のーねむがななしんに届いた不届きな届いてしまったメールを見ています。
読んでいます。悪いものを呼び込んでしまったのは日常ですか。
読み込んだデータ、受信したデータ、そのほかにも色々なものを調べている途中です。
のーねむは優秀ですね。がんばりやさん!
えらいです。
のーねむがいてくれて……とりあえずは安心だわ。
ありがとう。
うん……でも、アレは一体なんだったんだろう?
確かに、ぼくだった……ぼくのはずだ。
でも、ぼくは……。
とりあえず、ななしんのパソコンを見せてくれる?
気になることがあるんだ。
ん……起動するね。
ぴろぴろ。ぴろぴろ。ぴろぴろ。ぴろぴろ。
メール、メールだよ。何通かメールだよ。
…………!
どう、したの……ななしん?
また……メールが来てるの……。
その、のーねむから……。
見せてッ!
ななしんはかわいいね
ななしんはかわいいよ
ななしんがかわいいの
ななしん、ななしん
ななしんが可愛いのよ
ななしんはどこにいるの
あなたはどこにいるの
見えないよ、見えないの
見えないのはこわいのよ
ななしんななしんななしんななしんななしん
ななしんななしんななしんななしんななしん
ななしんななしんななしんななしんななしん
ななしんななしんななしんななしんななしん
あたし……あたし……。
ねえ、のーねむ……?
見せてね……。
のーねむがななしんに届いた不届きな届いてしまったメールを見ています。
読んでいます。悪いものを呼び込んでしまったのは日常ですか。
読み込んだデータ、受信したデータ、そのほかにも色々なものを調べている途中です。
のーねむは優秀ですね。がんばりやさん!
えらいです。
このアドレス……ぼくのパソコンから届いてる……?
だとしたら……ぼくのパソコンを調べるべきなんじゃないかな……。
でも……そうしたらななしんが……。
……のーねむ
ななしん?
わたしは。わたしは、大丈夫。
のーねむ、あなたの考えてることくらい分かる。
本当は、こわいけど。でも……。
ねえ、のーねむの家に……行こう?
……!
のーねむの家に行きますか?
行くようですね。外にはこわいひとたちがいるかもしれないのに?
行くんです。ななしんがそう決めたんですから。
じゃあ、一緒に外に出かけましょう。
ながいよるの始まりですよ。
のーねむ……手は、握ってて。
おねがい。
大丈夫。ぼくはここにいるからね。
メール。メール。メール。メール。
…………?
のーねむ。のーねむ?
どこにいるの、あたしの のーねむ
どこどこ? どこどこ。
どこどこ
どこどこど?
…………。
のーねむ……?
だれから、きたの?
大丈夫。とにかくぼくの家に行こう。
ななしんのパソコンから、か……。
外に出たのは正解だったかも。
とことこ。ゆっくり歩くと転ぶことが少なくなります。
とことこ。急いで歩けば早く目的の場所につきますよ。
とことこ。どこに向かって歩いてますか?
もちろんのーねむの家に向かってますよ。
そろそろつくようですね。
鍵が……あいてる。
しっかりして……ていう状況じゃないかもしれないのね。
部屋は暗いみたい。
こんな夜中じゃ部屋の中は見えないわ。
…………。
だいじょうぶっ!
もう……しょうがない人。
大丈夫、そうよね。大丈夫。
ななしんの部屋には何もいませんよ。
このストーリーは陳腐ですけど、陳腐なホラー映画じゃないんです。
化け物、バケモノなんかいるはずがないじゃないですか。
あたりまえ。あたりまえの日常ですよ。
さて、調べてみようか?
このパソコンから……こう……。
ええっと……。
それで何かが分かるの?
なんだか不安……。
ん、やっぱり。
今もどこかに繋がってるみたい。
イタズラされてるんだ!
いたずら……?
そう。いたずら。こらしめなきゃね?
ただ、そうするとあのドッペルもどきが気になるなあ……。
あれは、どういうことなんだろ……?
んー、非日常に踏み込んじゃいました。
このままだとこのストーリーは
「いつもの日常」じゃなくなってしまいますねー。
どうしたらいいんでしょう。
どうしたらいいのか、作者のあたまのなかにはありますけどね。
あはははははははははははははははは。
メールがね、来てるんです。
そうそう、メールが。きてるんですよ。
…………。
のーねむ……メールだって。
だれ、から?
あ、ちょっ……!
えっ?
いまから そっちに
いくね
あは まっててね
もうすこし
ちがう……あたしじゃ、ない……。
こんな、ちが……違……ちがう……。
ちがうのっ!
ななしんっ!?
ななしんが飛び出しちゃいました。
とあるゲームだと突出すると親分に怒られます。
よくないことがあるから怒られます。
これはゲームじゃないですが……。
人生ってゲームみたいなものらしいです。
勝利条件はひとそれぞれ違うらしいよ。えへへ。
ななしんが一人で走ってます。
うさぎさんが走るだなんて、どうしたことでしょう!
カメさんに追い越されるのがムカシバナシなら、この物語では何が起こるんでしょう?
まぁ見ててください。見ててください。見ててね。
あはは。
あたしが……あたしのパソコンからのメールだった……。
さっきののーねむのメールも、もしかしたら……。
ななしん
のーねむ……?
どうして?
迎えに来たんだよ?
突然走り出したからさ。
その……その。
あの、ごめんなさ……。
まぁまぁ。どうってことないよ。
さぁ、帰ろう?
…………?
違う……これは……違うッ!
のーねむ?
聞きたいことがあるの。いいかな?
なあに?
ふふふ。あたし、本当に突然走り出した?
…………。
ばれちゃった?
…………?
ぼくはね、ななしんに幸せになってほしいの。
ななしん、信じてくれる?
…………。
こわい。本当は、本当に怖い。
でも……。
あなたのことを、信じる!
時間はたっぷりある。
きみについて話す前に、僕の話を長々長話するね。
クローン。ドッペルゲンガー。
でも、このストーリーにジャアクなもの、それとじゃあくなもの、あとは邪悪なものはいらないよ。
いらないから出てこないの。りろんてき!
すごいね。
じどうはんばいき……?
そう。かわりはいくらでもいるの。
でね……。
中身も外面も同じ……で。
違うのは……なんていうか、ぼくには難しくてよく分からない。
ただ、ね。
おなじせいぶん、でできてるの。
おどろかないで、ほしいの。
でも、ぼくはこの姿が自分で見えないの。
どうなってるの……?
…………!?
これが、あれで、この……どろどろが……?
……き……きゃ……!
やっぱりだめかあ。
でも、ぼくはきみに悪いことができない。
そういう決まりだから……。
……っ……っ!
ううんっ。違う……でも!
分かった。教えて。
どういうことなの?
…………本当に大丈夫なら、続ける。
…………。
……そっか……分かった。
続けるね。
僕たちはもともと、のーねむの因子を強く持ってた。
強く……というか多めに。でも、のーねむの因子だけじゃない。
この世界のほとんどがこう……ぼくみたいなコレ。
分かるかどうかは捨て置くよ。
ぼくもよくワカッてないからね。
ぼくは、そのなかの一部分。
本体……というか、模写だから。
ありとあらゆるものの模写だから。
写し絵……?
そういうこと、かな?
とにかく、この世界を作ってるのがぼく。
ぼくを作ったのにも上司がいて、そのまた上司がいてそのまた……。
この辺りは感覚的に理解してほしいな。
ティッシュペーパーみたいにテキトーに作られて、
空き缶みたいに空っぽ。すぐに捨てられちゃうしね。
…………。
ぼくたちの目的は、きみたちをこの世界から追い出すこと。
その方が、君たちにとって幸せなんだ。
これも、感覚的に分かってほしいところ。
追い……出す……?
誤解しないで。
ころしたり、しなせたりするわけじゃない。
一番近い表現だと、近所の家に上がりこむ感じ。
…………?
ああ、ごめんね。長話をしすぎたよ。
きみの因子が殴られてる。無駄なのに。
電柱を突然殴る人は……珍しいからね。
だから、無駄。
どういう……こと?
のーねむがあぶない。探してあげて。
こっちは用意しておくから。
急いでねッ!?
どろどろのじゅるじゅるはどっかに行きました。
消えました。でもしんでないです。
ころしちゃうなんて、ひどいでしょう?
あっちにいっちゃえ、なんてヒドいこと、言えないよ。
ミギテはどこかに行きました。
ななしんは……どこに行くのでしょう。
もちろん、思い出のあの場所に。
公園ですよ。ウサギの勘は当たりますか?
当ててくださいね、ななしんちゃん。