれはお門違いなんじゃ・・・)
私はその二匹の恐怖の視線を感じましたが、全く自分には非がない事を言い聞かせながらその後目を合わせる事すらしませんでした。
その後ガチムチ野郎の家でカレーをご馳走になり、ありがたい動物のDVDを散々見せられ、とっても為になる妹ちゃんの爬虫類トリビアを散々聞かされた挙句、車で自宅に送ってもらいました。
一応モルタンにこっそりハリタンとヤマアラシどっちが好きなのか聞いてみた所最初はハリタンがかわいいと思ったけど、ブラックホールが来てからはお姉さん的な魅力を感じる様になったとわけのわからない話をされました。
目移りする男は選んじゃ駄目だと、好きな人もいない私ですがこれからの人生とっても役にたった気がします・・・・。